BitMEX Altcoin / Bitcoin 先物契約インデックスの変更について

2018926 12:00 UTC (日本時間 26 21:00より、12月満期となるAltcoin / Bitcoin 先物契約インデックスは、基礎となる基準価格の安定性をより高めるため、BinanceとKraken(可能なもの)の終値が採用されます。9月満期とするAltcoin / Bitcoin先物契約につきましては、満期まで現在のインデックスが継続されます。

対象となる契約

ADAZ18

BCHZ18

EOSZ18

ETHZ18

LTCZ18

XRPZ18

対象となる契約のインデックス構成

.BADAXBT  (0.5 * Bittrex + 0.5 * Binance)

.BBCHXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BEOSXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BETHXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BLTCXBT   (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BXRPXBT   (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

12月のアルトコイン四半期契約

原文:December Altcoin Quarterlies – BitMEX Blog

2018年9月21日、ADA, BCH, EOS, ETH, LTC, TRX, XRPのコントラクトが12月満期の四半期先物契約として再度上場されます。新しい四半期契約は以下のとおりです。

BitMEX Cardano / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (ADAZ18)
BitMEX Bitcoin Cash / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (BCHZ18)
BitMEX EOS Token / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (EOSZ18)
BitMEX Ether / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (ETHZ18)
BitMEX Litecoin / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (LTCZ18)
BitMEX TRON / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (TRXZ18)
BitMEX Ripple / Bitcoin 28 December 2018 futures contract (XRPZ18)

XBT/USDインデックス変更点のお知らせ

原文:XBT/USD Index Change Announcement – BitMEX Blog

クリプトトレーディング業界におけるマーケットリーダーとして、我々は常に新旧プロダクトの改善と革新の機会を伺ってきました。

XBT/USDプロダクトのトレーディングを更に堅牢なものとするため、BitMEX .BXBT IndexにKrakenのXBT/USD価格フィードを導入することお知らせ致します。

この変更は2018年9月16日12:00UTCより、XBTUSD Perpetual Swap、新しい先物商品、並びにオプション商品に適応されます。まだ決済されていない既存のXBT/USD先物商品には既存のインデックスが適応されます。

新しいインデックスの変更

・現在の.BXBTの構成

(0.5 * Bitstamp + 0.5 * Coinbase Pro)

・新しい.BXBTの構成

(⅓ * Bitstamp + ⅓ * Coinbase Pro + ⅓ * Kraken)

・影響を受けるプロダクト

Products Affected:
– XBTUSD
– XBT7D_D95
– XBT7D_U105
– XBTH19

古いインデックスの変更

新しいインデックス.XBTは古い.BXBTインデックス (0.5 * Bitstamp + 0.5 * Coinbase Pro)に基づいて作成されます。

この新しいインデックスは影響を受けるプロダクトの清算 (28 Dec 2018 12:00 UTC)の後に廃止されます。

・影響を受けるプロダクト

– XBTU18
– XBTZ18

ETHUSD 永久スワップ 2週間ごとの更新

原文:ETHUSD Perpetual Swap Two Week Update

BitMEX における当社の強みの一つは金融革新です。当社は、いかなる金融市場にとっても、実にユニークな商品となる XBTUSD 永久スワップを生み出しました。現在、XBTUSD は、流動性を10倍に高めた、世界で最も流動性の高い仮想通貨商品で、6つの仮想通貨市場に導入されています。この成功の背景には、BitMEX が、クアント・プライシング・モデルを使って、ビットコインをマージンにした永久スワップを、Ether / USD に対しても複製する方法を創造したということがあります。この商品が、ETHUSD 永久スワップです。この商品は、わずか2週間で、世界中で最も流動性の高いEther / USD (すなわち、米ドル相当) ペアとなり、ETH/USD 価格ペアに対するスペキュレーションやヘッジングにとって、非常に重要な金融商品であることが判明しました。BitMEX ETHUSD スワップは、直近の24時間で、800,000 ETH相当が取引されています。2番目に流動性が高い ETH/USD および ETH/USDT の市場である、 Bitfinex および Binanceにおける同期間中の取引量は、それぞれわずか500,000 ETH弱でした。この商品のプライシングや取引にまだ不安がある場合は、当社の先週のニュースレターで、ヘッジングおよびスペキュレーションにおいて実際に機能した複数の事例を紹介していますので、どうぞご覧ください。皆さんの理解の助けとなるよう、当社は、 計算するためのダウンロード可能なスプレッドシートも作成しました。

 

Ether 2桁のシットコイン

すべては20172月、タイの南方のビーチで始まりました。タイの国王が数ヶ月前に亡くなったため、パーティーのような雰囲気は自粛されていました。素晴らしい友達と最高のシットコイン・トレーダーの一人と共に、私たちは、パーティーを探しにビーチへと向かいました。当時、彼が抱えていたシットコインの大きなポジションのうちの一つは、PepeCash(ぺぺキャッシュ)でした。これはCypto Kittiesの前に出現したものです。内情に詳しい人にとっては、PepeCash は ブロックチェーン上に作り出されたレアペペ(rare pepeの一種です。次のキラーアプリであることは間違いありません。PepeCash は、スマートフォン上で操作することができるため、私の友人は常に市場を監視していました。私たちは、賑やかなパーティーを見つけることはできませんでしたが、特別なカクテルを見つけました。バーテンダーは、私たちがならず者ではないと見抜き、キッチンに戻って本物の酒を持ってきました。それから数時間以上、私たちは、何マイルも歩き、興味深い旅行者や現地の人たちと出会い、シットコインに関して徹底的に話し合いました。車でホテルへ帰る途中、おかしなことに気づきました。私たちを乗せたタクシードライバーが、「Pepe the Frog」 というロゴの入った運転手用の帽子をかぶっていたのです。私は目を疑い、友人の肘をつつき、彼も、運転手がPepeの帽子をかぶっていることを認めました。私の友人は、マーケットをチェックしようと、すぐにスマートフォンを取り出しました。マーケットの連中も、私たちと同じような経験をしていたのかもしれません。Pepe Cash は上昇していたため、彼はさらに買い足しました。私たちはお互いに顔を見合わせ、それが、2017年に何か特別なことが起るサインだと知りました。 実際に起ったことは、私たちの想像をはるかに超えるものでした。2017年に実際に利益を上げたのは、Ether保有者、シットコイン・プロジェクト、そしてプロモーターでした。尊敬を集めている仮想通貨の大半のヘッジファンドに対するシードキャピタルは、Ether(イーサー) およびトークンプロジェクトのポジションに対して生じた、莫大なリターンから生み出されました。うらやましく思った従来型のベンチャーキャピタルは、彼らもシットコインに賭けようと、ファンドの一部を、ぎこちなく設計されたヘッジファンドに移し替えました。みんなが同じディールに群がり、「儲けた!」と思いました。2017年中はこれでうまく行きました。今、Ether $200まで低下しています。トークンプロジェクトの中でうまくいったものでも、2017年の水準の半分にまで落ち込んでいます。最悪の場合は、ゼロをわずかに上回る水準です。このことから次のような疑問が生まれます。

  1. 2016年の未実現利益を実際に実現したファンドはあったのか?
  2. ベンチャーキャピタルからヘッジファンドに転向した運用者は、マーク・トゥ・マーケットの損失を心理的にうまく扱うことができるのか?
  3. いくつのトークンプロジェクトが、実際に調達した Ehter の大部分、またはヘッジされた部分を売ったのか?

