クリプトトレーダーダイジェスト

Monthly commentary from BitMEX co-founder & CEO Arthur Hayes. News, trends and insights that bypass institutional filters.

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はじめにハウスありき

原文: In The Beginning There Was House   (出典: Space Ibiza Nightclub) はじめにジャックありき。そしてジャックは楽しんだ。そして、この楽しみが楽しみを呼んだ。そしてある日、ジャックは、ボックスに向かって荒々しく、そして大胆に宣言した。「ハウスよ、あれ!」そして、ハウスミュージックが生まれた。 私は、このロックダウン中、毎日の日課となったサイクリングやランニングをしながら、乗りのいいハウスミュージックや街のネオンを夢見ているが、日にちや曜日さえも分からなくなっている。そして、現実に戻る。前回のレポートを執筆して以来、色々なことがあった。エネルギーと輸送分野に対する投資が失敗しているにも拘わらず、私のポートフォリオはポケット爆弾(金とビットコイン)のおかげで引き続き救われている。そして、私はとてつもなく強いドルを予想して、オプションを購入する作業になにがしかの金をつぎ込み続けている。 私は以下のFXオプションのロングを保有している。EURUSD 1.00ストライク1年 プットUSDKRW 1600ストライク1年 コールUSDCNH 8.00ストライク2年コール 私は、エクイティオプションにも手を出している。S&P 500(SPX)では、最近の安値から62%のリトレースメントに近いダブルトップが、私に語りかけてくる。この秋、2,200ドルを再び試す展開がありそうだと。私は、ちょこざいなSPY (SPDR S&P500 ETFトラスト)Sep20 220ストライクのプットポジションも保有している。私は、このコールが完全に間違っているとの誹りを甘んじて受ける。米国民の3割が、以前よりはカモフラージュされるようになったフードスタンプの収集に明け暮れている間に、SPXが史上最高値を再び試そうとする過程で、3,000ドルを超えたら、仮想通貨に賭けよ! 余談だが、私の母とその家族は、非常に貧しい家庭で育ち、兄弟姉妹もフードスタンプを利用していた。これらのスタンプは文字通り物理的な証紙で、会計の際にはよく目立つ汚名そのものを持ち歩いているようなものだった。今はより多くの人々が、政府から補助金を受け取っているが、小綺麗なデビットカードに振り込まれるため、誰が失業手当をもらっているかは分からない。経済界も少しは進歩したものだ… COVID19のロックダウンによって終わりの見えない休憩時間を与えられている間に、私は、伝説的なマクロヘッジファンドのトレーダーによるさまざまな解説を聞いたり、読んだりすることを楽しんでいる。なかでもStan Druckenmillerのニューヨーク経済クラブとの最近のインタビュー、Lacy Huntとの13Dでの最近のインタビューの2つは傑出している。 その話のポイントは、マイナス金利が銀行システムを破壊するというものだ。米国の銀行のロビーイストたちは、マイナス金利を擁護する野蛮人を入り口に配置し続けてきたが、財務省が四半期ごとに数兆ドルを借り入れなければならないときに、その特権のためになぜ支払われなくてもよいのか?それは民主党と共和党の両方が同意できるものだ。慎重なパウエル(米連邦準備制度理事会議長)が、人気取りで選出されたデマゴーグの根底にある欲望に屈するのにそれほど時間はかからないだろう。 それは物理的な金と金鉱業にとって素晴らしいニュースだ。米国で金利がマイナスになれば、この業界に注目すべきだ。金は何も生み出さないというのは、経済学的正統派の間によく見られる反応だ。しかし、銀行に預金するだけで預金管理手数料を取られ、タンス預金も、職を失って怒り狂った銃を持つ強盗に奪われるくらいなら、私たちを元気づけ、ゴールへと導いてくれるドロシー(訳注:『オズの魔法使い』の主人公)を呼び出し、スキップ、ホップ、ジャンプで、ゴールを目指す「黄色いレンガの道」を再び見出し、歩んでいきたいと思っても不思議ではない。 Real Vision(訳注:金融情報TV)のHugh Hendryとのインタビューがとても興味深かった。彼はまさに巨匠としか言いようがない。彼らが議論していたのは、株式オプションにおけるスキュー(市場のゆがみ)がプットオーバーの状態からコールオーバーの状態へと移行する未来に関するもので、まだコンセンサスにはなっていないため、引き続きその行方を見守っていきたいと思う。もしそういうことになれば、ゼロコストで長期のコールから抜け出す方法に資金を供給するため、プットの投げ売りに発展する可能性がある。私はかなり大きく出るつもりだが、自らしっかり合点がいったら、みんなにも紹介しよう。 このようなダイジェストの執筆は、自分の考えを吐露する良い機会だ。願わくば、執筆にあたっては、常に論理的で、自分の投資が大きな損害を被る前に、自分自身の知的な誤りに気付きたいものだ。 ビットコインベイビー Paul Tudor Jones(「PTJ」)という人物は、とにもかくにもすごいトレーダーだ。なぜ今後インフレが進展し、数年後にはビットコインがインフレを上回る成績を残す可能性があるのかということに対する彼の信念は、ビットコインのリスクを負うファンドマネージャーからキャリアリスクを取り除く上で、非常に重要である。平均的なマネーマネージャーになる平均的なトレーダーのキャリアパスをひとつずつ見てみよう。 このことを、金融サービスに従事していた頃、そしてその後の自分のキャリアを用いて説明しよう。私は決して模範的な社員でも、非常に収益性の高いトレーダーでもなく、その経歴や業績は、平均以上のものではなかった。 「エリート」大学に通う。ペンシルベニア大学ウォートン校は、アメリカの「high finance」(ステータスの高い金融関連企業)に最も多くエリートを排出している大学である(「ファイナンス」ではなく、「フィナーンス」と「ナー」にアクセントを付けて言わなければ、彼らの世界では正しくないのだ)。その人の専攻が何なのか、何らかの学問を学んだかどうかは関係ない。酒の席で社交的に振る舞うことができれば、ただ道を歩いているだけでも職を得ることができる。20世紀の金融業界における最悪党たちはペンシルバニア大学出身である。Milken, Perlman, Wynn...

