Crypto Trader Digest
原文: In The Beginning There Was House
(出典: Space Ibiza Nightclub)
はじめにジャックありき。そしてジャックは楽しんだ。そして、この楽しみが楽しみを呼んだ。そしてある日、ジャックは、ボックスに向かって荒々しく、そして大胆に宣言した。「ハウスよ、あれ!」そして、ハウスミュージックが生まれた。
私は、このロックダウン中、毎日の日課となったサイクリングやランニングをしながら、乗りのいいハウスミュージックや街のネオンを夢見ているが、日にちや曜日さえも分からなくなっている。そして、現実に戻る。前回のレポートを執筆して以来、色々なことがあった。エネルギーと輸送分野に対する投資が失敗しているにも拘わらず、私のポートフォリオはポケット爆弾(金とビットコイン)のおかげで引き続き救われている。そして、私はとてつもなく強いドルを予想して、オプションを購入する作業になにがしかの金をつぎ込み続けている。
私は以下のFXオプションのロングを保有している。EURUSD 1.00ストライク1年 プットUSDKRW 1600ストライク1年 コールUSDCNH 8.00ストライク2年コール
私は、エクイティオプションにも手を出している。S&P 500(SPX)では、最近の安値から62%のリトレースメントに近いダブルトップが、私に語りかけてくる。この秋、2,200ドルを再び試す展開がありそうだと。私は、ちょこざいなSPY (SPDR S&P500 ETFトラスト)Sep20 220ストライクのプットポジションも保有している。私は、このコールが完全に間違っているとの誹りを甘んじて受ける。米国民の3割が、以前よりはカモフラージュされるようになったフードスタンプの収集に明け暮れている間に、SPXが史上最高値を再び試そうとする過程で、3,000ドルを超えたら、仮想通貨に賭けよ!
余談だが、私の母とその家族は、非常に貧しい家庭で育ち、兄弟姉妹もフードスタンプを利用していた。これらのスタンプは文字通り物理的な証紙で、会計の際にはよく目立つ汚名そのものを持ち歩いているようなものだった。今はより多くの人々が、政府から補助金を受け取っているが、小綺麗なデビットカードに振り込まれるため、誰が失業手当をもらっているかは分からない。経済界も少しは進歩したものだ…
COVID19のロックダウンによって終わりの見えない休憩時間を与えられている間に、私は、伝説的なマクロヘッジファンドのトレーダーによるさまざまな解説を聞いたり、読んだりすることを楽しんでいる。なかでもStan Druckenmillerのニューヨーク経済クラブとの最近のインタビュー、Lacy Huntとの13Dでの最近のインタビューの2つは傑出している。
その話のポイントは、マイナス金利が銀行システムを破壊するというものだ。米国の銀行のロビーイストたちは、マイナス金利を擁護する野蛮人を入り口に配置し続けてきたが、財務省が四半期ごとに数兆ドルを借り入れなければならないときに、その特権のためになぜ支払われなくてもよいのか?それは民主党と共和党の両方が同意できるものだ。慎重なパウエル(米連邦準備制度理事会議長)が、人気取りで選出されたデマゴーグの根底にある欲望に屈するのにそれほど時間はかからないだろう。
それは物理的な金と金鉱業にとって素晴らしいニュースだ。米国で金利がマイナスになれば、この業界に注目すべきだ。金は何も生み出さないというのは、経済学的正統派の間によく見られる反応だ。しかし、銀行に預金するだけで預金管理手数料を取られ、タンス預金も、職を失って怒り狂った銃を持つ強盗に奪われるくらいなら、私たちを元気づけ、ゴールへと導いてくれるドロシー(訳注:『オズの魔法使い』の主人公)を呼び出し、スキップ、ホップ、ジャンプで、ゴールを目指す「黄色いレンガの道」を再び見出し、歩んでいきたいと思っても不思議ではない。
Real Vision(訳注:金融情報TV)のHugh Hendryとのインタビューがとても興味深かった。彼はまさに巨匠としか言いようがない。彼らが議論していたのは、株式オプションにおけるスキュー(市場のゆがみ)がプットオーバーの状態からコールオーバーの状態へと移行する未来に関するもので、まだコンセンサスにはなっていないため、引き続きその行方を見守っていきたいと思う。もしそういうことになれば、ゼロコストで長期のコールから抜け出す方法に資金を供給するため、プットの投げ売りに発展する可能性がある。私はかなり大きく出るつもりだが、自らしっかり合点がいったら、みんなにも紹介しよう。
このようなダイジェストの執筆は、自分の考えを吐露する良い機会だ。願わくば、執筆にあたっては、常に論理的で、自分の投資が大きな損害を被る前に、自分自身の知的な誤りに気付きたいものだ。
ビットコインベイビー
Paul Tudor Jones(「PTJ」)という人物は、とにもかくにもすごいトレーダーだ。なぜ今後インフレが進展し、数年後にはビットコインがインフレを上回る成績を残す可能性があるのかということに対する彼の信念は、ビットコインのリスクを負うファンドマネージャーからキャリアリスクを取り除く上で、非常に重要である。平均的なマネーマネージャーになる平均的なトレーダーのキャリアパスをひとつずつ見てみよう。
このことを、金融サービスに従事していた頃、そしてその後の自分のキャリアを用いて説明しよう。私は決して模範的な社員でも、非常に収益性の高いトレーダーでもなく、その経歴や業績は、平均以上のものではなかった。
「エリート」大学に通う。ペンシルベニア大学ウォートン校は、アメリカの「high finance」(ステータスの高い金融関連企業)に最も多くエリートを排出している大学である(「ファイナンス」ではなく、「フィナーンス」と「ナー」にアクセントを付けて言わなければ、彼らの世界では正しくないのだ)。その人の専攻が何なのか、何らかの学問を学んだかどうかは関係ない。酒の席で社交的に振る舞うことができれば、ただ道を歩いているだけでも職を得ることができる。20世紀の金融業界における最悪党たちはペンシルバニア大学出身である。Milken, Perlman, Wynn...