 

大きな門から入り、小さな門から出ろ

アジア太平洋のトレーダーとしてあなたが最初に学ぶ事柄のうちの一つは、どうやってポジションからエグジットするかということの方が、どうやってエンターするかということよりも重要だということです。私の最初のトレーディングブックは、ベトナムの証券でした。私たちのデスクは、ベトナム株式のバスケットに対してUSD建ての証券を発行しました。2009年にベトナムの株式市場のことを「ミッキーマウス」と呼べば、褒め言葉になっていたことでしょう。なんといっても、同一の株式に対しては、1日に片道でしか取引することができませんでした。買ったら、その日は買い続けるしかなく、売ることはできませんでした。1日あたりの値動きが上下5%に制限されていました。ニュースのある株は、どれも前場ですぐに限度価格に達してしまいました。このため、ブローカーに注文をファックスで送らなければならず、できるだけ早く注文の列に並ぶようにしなければなりませんでした。残念ながら、時々、ブローカーの方が、先に行っていることがありました。なぜなら、彼らは、ある特定の株について、あなたが取引できるだけの量を持っていることを知っていたからです。上司は私に、マーケットを観察するよう促しました。マーケットの構造を考えると、私がポジションを取れば、しばらくの間、そのポジションに捕らわれることになります。そして、エグジットしたいと思ったときには、ロングまたはショートのポジションから抜け出すために、強気で売り、弱気で買わなければならなくなります。私がETFのマーケットメーカーになった頃は、例をいくつか挙げれば、インド、インドネシア、中国など、その他の「ミッキーマウス」市場で日常的に取引していました。これらのマーケットは、過去も今も、規制当局による急な判断で(しばしば一晩で)変動することがあります。これは、政治にコネクションのないトレーダーにとっては不利です。私は、ポジションからどうやったら抜け出せるか、ということを四六時中考えるようになりました。この癖は、仮想通貨市場において役立ちました。私の最初のボスは、すべてはトレーダーとしての私のミスだと教えてくれました。確かにコントロール不可能なことはたくさんありますが、そのような考え方で仕事に臨むのなら、コントロールできないことに含まれるすべてのリスクを定量化し、緩和するよう試みるでしょう。私の長くて退屈な話の要点は、大半のベンチャーキャピタルは、こうしたメンタリティーで投資を行っているわけではない、ということです。彼らの投資は流動性が低いため、幻想を抱かせ、驚くようなリターンをただ紙に書いて示すことで、報酬を得られるのです。セカンダリーマーケットにおける彼らの投資の検証だけが、次の資金調達手段ですが、これも友人を巻き込めば、いつでも簡単に値を上げることができます。ギブアンドテイクです。ベンチャーキャピタルの投資家は、客観的で、流動性のあるセカンダリー市場でのバリュエーションを提示することができるため、ブルマーケット(強気相場)でのイニシャル・コイン・オファリング(新規仮想通貨公開)を好みました。彼らは、2017年と2018年初めに、より大きなシットコイン・ファンドを募集するために、こうした驚くようなリターンを使いました。しかし、客観性と透明性は、シットコインのポートフォリオが、最低でも50%下落しているような状況では好ましくありません。ファンドのビンテージによっては上昇したかもしれませんが、大半の資金は、2017年下半期から2018年下半期にかけて調達され、投資されました。これが何を意味するかというと、最近投資をした人たちは、損失を被る可能性が最も高いということです。マーケットの予測のつかない変化に苦しんだことのない人たちは、損をする可能性が高いということです。マーケットの予測のつかない変化に苦しんだことのないベンチャーキャピタルの投資家は、数日後に1から100ビットコインまで上がると考える初心者と同じくらい青い(新米な)のです。彼らには、さらに損失が膨らんだり、倒産したりするのを防ぎ、たとえ損をしてでも、いつか押し目で買うチャンスを利用するために、ポジションを切り捨てるというメンタルな強さがないのです。さらに重要なことに、リミテッド・パートナーたちは、特定のトークンに対する客観的な直近の価格を見ることができるので、騙されません。彼らは、結果論から色々と言おうとしますが、それはベンチャーキャピタルの投資家の不安を増幅させるだけです。ある時点で、彼らは「損切り」に走り、投げ売りできるものは皆処分します。今、Etherは、3桁から2桁のシットコインになろうとしています。

 

集中リスク

SAFTやその他のプライベート・トークンがモンスターのようになる前は、大半のマネーは、リテールのトークン投資家から集められていました。今では、プロジェクトが業務停止になるのを恐れて、たいていは適格な投資家しか受け入れません。適格な投資家は、その富と豊富な手段により、新たなテクノロジーのプロジェクトに入る手段を常に持ち合わせていました。こうした投資家たちは、非常に集中しています。業界のやり方に同意するすべてのプロジェクトに100万ドルから500万ドルを投資できるファンドの数は限られています。しかし、これらの門番が、機関投資家という大海原をコントロールしているのです。ソフトバンクの「ビジョンファンド」は1,000億ドルです。ですから、より幅広い投資家から金を集めるどころか、大金を調達するプロジェクトのトークン保有者の数は、2017年半ばに急激に減少し始めました。清算優先権は、プライスカーブに沿って分散した状態から、非常に集中した状態へと移行しました。すべてのベンチャーキャピタルは、同じ資本プールを取り合います。これらの資本プールは皆、同じ学校、同じ金融資格試験を合格したプロを雇います。だから、みんな同時に売ったり買ったりするのです。マネーマネジメントにおける最も大きなリスクは、キャリアリスクです。ほかの人と一緒に損をした方が、ひとりで損をするより良いのです。ひとりで損をすると、自分の仕事を犠牲にすることになります。熟練者に必要とされるスキルに対して、金融機関ほどの報酬を払ってくれる職業はほかにありません。私の友人のうちの一人が、Excelのスプレッドシートで sumproduct 関数を使ってETFNAVの計算ができるから、自分は能力があるのだと主張しようとしていたことを思い出します。こういう人には「#思い込みが激しい人」というハッシュタグを付けたいくらいです。ベンチャーキャピタルのトークンへの投資家たちは、皆同時に売却の決断をするでしょう。売らずにそのままマーケットが下がり続けたら、あなたは仕事を失います。だから皆が同時に売りに走るのです。でも、そんなにいっぺんに売りに出されたものを、一度に平らげられる人がどこにいますか? リテールは無理でしょう。機関投資家から資金流入がなければ、そんなに取引が大きくなることはあり得ません。だから、私たちはgapを下げるのです。まずはトークン、そして本丸のEtherに対してです。どこが天井なのか、私には分かりませんが、後になってみれば、いつ売りに転じたのかは明らかでしょう。持続可能なトークンエコノミーが存在すると信じる人たちはいます。しかし彼らは、これらの水準では買おうとしないでしょう。100ドルを下回れば、2017年の春の水準にまで戻るということです。そこまで下がれば、食べ頃です。

 

 

ビットコイン$5,000 が現時点での底値

原文:$5,000 Bitcoin, A Local Bottom

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビットコインは、これまでの最高値である$20,000 から 70%近く低下しています。ベアマーケット(弱気市場)です。どこがボトムなのか、そして、それはいつなのか?私の予想では、2015年のベアマーケットと同様、平均的なマイナーがASIGを停止したときがその地域のボトム価格になるでしょう。直近のベアマーケットのレンジは $200 – $250 でした。価格の低下に伴い、注目を浴びていた様々なマイナーが沈んでいきました。KnC Spondoolies のふたつが犠牲になりました。最も驚いたのは、20153月に、この難しい局面が、実際に和らいだことです。価格が上昇する7カ月前のことでしたが、これは、マイナーが被った痛手の規模を示しています。今、SEC公認のETFが我々を救うというような前向きな材料がないとすると、どこが底なのでしょうか? 私は、マイナーが彼らのマシンを停止し始めるときが重要なポイントだと思います。だとすると、ビットコインの限界費用はいくらなのでしょうか? 数日前、私は、世界最大のマイニング施設のオペレーターの一人と話をしました。彼は、中国のマイナーの平均的な電気代は、すべて込み込みで1キロワットアワーあたり6 から 7 セントだと教えてくれました。この水準では、価格がおおよそ $5,000になると、マイナーたちはオペレーションを変更し、マシンをより安い地域に移動することを検討し始めるだろう、と彼は予測しました。$3,000 から $4,000 になれば、これらのマイナーたちは、完全にマシンをシャットダウンし始めるでしょう。しかし、これらのおおまかな予想は、7nmのチップスを使っているマイナーが、あまり効率的に働かないか、2019年まで売られないことを前提としています。BitmainDragonmintGMO は皆、先を争ってこうしたマイナーを構築しようとしています。7nm のマイナーをマーケットに持ち込むことに成功した企業は、間違いなく、平均的なマイニングファームの限界費用を下げることになります。そして、比較的古い世代のマイニング機を駆逐することになるでしょう。価格がハッシュレートを先導し、最終的なブレークイーブン水準の確認は、難局が実際に和らぐかどうかです。それには、ハッシュレートが下落するほど弱気相場が続き、十分な数のマイナーがシャットダウンする必要があるでしょう。