フィクションを選択せよ

原文:Choose your Fiction Forky (出典:Pixar Animation Studios) 摩訶不思議! ポンと指を鳴らした途端、COVIDは消え失せ、ロックダウンから脱出し、あなたは今まで通りの人生を歩み続けることができるようになった。気分はどうだろう? 1月と同じくらい楽観的でいられるだろうか? 政府はあなたの健康と安全を第一に考え、タイムリーに真実を話してくれると信じられるだろうか? それとも都合のいいようにデータをごまかすだろうか? メディアが、権力側の真実を暴くと信じられるだろうか? あなたは1時間毎に徹底的に手を洗うのか、それとも、そんなこと構っちゃいられないとばかりに、目や鼻や口を平気で触るようになるのか? こうした疑問の嵐から抜け出すことができて初めて、すべては今年の1月上旬の状態に戻ったと言うことができる。幸せな日常だ。景気はV字回復するかもしれない。しかし、私が思うように、もしあなたの世界観が根本的に変わったのだとすれば、あなたの人生を支えていたフィクションも劇的に変わってしまったということだ。最も重要な価格、すなわちお金の価格とその性質のことを考える際には、私たちが信じている共通のフィクションを予測することが最も重要になる。 お金、すなわち産業的有用性と強い繋がりのある真のお金は、労働と資本を効率的に交換することで、実際の商品やサービスを生み出すことができるというフィクションに過ぎない。このフィクションがなくなれば…もはや現代社会の利便性は消え失せる。よく知られた金融に関するフィクションは3つ存在するが、COVID後の時代において、その相互関係は今とは全く異なるものとなるだろう。 政府発行通貨、別名USD = フィクション + 暴力 私たちは、必要があれば銃を突きつけられ、借金や税金はいずれ取り立てられることになるため、米ドルには価値があるということを知っている。米国は自国の債務を返済するために税金を引き上げることができると強く信じられているからこそ、ドルには価値がある。 金(ゴールド) = フィクション + 物理的な希少性 金は、産業において広範囲に利用されてきたわけではない。ただ光沢があり、物理的に不足していて、可鍛性があり、何千年もの間、人々の注目を集めてきたというだけだ。そういう意味で、金には価値がある。 ビットコイン = フィクション + 暗号による希少性 ビットコインに価値があるのは、オープンソースコードが、2,100万単位しか決して存在しないよう多くの保証人によって、集合的に管理されているためだ。だからこそ、ビットコインには価値がある。 第二次世界大戦で、人々の生活が愚かにも破壊された後、勝者がブレトンウッズに集まって、USDを基軸通貨とする近代的な金融システムを創造した。私たちは、今日でも、米ドルのくびきの下にいる。 かつてUSDには、金の重さだけの価値があり、1971年までは、きっかり1オンスあたり35ドルだった。狡猾なニクソン元大統領は、自宅に居ながらにして、人々に「餌」をばらまきながら、戦争をしたかった。「バラマキが欲しければ私に投票せよ!」と。それが選挙に勝つための最高の方法だ。しかし、彼は、国が保有する金への取り付け騒ぎには我慢がならなかったため、お金と金(ゴールド)との関係を断ち切った。それ以来、USDの価値は、完全に、信頼に依存するものとなった。 時を早送りして、2020年1月へと話を進めよう。米国には最も流動性の高い金融市場があり、すべての資本に対して完全に開放されている。すべての主要商品と取引は、ドル建てで価格設定されている。したがって、国際的なビジネスを行なう国や企業は、そうしたドルにアクセスする必要がある。 景気が良いときは、それは誰にとっても素晴らしいことだ。連邦準備制度理事会(FRB)には、ドルを、安価で十分に供給し続けるグローバルな義務がある。だからこそ、主要中央銀行との間にFXスワップラインが存在する。世界ではドルが不足しており、上品でアカデミックに見える連邦準備制度理事会の総裁だけが、それらを提供できる。 国や企業は、金持ちのアメリカ人に、ガラクタを売ることによって簡単にドルを稼ぐことができる。アメリカのGDPの70%は消費によって支えられており、それは世界中に影響を及ぼす。何億人もの農民が、悲惨な貧困状態から抜け出し、iPhoneやエアジョーダンやF150を生産するための安上がりな労働力となっているため、その親である「アメリカ」企業は、記録的な利益率を享受することができる。 ヨーロッパ人も、消費という意味において、それほど遅れを取っているわけではない。欧米は共に、世界の物への需要を象徴している。