 

時期不明なIPOはいつなのか

皆が、BitmainIPOについて話しています。すでに企業の士気を高める初期段階を過ぎたのなら、上場企業を経営することが次善の策になります。なぜ企業の株式を公開するかというと、長期的な投資家、従業員、経営陣にとって、企業を何倍もの値段で売ることができるからです。企業は、事業拡大を支えるための多額の資本を調達するためにもIPOを行います。上場企業になれば、経営に対する精査は決して終わることなく続きます。間違ったことを言えば、何年も刑務所にいられる可能性があります。あのフェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグが、好き好んで、何も知らない連邦議会議員や女性たちに、人前でこきおろされたいと思いますか? テスラ社が、もともと公開市場で株式を売ることによって多額の資金を調達する必要がなかったのなら、CEOであるイーロンは、きっと未公開会社のままにしていたでしょう。Bitmain は、最も価値のある、また最も儲けの出ている仮想通貨会社です。公表された数字が真実だとすれば、2017年には20億ドル以上の利益を生み出したことになります。ほかのメーカーとは異なり、Bitmainのクライアントは注文を前払いします。販売前の唯一の支出は、彼らの主要な半導体を伴ったチップに対する頭金です。Bitmain は、ドル箱事業を持っていますが、今はIPOをやりたいのです。同社は、ビジネスを拡大するために資金調達が必要なわけではありません。研究開発のためのキャッシュフローは潤沢です。彼らはすでに最大のマーケットシェアを保有しているので、値段を下げることにより、流通チャネルを掌握する必要もありません。唯一の結論は、彼らは、マイニングの中期的な利益は急激に低下する、と考えているということです。Bitmainは、AIチップの成長戦略を売りにしていますが、本当のところは、徹頭徹尾、仮想通貨会社なのです。仮想通貨会社は、ほかの比較可能な業界の似たような会社に比べて、非常に割安な株価収益率で取引されています。私は、今年、Poloniex Bitstampを売った仮想通貨取引所は、株価収益率4倍から6倍で取引したとみています。(Bistampの売却はまだ確認されていませんが、あらゆる仮想通貨のニュースが、2018年初めに売却された可能性が高いと報じました。)ICECMEなどの公開取引所は、20倍から30倍の株価収益率で取引しています。仮想通貨市場が、2017年第4四半期のように大規模なブルマーケット(強気市場)なら、公開市場に資金が流入するかもしれませんが、ビットコインが70%も低下しているときにそういうことはありません。さらに、Bitmainは、マイニングの収益性が劇的に落ち込む前に、マーケットの天井をつかもうとしているのだと予想されます。マネージメントは、価格は持続的に低下して、$5,000かそれを下回るところまで行く可能性が高いという見方をしています。この値段では、彼らの目玉商品S9マイナーの売上は低下するでしょう。彼らはIPOによって利益を実現することができますし、ベアマーケットである間にキャッシュリッチでいられます。この軍資金で、比較的金銭的にゆとりのないライバル企業のうちのいくつかを買収することができます。市場が反転したとき、彼らは、誰もライバルのいない有利なポジションにいることでしょう。

 

上方リスク – SEC 公認の ETF

9月末に、SECは、多くのETF出願に対してルールを課すでしょう。彼らは、よくあるプレッシャーに屈服するのでしょうか? 仮想通貨は、70%下落しているときでさえ、ほかのアセットクラスより、はるかにエキサイティングです。取引所、アセットマネジャー、投資銀行などはすべて、入りたがっています。唯一の抑制要因は規制当局です。Kストリートのロビイストたちと共に、米国議会の議員たちを説得すれば、どんな理不尽な要求も通すことができます。仮想通貨のロビーが、SECに勝ち、ETFが承認されれば、ショートスクィーズの源となるすべての動きに警戒してください。 

予定されているダウンタイムのお知らせ(8月22日日本時間10時)

原文:Scheduled Downtime: Weds, Aug 22 01:00 UTC

8月22日水曜日01:00 UTC(日本時間午前10時)より、BitMEXはエンジンパフォーマンス向上の為のメンテナンスを行います。このメンテナンスでは取引が実行されるマシンの物理的な乗り換えが必要になるため、一時的なダウンタイムが発生します。

取引は01:00 UTC(日本時間午前10時)に停止し、その後ウェブサイトはメンテナンスモードに入ります。メンテナンスに必要となる時間は30分を見込んでおり、Twitterにてアップデートを共有します。

なぜクアントなのか?

著者 – Arthur Hayes

米ドルは、世界最大のシットコインです。しかし、すべての資産は対USD(米ドル)で値付けされています。仮想通貨が影響を受けないわけではありません。仮想資産の世界では、Bitcoin(ビットコイン)/USDが最も重要なクロスです。 

アルトコイン(altcoin: Bitcoin以外の仮想通貨)の世界でも、最も活発なクロスは対USDです。当社のインバース型のデリバティブを、アルトコイン/USD クロスに対して複製するためには、問題となっているアルトコインを担保として受け入れる必要があります。BitMEX が受け入れることのできたアルトコインのうち、次の候補として上がるのはEtherです。しかし、当社のマルチシグ・セキュリティ・プロセスに適合させるには、当社が、Ethereum(イーサリアム)のマルチシグ・スマート契約を利用またはコード化する必要があります。

残念なことに、人気の高い Ethereum のマルチシグ・スマート契約は様々なかたちで悪用されているため、当社は、 Ether を決して安心して保管することができないと考えました。仮想通貨取引プラットフォームを運用する上でこれ以上ないほど重要な法則は、仮想通貨を失ってはならない、というものです。当社は、リスクを制限するためにできることは、何でもしなければなりません。したがって、現状で、Ether を担保として受け入れることは、得策とは言えません。

これらの制約を考慮すると、Ether をマージンとしたインバースEHTUSD契約をローンチすることはできません。インバース型契約では、マージンおよび損益通貨が自国通貨(ETH)建てで表示され、クォート通貨が外国通貨(USD)建てで表示され、契約価値が外国通貨(USD)の額面価額です。

インバース契約の例: XBTUSD スワップ

マージン通貨: XBT (ビットコイン)
クォート通貨: USD
契約価値: $1

ビットコインがマージン通貨および損益通貨として使われているETH/USDのリスクをオファーするためには、クアント・デリバティブ・タイプが必要です

Wikipediaより:

クアントは、デリバティブの一種で、原資産価格はある通貨建てで表示されるものの、その金融商品自体は、別の通貨の何らかのレートで清算される。このような金融商品は、外国資産のエクスポージャーは保有したいが、それに付随する交換レートリスクは負いたくないとするスペキュレーターや投資家にとっては魅力的である。

クアントは、原資産との関係において非直線的に動くことができるエキゾチック・デリバティブです。しかし、流動性を求めるスペキュレーターおよびヘッジャーにとっては非常に有益で、この場合、彼らが安心できる通貨建てでマージンを設定することができます。私がデルタ・ワンのトレーダーだった頃、外国人による取引を制限している国(例:インドおよび台湾)で現地通貨の先物取引を行うために、私たちは日常的にUSDのクアント・デリバティブ取引を行っていました。

最近ローンチされた BitMEX ETHUSD 永久スワップは、クアント・デリバティブです。この契約は、1USDにつき0.000001 XBT を支払います。これは、ビットコインのマルチプライアーが、ETHの米ドル建て額面価格にかかわらず、常に一定であることを意味します。これは、スペキュレーターにとって素晴らしいことで、ビットコインのリターンは、ETHUSDの価格と直線的に連動して変化します。ETH/USDクロスをヘッジするためにこの契約を使う人やマーケットメーカーにとっては、これは若干扱いにくいものとなります。ヘッジングとマーケットメイキングの仕組みについては、このニュースレターで後述します。

クアント事例を扱ったスプレッドシート

当社は、ユーザーがダウンロードして、以下の事例のうちのいくつかに取り組めるよう、スプレッドシートを作成しました。こちらからアクセスできます。

スペキュレーターのためのクアント

スペキュレーターは、リスクに対してエクスポージャーを取ることに関心があります。安く出たり入ったりできれば、どのような方法でエクスポージャーを取るかは二の次です。BitMEX が、クアントを使ったビットコインのデリバティブのために流動性のあるマーケットを作り出すことができれば、スペキュレーターたちが押し寄せることでしょう。

「なぜクアントなのか?」ですでに説明したように、BitMEX ETH/USDのリスクをオファーするためには、ビットコインにクアントを取り入れなければなりません。ここでは、スペキュレーターが関心を持っているコンセプトについて見ていきましょう。

以下のすべての事例において、次の前提を使います。

契約: ETHUSD

マルチプライアー: 1 USDあたり0.000001 XBT

契約数: 10,000

コントラクトバリュー(契約価値)

スペキュレーターにとって最も重要な側面は、契約のペイオフ機能です。当社はETH/USDの価格に対してリスクを取っているため、理想的には、契約のビットコインバリューが、ETH/USDの価格と直線的に連動して上昇および下落しなければなりません。

私は、スペキュレーターは、ビットコイン(XBT)建てで自分たちの利益を表示していると想定しています。したがって、特定の ETH/USD 価格におけるUSD建てでのビットコインのバリューは、関係ありません。端的に言えば、スペキュレーターは、より多くのビットコインを稼ぐために、ビットコインをマージンとして利用したいのです。

上の図は、あらゆるETHUSDのバリューで、そのポジションのXBTバリューが直線的に変化することを示しています。これこそが、スペキュレーターが望んでいることなのです。

XBT バリュー = ETHUSD 価格 * マルチプライアー * 契約数

マージンの計算

ビットコインのマージンはどうやって計算するのでしょう? ETHUSD取引のイニシャルマージンは2%、すなわちレバレッジは50倍です。

イニシャルマージン (IM) = 2% * XBT バリュー

ETHUSDの価格$500で取引を始める場合、下記がイニシャルマージン必要額になります。

イニシャルマージン(IM = 2% * $500 * 0.000001 XBT * 10,000 = 0.10 XBT

次に考慮すべき重要な事柄は、あなたの清算価格がいくらになるかということです。これは、メンテナンスマージンによって決定されます。ETHUSD契約のメンテナンスマージンは、1%です。ETH/USDの原資産スポット価格が1%下落すると、あなたは清算させられます。

損益(PNL)計算

 

損益は、ビットコイン建てで表示されます。損益は、ビットコイン建てにおいて、ETHUSDの価格に直線的に連動します。この契約が1%上昇すれば、あなたのビットコインの損益も1%上昇することになります。上のグラフは、そのことを示しています。

XBT の損益 = (ETHUSD エグジット価格 – ETHUSD エントリー価格) * マルチプライアー * 契約数

上の例で、ETHUSD 価格が $500 から $600 に動いた場合、XBT の損益は次のようになります。

XBT 損益 = ($600 – $500) * 0.000001 XBT * 10,000 = 1 XBT

契約数

ビットコインのエクスポージャーを正確に知るには、少し数学が必要になります。

次の式は、いくつ契約を取れば、理想的なビットコイン想定元本に等しくなるかを計算する方法を示したものです。

契約数 = XBT 想定元本 / [ ETHUSD 価格 * マルチプライアー ]

100 XBT のリスクを取りたい場合、ETHUSD 契約をいくつ取引すればよいのかは、次の式で計算できます。

契約数 = 100 XBT / [ $500 * 0.000001 XBT ] = 200,000 契約

クアント構造は、ビットコインをベースにしたスペキュレーターの希望を満たします。スペキュレーターが関心を寄せる主な要素は、すべてが、ETH/USD価格に直線的に連動することです。その取引に流動性があれば、対原資産で、契約が相対的に高いか安いかは、主な関心事ではありません。

契約がプレミアムであるか、ディスカウントであるかを決定する要因は、後続の要素の中に見出されます。第一原則から、これらの事柄は、クアント・デリバティブのヘッジ方法に大きく左右されます。契約をヘッジするのは、非直線的効果が問題である場合です。

クアント永久スワップのヘッジ

クアント永久スワップのヘッジは、一筋縄ではいきません。2つの仮想資産の間の相関リスクという追加的要素が、物事を複雑にしています。これを第一原則から説明し、その後、より一般的な式を提示します。

前提:

シンボル: ETHUSD

マルチプライアー: 0.000001 XBT

ETHUSD 価格: $500

.BETH (ETH/USD スポット指数): $500

.BXBT (XBT/USD スポット指数): $10,000

シナリオ 1 – ETHUSDのショートとヘッジ

あなたは、ETHUSD100,000 契約します。

まず、あなたの通貨エクスポージャーを計算しましょう。

XBT バリュー = $500 * 0.000001 XBT * -100,000 = -50 XBT

ETH バリュー = XBT バリュー / [ .BETH / .BXBT ] = -1,000 ETH

次に、あなたのETH/USDのエクスポージャーを、1,000 ETHをスポット価格で購入することによりヘッジします。あなたの購入価格は、現在の .BETH 指数価格に一致させることができるとします。

あなたは、原資産通貨のエクスポージャーをヘッジしました。この時点で、あなたのエクスポージャーは完全にヘッジされます。しかし、ETHUSDの価格が変化するにつれ、あなたのETHUSDの損益はXBT建てになり、ETHのヘッジの損益はUSD建てになります。

2つの極端な例を見てみましょう。

1: .BETH が上昇し、.BXBT が下落する

.BETH ETHUSD $750まで上昇する

.BXBT $5,000まで下落する

ETHUSD 損益 = (ETHUSD エグジット価格 – ETHUSD エントリー価格) * マルチプライアー * 契約数 = -25 XBT, USD バリュー -$125,000

ETH スポット USD 損益 = (.BETH エグジット価格 – .BETH エントリー価格) * ETH= $250,000

ネット USD 損益 = USD建てのETHUSD XBT 損益 + ETH スポット USD 損益 = +$125,000

この例では、XBTUSDバリューとETHの間の相関は、-1です。それらは、完全に負の相関関係で動いたため、あなたに利益が発生しました。

2: .BETH 上昇し、.BXBT も上昇する

.BETH ETHUSD $750まで上昇する

.BXBT $15,000まで上昇する

ETHUSD 損益 = -25 XBT, USD バリュー -$375,000

ETH スポット USD 損益 = $250,000

ネット USD 損益 = -$125,000

この例では、XBTUSDバリューとETHの間の相関は、+1です。それらは、完全に正の相関関係で動いたため、あなたに損失が発生しました。

この ETHUSD のショートポジション + ヘッジ では、相関が低下すると利益が生じ、相関が高まると損失が生じました。ETHUSD .BETHベーシスがフラットなため、エントリー価格は、2つの仮想通貨間で相関はないと仮定されます。