彼ら以外にいったい誰が、こんな狂気の沙汰の値段で、このくだらない代物を買うというのだろう? 鄧小平は、南巡講話において、中国を100年の眠りから目覚めさせ、世界に向けて解き放った。彼らは、製造業を西側から東側へと移行させることにより、莫大な富を得た後、高級品、旅行、教育などの分野を活性化し始めた。 衒学的で申し訳ないが、私は現代のソローではないし、明らかに彼のように池畔で生活しているわけではないから、概念的な話を長々とするつもりはない。簡潔に言おう。中国は、アメリカ人とヨーロッパ人が買うくだらない代物を、ドル建てで売っている。 ところがどっこい、COVIDが発生…中国はこのウイルスと戦うために生産を停止した。すなわち、ドル収入がなくなった。そして、アメリカ人とヨーロッパ人にも感染し経済を停止した。つまり、需要は、もうない。 中国が再びビジネスを「再開」し、物作りを始めたときには、もはや西側からの注文はない。なぜなら、彼らは皆、自宅でPornHubを視聴し、ウーバーイーツを注文しているからだ。自宅でのんびりできない人がいるとすれば、それは、馬鹿高い医療費の請求書がいつ届くかと気をもんでいる人たちだろう。この残念な話の要点は、今、中国はドルを稼いでいないという事実だ。 中国だけではない。製造やサービスの主要なハブは、少しもドルを稼いでいない。しかし、彼らは一次産品を買うために支払う必要があり、ドル建ての負債も返済しなければならない。彼らの中央銀行がドルを印刷することができれば、すべてあぶく銭になるのだが、おっと残念!そうは問屋が卸さない。 新興通貨の小さなメルトダウンが、3月末に発生した。FRBは、スワップラインを提供する中央銀行を新たに増やすことで対応したのだが、中国には提供しなかった。この措置により、少しプレッシャーが和いた。しかし、CDX EM HY CDSスプレッドを見てくれ。まるで、ウエストハリウッドのパンクヘアのようだ。 一般的には、FRBは、ドルが十分に安くなるまでお金を印刷することができると考えられる。しかし、米国の銀行は、USDを買い込み、貸し出しを拒否する傾向がある。彼らが紙幣を印刷できず、世界的な不況下でリスクを取るのには、さまざまな規制上の理由が関係している。安全第一で、堅実なバランスシートを確保する方が良いからだ。 単純な話だ。FRBは好きなだけ米ドルを印刷することができるが、それが、最も必要としている企業や国の手に渡ることはない。中でも最も重要なのは中国だ。中国の通貨は兌換通貨ではなく、西側ヨーロッパやアメリカは、このウイルスの責任は中国にあると考えている。それが真実か否かはどうでも良い。中国経済がこのCOVIDのパンデミックのさなかも生き延びることができるよう、米国の政治家たちが立ち上がって、FRBに紙幣を刷るよう要求するだろうか? このウイルスは、元々、武漢の生きた動物の市場で発生したと考えられている。そして西側は、中国政府が、その深刻さについて軽視したり、嘘をついたりしたと考えてる。それから、突然、国境を封鎖した。深刻な問題だったからだ。残念ながら、数百万人の感染した中国人が世界中に出かけて行って、どんちゃん騒ぎが始まった。真実が何なのかは、ここでも重要な問題ではない。語りがすべてを支配する。今年は選挙の年で、中国へのバッシングが本格化している。かの有名なアメリカのコメディドラマ『となりのサインフェルド』の第16話『スープナチス』の始まりだ。「あんたに渡すスープはないよ!」と断られる客のように、「あんたに渡すドルはないよ!」と。 米ドルはとにかく強い。強すぎて世界経済を破壊してしまいそうだ。 嵐を乗り切るために適切な量の財政刺激策を、確実に実行できるのは、米国だけだ。金融システムの信用力を保ちつつ、庶民を安心させられるだけの経済活動を創造するのに必要な通貨の切り下げを選択できる国は、米国以外にはない。すべての一次産品は、ドル建てで価格設定されているということを忘れないように。政府の負債をマネタイズするために、紙幣を印刷し過ぎれば、通貨が急落し、インフレが横行するだろう。そうなれば、ジャコバン派が通りに現れ、ケーキを頬張っている場合ではなくなる。 以上が、今後10年間に予想される展開を簡単にまとめたものだ。タイミングは分からないが、強い米ドルはこれまでの世界経済に終わりを告げ、リセットを突き付けてくるだろう。問題は、新しいシステムがどのようなものになるかだ。 私の魂の考えを知ってもらうために、私のポートフォリオを見て欲しい: ロング USDCNH 2年 8.00 コール ロング USDKRW 1年 1600 コール ロング...

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