シナリオ 2: ETHUSD のロングとヘッジ

あなたは、ETHUSD100,000契約しました。

まず、あなたの通貨エクスポージャーを計算してみましょう。

XBT バリュー = $500 * 0.000001 XBT * 100,000 = 50 XBT

ETH バリュー = XBT バリュー / [ .BETH / .BXBT ] = 1,000 ETH

次に、あなたの ETH/USD エクスポージャーを、 1,000 ETH をスポット価格でショートすることによりヘッジします。現在の.BETH 指数価格とあなたの購入額を一致させることができるとすると、このショート売りに対してETHを借りるコストは発生しません。

あなたは、原資産通貨のエクスポージャーをヘッジしました。この時点で、あなたのエクスポージャーは、完全にヘッジされています。しかし、ETHUSDの価格が変化するにつれ、あなたのETHUSDに対する損益はXBT建てになり、ETHヘッジはUSD建てになります。

2つの極端な例を見てみましょう。

1: .BETH 上昇し、.BXBT は下落する

.BETH ETHUSD $750まで上昇する

.BXBT $5,000まで下落する

ETHUSD 損益  = 25 XBT, USD バリュー $125,000

ETH スポット USD 損益 = -$250,000

ネット USD 損益 = -$125,000

この例では、XBTUSDバリューとETHの間の相関が、-1です。これらは、完全に負の相関関係で動いたため、あなたに損失が発生しました。

2: .BETH 上昇し、.BXBT も上昇する

.BETH ETHUSD $750まで上昇する

.BXBT $15,000まで上昇する

ETHUSD 損益 = 25 XBT, USD バリュー $375,000

ETH スポット USD 損益 = -$250,000

ネット USD 損益 = $125,000

この例で、XBTUSDバリューとETHの相関は、+1です。これらは、完全に正の相関関係で動いたため、あなたに利益が発生しました。

ETHUSD のショートポジション + ヘッジは、相関が高まると利益が発生し、相関が低下すると損失が発生しました。ETHUSD . .BETH ベーシスがフラットなため、エントリー価格は2つの仮想通貨間の相関がゼロだと仮定されます。

下の表は、2つのシナリオをまとめたものです。

対象期間

XBTETHの相関は、静的ではありません。ヘッジされたスワップポジションを長く保有すればするほど、直近の状況に基づいて期待される相関関係が変化する可能性は高まります。

先物取引とは異なり、ETHUSD スワップには満期がありません。このため、あなたのクアントリスクは、あなたが対象とする期間によって決まります。急速に出たり入ったりするマーケットメーカーにとって、クアントの効果は取るに足らないものです。資金調達を行うために期間を延長してポジションを保有するキャッシュおよびキャリーのマーケットメーカーにとって、クアント効果は彼らの損益を破壊するほどのものです。

共分散

多くのマーケットメーカーは、相関リスクをヘッジされないままにしておくことに満足しないでしょう。彼らは、BitMEXとポートフォリオのスポットレッグに対する損益を常にヘッジするでしょう。XBTETHのボラティリティ、そしてそれらの相関関係によっては、損益をヘッジすることがあなたの全体的な損益にとってプラスに働くかマイナスに働くかを決定するのは、共分散です。どちらの資産のボラティリティも高く、相関があなたにとって望ましい範囲を出たり入ったりしている場合は、損益をヘッジすることによって、あなたの損益は増幅されます。

我々は、未知の領域に突入しています。私は、数ヶ月後に、過去のデータを見直し、ファンディングのうちどの程度が、クアントリスク下でのマーケットメーカーのプライシングによるものなのか、またどの程度がETHUSDの間の金利差によるものなのかを計算してみます。

2018年8月4日のダウンタイムについて

本日、2018年8月4日14:29から15:26 UTCにかけて、BitMEX.comならびにBitMEX APIへのアクセスに著しい障害がありました。

負荷の急上昇によりレート制限やセッションに使用される重要な内部システムに過負荷が発生し、システム内においてデータが通常より頻繁に再計算され、負荷が悪化するフィードバックループが発生しました。

フィードバックループは修正され、システムは正常に戻りました。 BitMEXのエンジニアは、これらのシステムを完全に分離するように取り組んでいます。そのため、これらの重要でないオペレーションは、重要な取引リクエストとログインの処理時間に影響を与えません。

今回の混乱においてご不便をおかけしたことをお詫び申し上げます。 BitMEXのエンジニアはフィードバックループの原因を解消しており、このような出来事が再び発生しないように、これらの重要なシステムを分離するために週末に取り組んでいます。

ETH/USD無期限契約提供開始のお知らせ

原文:ETHUSD Perpetual Swap Now Live – BitMEX Blog

XBTUSD先物契約に引き続き、最も高い流動性を提供する取引所としてBitMEXは、ETHUSDの無期限契約の提供を開始致します。

取引は既に可能です。契約の詳細についてはこちらをご覧下さい。

シンボル: ETHUSD
満期: 無期限
Bitcoin Multiplier: 0.000001 XBT (100 Satoshis)
XBTコントラクトバリュー: ETHUSD Price * Bitcoin Multiplier (100 Sat/$1)
価格取得元: .BETH (Bitstamp, GDAX, ならびにKrakenを同じ比率で平均したもの)
最大レバレッジ: 50x

資金調達 最大/最小: -0.75% to 0.75%

間隔: 8 hours

XBTとXBUチェーン比較

注:本稿は古い情報に基づいている。20142016年、BitMEX ではクオントとインバースの両方を扱っていたが、その後、簡略化のため、インバースのみに移行している。

新しい情報については、XBT シリーズガイド をご覧いただきたい。


BitMEX では、総合的なビットコイン派生商品を取り扱うことを目標にしている。現在の主力商品はクオントとインバースの 2 種類に大別される。XBTUSD スワップ商品ではインバース方式を採用し、XBTU16 契約ではクオント方式を採用している。

XBTUSD はビットコイン価格 (任意) 1 ドルで除した値に相当する。XBTU16 では、ビットコイン乗数が 1ドルあたり 0.00001 XBT に固定されている。いずれの契約も米ドル建てで提示され、Kaiko BitMEX インデックスビットコイン/米ドル (XBTUSD) 直物レートを参照する。 下表は XBTUSD XBTU16 の概要である。

シンボル XBTUSD XBTU16
種類 インバース クオント
原資産 1 / XBTUSD または USDXBT XBTUSD
乗数 -$1 0.00001 XBT
建値通貨 USD USD
証拠金と損益通貨 XBT XBT
満期 なし 2016 9 30
決済方式 未実現損益を毎日12:00 UTC に調整し直す Kaiko BitMEX インデックスの10:00 UTC – 12:00 UTC 1 分足時間平均加重価格 (TWAP)
1契約あたりXBT価値 1 / 価格 * $1 価格 * 0.00001 XBT
1契約あたり米ドル価値 $1 価格² * 0.00001 XBT
1契約の XBT 損益 (1 / 価格T – 1 / 価格0) * -$1 (価格T – 価格0) * 0.00001 XBT

XBTUSD は、XBTUSD と価格が提示されるためインバース () 契約であるが、実際には、原資産は USDXBT または 1/XBTUSD である。インバースとしてクォートされる理由は、ビットコイン市場の大半のトレーダーがビットコインをベース通貨とするクォート方式に馴染んでいるためである。この商品は、ビットコインの米ドル建て価値を固定する必要のあるトレーダーに適している。3 か月以内に$100,000 のビットコインを受領する予定の場合、100,000 XBTUSD 契約を売却して、$100,000 の価値を確保する。

XBTU16 は、米ドル建てでクォートされるためクオント先物契約であるが、乗数は XBT 建てである。以下は Wikipedia の引用。

クオント とは、デリバティブ の一種で、原資産単一通貨建てであるが、商品自体は別の通貨建ての固定レートで決済される。

このチェーンはビットコイン保有者がビットコインの将来価格を適切に予測することでビットコイン収益をあげる場合に適している。

上のチャートには、1,000 XBTUSD 契約をロングした場合において、直物レートの推移に伴う米ドルと XBT のエクスポージャーを示している。米ドルのエクスポージャーは、$1,000 で一定であるが、XBT のエクスポージャーは非線形に変化している。この値が XBTUSD 価格 [XBT 価額 = 1/価格 * $1 * 契約数] に相当するためである。次のチャートでは、証拠金との関係が示されている。

1,000 XBTUSD 契約を$500 で購入したものと仮定する。この契約の XBT 価額は、1/$500 * $1 * 1,000 or 2 XBT の算式で計算される。慎重を期し、2 XBT を証拠金として預託する。この証拠金で価格下落時の損失が十分カバーできるという考えの下での預託であるが、上のチャートでその考えが間違っていることがわかる。青い線は 2 XBT の投資額を示している。赤い線は 1,000 XBTUSD 契約ロングポジションの損益を示している。緑の線は損益相殺後の純投資額を示している。価格が $300 を割り込むと、アカウントの投資額は実際にはマイナスつまり破産状態となる。XBTUSD はインバース契約であるため、1,000 契約を購入すると、実際には、USDXBT をショートしたことになる (XBTUSD のロングでなく)。その結果、XBTUSD 価格が下落すると、ポジションの想定価値相当の XBT を預託しても、追加証拠金が必要となり得る。

上のチャートには、XBTU16 契約を 1,000 枚ロングした場合において、XBTUSD 直物レートの変化に伴う米ドルと XBT のエクスポージャーが示されている。XBT のエクスポージャーは、非線形に変化している。価格変数が 次の式のとおり、2乗されているためである:[USD 価額 = 価格² * 0.00001 XBT * 契約]

XBTUSD 相場の見通しに応じて、どちらかのチェーンが他方より明らかに有利となる。上の 2 つのチャートには、XBT と 米ドルの損益が示されており、1,000 XBTU16 1,000 契約のロングポジションとshort 2,500 XBTUSD 2,500 契約のショートポジションで、いずれも価格 $500 と仮定されている。$500 では、この 2 つの商品の XBT USD の価額は等しい。XBTUSD 相場に弱気な見方をしている場合、XBTUSD のショートが適した戦略である。XBTUSD 相場に強気な見方であれば、XBTU16 ロングが最適である。

超短期スプレッド取引

原文:Calling the Curve – BitMEX Blog

BitMEX 20181228日満期のBitcoin / USD 先物契約「XBTZ18」は最近取引を開始した。次の取引案では、短期直物相場は続落し、2018年第3四半期に底を打った後、2018年第4四半期に大幅な反発を見せるという前提に立つ。また、トレーダーのセンチメントに変化はなく、長期的弱気市場に突入するとも仮定されている。

ただし、このシナリオを強く確信する場合、次の戦略でリスクと収益チャンスは最大となる。

1 現在の水準からビットコインが底を打ったと確信するまで XBTU18 をショートする。

2 XBTU18 のショートをカバーしたら XBTZ18 をロングする。

まず、3 か月物をショートする理由は、時間的価値が低いため直物の価格変動により敏感に反応するためである。流動性も高いため、パニックになった投資家は投機やヘッジでこの先物契約を使用する。年率では、XBTZ18 より高いディスカウント率で取引される。

反発局面で XBTZ18 をロングする理由は、時間的価値が高いためである。市場が思惑通り動けば、投機筋はカーブのバックエンド(長期)を買い上げるだろう。年末までには、様々な事態が起こり得る。ビットコインのコールオプション的役割を踏まえ、この先インプライドボラティリティによって価格上昇がもたらされる可能性は下落より大きい。取引商品に内在する時間的価値が高いほど、長期コンベクシティの好転が有利に働く公算も大きくなる。

このシナリオでリスク軽減を図る場合、スプレッド取引が有効である。ただ、リスクが軽減すれば利益チャンスは低下する。

1 現在の水準からビットコインが底を打ったと確信するまで、XBTU18 をショートすると同時に、XBTZ 18 をロングする。

2 上記 XBTU18 のショートを XBTUSD に置き換える。

短期的に、売り圧力が予想されることから、曲線はスティープ化し、XBTU18 のショートポジションの利益でXBTZ18 のロングポジションの損失が相殺される。上記チャートでは、BitMEX Bitcoin / USD 先物市場の現在の曲率を示している。比較的フラットであることから、このスプレッド取引を始めるには今が好機であることが読み取れる。

この取引は価格的に中立であるが、各ポジションには別々に証拠金がかかることに注意されたい。XBTU18 のショートポジションの未実現利益は、XBTZ18 のロングポジションの未実現損失を相殺するために使用できない。

後者の取引にはファンディング率が発生すると同時に、6 か月と長期である。相場の反発に伴い、スワップがプレミアム方向に動くため、ショートポジションの保有者がファンディング率を受け取ることになる。イールドカーブのロングエンドは、時間的価値の上昇により、年率で買い上げられる。スワップのファンディングと先物金利差の拡大で収益がもたらされる。この取引も価格中立であるが、各ポジションに証拠金が必要である。

方向的動きを示すためにスプレッド取引の利用を選択する理由は、予想が間違っていたとしても、資金的ロスが小さいことにある。予想に対する確信が強いほど、各ポジションのレバレッジを高め、資本利益率を上げることができる。

テザー:プエルトリコ財務データ四半期アップデート

原文:Tether: Puerto Rico financial data quarterly update – BitMEX Blog

抜粋:テザーに関する当社の過去調査記事のフォローアップとして、プエルトリコの金融監督機関が発表した2018年第1四半期の財務情報を紹介する。この発表には、テザーの影響を表すさらなる証拠が含まれている。この情報に加え、テザーの消息筋から、当社の初回レポートが適切であるとの確認を得た。

初回レポートで、プエルトリコの Noble Bankがテザーの主な準備銀行であるという推論を示してから数か月後の20185月、Bloombergは当社の主張をさらに裏付ける記事 を発表した。以下にその一部を引用する。

3人の消息筋によると、プエルトリコのサン・ファンに本拠を置くNoble Bank Internationalは、昨年、Bitfinexのために銀行業務を引き継いだ。

上記に加え、BitMEX リサーチもテザーの関連者から話しを聞き、20182月の当社レポートの主張の大半の信憑性を確認できた。初期の発見は、プエルトリコの金融当局の開示データに基づくものであり、この当局者は最近、20183月終了四半期分の最新データを発表した。当社の見解では、当社の初期の推測を裏付けるデータがさらに加わった。

2018年第1四半期財務データ

Noble Bank を含む International Financial Entities (IFE) 部門の銀行預金は、35億ドルと前四半期比 6.9%増となった。同部門の総資産額は41億ドルと前四半期比で7%増加した。こうした緩やかな増加は、仮想通貨取引高の緩やかな増加に正答するものであるが、テザー残高と仮想コインのエコシステムで残高拡大が続いた反面、同四半期に仮想コイン価格が急落したため、残高の伸びが抑制された結果と考えられる。同四半期に、発行中のテザーの価値は62.7% 増加し 23億ドルに達した。

下表は、初回レポートでも紹介したテザーの残高とプエルトリコの銀行部門の預金残高(Noble Bankを含む)を比較した表で、最新データが追加されている。

プエルトリコの IFE 総預金高とテザー残高(単位:百万米ドル)。(出典: IFE AccountsBitMEX リサーチ、Coinmarketcap

総資産に占める現金割合(完全準備銀行の指標)も同四半期に85.8%から 91.0%に上昇している。前回レポートで説明したとおり、これも仮想コインやテザー関連の活動を反映する数値である。

プエルトリコの IFE 総現金残高が総資産に占める割合。(出典:IFE AccountsBitMEX リサーチ)

当四半期に監督当局は、テザー残高の名称を「預金、マネーマーケット投資、およびその他の利息収入を創出する残高」から「銀行内現金」に変更したようだ。当社はこれを不審な動きとは見ていない。

 

ペッグ通貨(Stablecoin)の略歴(パート1)

原文: A brief history of Stablecoins (Part 1) – BitMEX Blog

抜粋:本稿では、BitShares (BitUSD) および MakerDAO (Dai) の 2 つのケーススタディを中心に、分散型ペッグ通貨(stablecoin)の歴史をざっと振り返る。さまざまな設計チョイスの有効性(価格やプールされる担保など)を考察し、有効なペッグ通貨は、金融テクノロジーの究極の代名詞となる可能性が高いものの、当社が今まで考察したシステムはいずれも意義深い規模となるだけの堅牢性を持ち合わせていないという結論に至った。考察対象となった通貨は、「消去法」的な論理を根拠に、ある程度価格安定性を実現しているものの、こうした根拠はテクノロジーの向上に伴い関連性が薄れるように思われる。

概要

分散型ペッグ通貨は、ビットコインのような仮想通貨(検閲耐性のあるデジタルトランザクション)と米ドルや金をはじめとする伝統的な金融資産の安定した値動きという両方の特質を達成することを目的とする。こうしたシステムは、Tether など、一企業が米ドル担保プールをコントロールする結果、システムが中央集中型となり、当局により閉鎖されるリスクを負うトークンと大きく違う。

分散型取引所のアイデアと幾分似通った点があるのに加え、分散型ペッグ通貨は金融テクノロジーの「究極形」と呼ばれている。これは、想定されるメリットの大きさによるものである。当社の意見では、こうしたテクノロジーが社会を変革する力は強大であり、交換レートが浮動するビットコインやイーサリアムトークンをはるかに上回る可能性がある。分散型ペッグ通貨を利用すれば、交換レートの変動や未知のトークンの仕様をユーザーや業者に勧める難問に悩むことなく、ビットコインのメリット (検閲耐性と電子取引能力を兼ね備える) を享受できる。こうしたシステムが大成功する可能性は高く、以下のとおり、関連プロジェクトが多数企画されているのは、当然と言える。

ペッグ通貨プロジェクト一覧

名称 種類 開始日 ホワイトペーパーのリンク
BitShares (BitUSD) 仮想Crypto-collateralized 2014721 ホワイトペーパー
Nu (NuBits) 仮想通貨が担保 2014924 ホワイトペーパー
Steem (SteemUSD) 仮想通貨が担保 2016419 ホワイトペーパー
Corion 無担保 20171014 ホワイトペーパー
MakerDAO (Dai) 仮想通貨が担保 20171227 ホワイトペーパー
Alchemint 仮想通貨が担保 20189 ホワイトペーパー
BitBay 無担保 20189 ホワイトペーパー
Carbon 無担保 未定 ホワイトペーパー
Basis 無担保 未定 ホワイトペーパー
Havven 仮想通貨が担保 未定 ホワイトペーパー
Seignoriage Shares 無担保 未定 ホワイトペーパー

こうしたシステムの構築に伴う技術的問題は軽視されがちである。実際、金融市場につきもののサイクルや激変、ボラティリティに十分耐えうるほど堅牢な分散型ペッグ通貨システムの構築はほぼ不可能と言える。たとえば、大半の法定通貨は、米ドルも含めて達成できていない。米ドルの銀行預金は信用サイクルによるリスクにさらされるためだ。したがって、米ドルを基盤に構築されるペッグ通貨システムに、伝統的な銀行業務を上回る信頼が寄せられるとは考えにくい。

経済学では、マネーサプライ (貨幣供給) という概念があり、階層が増えるにつれ、リスクとインフレへの潜在的影響力は増大する。このペッグ通貨システムは、新たな高リスク階層に加わり得る。

  • M0 – 紙幣・硬貨と中央銀行への預金
  • M1 – 銀行当座口座預金 (M0を含む)
  • M2 – 銀行普通預金口座の預金 (M1を含む)
  • M3 – マネーマーケット口座の資金 (M2を含む)
  • MZM – 要求払いのすべての金融資産への投資資金 (M3を含む)
  • MSC (シンセティック仮想資金) – シンセティック仮想ペッグ通貨システム内の資金 (MZMを含む)

分散型ペッグ通貨テクノロジーがいかに高度または洗練されていたとしても、上記マネーサプライツリーの階層よりこのトークンの堅牢性は低いものと考えられる。

本稿では、米ドルタイプのシンセティックシステムの構築で最も顕著で興味深い試み、2014年の BitUSD とより新しいプロジェクト MakerDAO (Dai) について考察する。

ケーススタディ: BitShares (BitUSD) – 2014

データ
コイン名 BitUSD
発行日 2014721
仮想通貨担保 有り
値決め なし

まず、BitShares プラットフォームのペッグ通貨 BitUSD を取り上げる。BitShares 2014年に次の3人によって立ち上げられた DPoS (delegated proof of stake) プラットフォームである。

  • Daniel Larimer (EOS と Steem の主要アーキテクト)
  • Charles Hoskinson (イーサリアムの元創業 CEO で Cardano のアーキテクト)
  • Stan Larimer (Daniel の父親)

BitShares は、Daniel Larimer がリリースした一連の分散自律型組織 (DAC) タイプのプラットフォームの 1 つである (下図を参照)。

(注:Daniel Larmier の会社 Invictus Innovations は、トークン/DAC プラットフォームを多数リリースしている。Protoshares、Angelshares、BitShares はその数例である。黒い矢印は、Protoshares コイン保有者が新規チェーンのトークンを付与される仕組みを示している。Invictus Innovations はこうしたトークンを新しい DAC プラットフォームで配布することを約束していた。出典:BitSharestalk)

BitUSD Marketing material

(出典:Youtube ビデオ「Introduction to BitShares)

BitUSD システムの仕組み

資金プール 説明
Bitshares BitShares プラットフォームのネイティブ通貨
担保となる Bitshares 担保となる Bitshares には別のプールがあり、ペッグ通貨の予備として使用される。
BitUSD 米ドルの価値を追跡する仕組みを持つペッグ通貨
参加者グループ 説明
BitUSD 保有者 ペッグ通貨 BitUSD の投資家と使用者。BitUSD 保有者は、担保として保有されるBitshares のトークンを換金できる。
BitUSD 作成者 市場で売却 (新規ローンを組む)するか、BitShares を担保として預託することで新規BitUSD を創造する者。当該ローンは短期向けであり、期限後、更新または当初証拠金レベルまで担保を上乗せする必要がある。
トレーダー プラットフォーム固有の分散型取引所で BitUSD Bitshares に交換 (またはその逆)する者。Bitshares BitUSD 市場価格が存在する。
ブロックプロデューサー Bitshares ブロックのプロデューサー/採掘者は、BitUSDを支えるために BitShares を消費する役割を持つ。ただし、この役割を実行するのは、BitShares の価値と BitUSD の価値の差が 150% 未満となった場合に限られる (システム独自の分散型取引所の BitUSD vs BitShares 取引レートに基づく)。採掘者はこれを受け、Bitshares を使ってBitUSD を換金/破棄できる (当初証拠金レベルの150%200%に増加後)
価格安定メカニズム 価格方向 説明
投資家の心理 (不透明感、価格水準の正当化) 両方向 BitUSD システムには特定の価格安定メカニズムは存在しないようである。誰でも BitUSD を換金・作成できるが、こうした移動時の価格は、分散化型取引所の BitUSD BitShares 価格によって決められ、「実際の米ドル」とはリンクしない。ある意味、価格は自律的に決められる。したがって、BitUSD 1 ドルに維持する直接的メカニズムはないが、これに対し「なぜほかの価格で取引されるのか?」という反論が浮上する。当社の見解では、この論理は説得力に乏しい。
BitUSD 換金 (間接的) プラス 担保通貨 (BitShares) の価値が下がれば、BitUSD 保有者はBitUSD 1 ドル相当のBitShares に換金できる。この扱いは、BitUSD の市場価格が 1 ドルのままであり、十分な量の BitShares が担保として預託されているという前提に立つ。

この価格安定メカニズムは、BitShares の価値が下落し、BitUSD 市場価格が1ドルにとどまる場合のみシステムの整合性を保護するものであり、BitUSD 価格を 1 ドル前後に直接安定させるものではないというのが当社の見解である。BitUSD 価格が1 ドルから乖離しても、このメカニズムでは価格の修正はできない。担保価値の維持を目的とするメカニズムとペッグ通貨価格を直接集約させるメカニズムとの違いを明確に区別することが重要である。

弱点

担保価値の下落リスクに左右されるBitShares はテストされていない新しく低価値の資産であるため、価値が変動しやすい。BitUSD を創出するために使用されるあるローン期間中にトークン価値が 50 %急落した場合、担保が不十分となりペッグが下落する可能性がある。

値決めの欠如 – この設計で最も疑問視される点は、値決めの仕組みがなく、実世界の交換レートがシステムに提供される点であると当社は考える。ただし、値決めシステムは導入に手間がかかり、いくつかの弱点と価格操作の余地を伴うことがある(この点については、パート 2 で掘り下げる)。この唯一の迂回策は、どのペッグ通貨システムも分散型取引所の価格フィードを必要とする点である。理論上は、米ドル現物のトランザクションからの分散型価格フィードを公表できるが、BitShares の分散型取引所は、「米ドル現物」を認めなかった。Bisq などの分散型取引所システムは、中央決済なしに、論理上「米ドル現物」の価格を認め、分散型価格フィードを提供可能にした。したがって、ペッグ通貨はいずれ、流動的で堅牢な分散型取引プラットフォームの上の階層 2 のテクノロジーと見なされる可能性がある。いずれにしても、こうしたシステムの実現が大前提となる。

操作 – 分散型取引プラットフォームでの Bitshares BitUSD 市場の取引高は小規模である。そのため、ブロックプロデューサーは、Bitshares の価値が BitUSD と比較して下落させることで、Bitshares を割安に取得できるように操作できる。

価格安定メカニズムの欠如– このシステムの主な弱点は消去法的論理以外、価格を 1 ドル前後に保つメカニズムがない点である。

Daniel Larimer によるシステムの擁護

Daniel の見解によると、BitUSD 作成メカニズムは、金融機関によって実在化する点で、米ドルが経済で創出される仕組みと類似する。
つまり、通常の銀行制度で米ドルが生み出される方法と同じように創出される。ドルは担保によって保証され、存在するようになる。現在の銀行制度では、担保は自宅である。我々のシステムでは、DAC 自体を共有し合う。

(出典:Lets talk Bitcoin episode 129)

ある意味、Daniel のこの発言は正しいが、本稿の冒頭で説明したとおり、こうしたシンセティックドルは伝統的銀行の創出したドルに比べて著しく信頼性に劣るうえ、基礎貨幣とかけ離れた存在であるため、まったく新しいリスク階層とみなされ得る。そのうえ、銀行ローンを取得する際、銀行は通常、顧客の要求に応じて実際の現金を顧客に提供する法的義務を負う。BitUSD 所有者に対しこうした扱いが可能であったとしても、BitUSD 作成者にとってこれは法的義務に相当しない。銀行が預金を払い戻すだけの準備金を現金で通常保有していないのは明らかであるものの、そうする法的義務を負うという事実は、米ドルの銀行預金が BitUSD と一線を画す重要な点であると考えられる。

価格安定メカニズムの欠如という弱点に対し、Larimer は、「価格フィードは不要という仮定」を支持し、次のように主張する。

価格が実質的にショートする方向で動く場合、自動マージンコールの導入により、市場で強制的にショートカバーし、買い戻すようになっている。これが価格を安定させる。市場ペッグは、すべての市場参加者が、将来の売買予想に基づき売買するという前提の下で機能する。合理的な唯一の選択は、将来のペッグに基づき取引すると想定することだ。そう考えない場合、価格の方向性を決める必要がある。判断できないならば、市場から退くことだ。機能すると考えない場合、持ち分を売り、撤退する。何よりシステムはうまくいかなくなるだろうから。つまり、これは自律的な市場ペッグであり、資産は常にドルの購買力を伴うことになる。

(出典:Lets talk Bitcoin episode 129)

1 ドルという価格が「合理的な唯一の選択」というこのアイデアは説得力に乏しいと当社は考える。価格が 1 ドルでなければ、何ドルになるというのだろう?と言っているのと同じことである。この論理はある程度の期間、通用するかもしれないが、持続不能であり、拡張性があるとは思われない。

結論

BitUSD の取引高は期待水準を大幅に下回っている。一時は、発行高が約 4 万ドルに落ち込んだ。また、流動性もかなり低調で、価格は以下で図示するとおり安定度に欠ける。BitUSD の主要アーキテクトは、2017 年に新しいペッグ通貨「SteemUSD」の発行し、今回は価格フィードシステムを盛り込むと提案している。したがって、BitUSD は興味深い初期の実験でありと当社はみている。期待された成果を上げなかっただけでなく、堅牢なペッグ通貨の構築もなし得ていない。

(出典: Coinmarketcap)

ケーススタディ 2 MakerDAO (Dai) – 2017

データ
コイン名 Dai
発行日 20171227
仮想通貨担保 有り
値決め 有り (間接)

次に考察するペッグ通貨は Dai である。この通貨は、イーサリアムプラットフォームを使用する。システムはきわめて複雑で、関連資金プールは 4 通り、安定化メカニズム候補は 6 通りある。現在の
Dai の発行高は約 5,000万ドル相当であり、まずまず安定している。

システムの仕組み

資金プール 説明
イーサリアム イーサリアムは、Maker & Dai が使用するブロックチェーンプラットフォームのネイティブコイン
プール済みイーサリアム イーサリアムは Dai トークンの発行の担保として使用されるプールに預託されている。これは、担保債務ポジション (CDP) とよく呼ばれる。
Dai Dai は プール済みイーサを担保にすることで生成される ERC-20 トークンであり、1 ドルで固定化するよう設計されているペッグ通貨である。
メイカー メイカートークンは MakerDAO のガバナンストークンで、エコシステムの安定化に関する多様なイニシアチブの投票に使用される。また、担保解除プロセス中に所有が強制され、その間、安定手数料がユーザーから徴収され、メイカー建ての支払いのみが受け入れられる。メイカーも ERC-20 トークンである。
参加者グループ 説明
Dai 作成者 イーサリアムのスマートコントラクトへの送信者で、Dai と引き換えにイーサリアムをロックする。作成者は CDP 所有者としても知られる。
Dai 保有者/ユーザー Dai の保有者は、Dai の作成者である場合もそうでない場合もあり得る。ペッグ通貨の Dai の投資家または使用者である。
メイカートークン保有者 メイカートークン保有者は、MakerDAO システムの複数の機能とパラメータについて投票する。安定化手数料や清算率などの側面を管理し、ほかのグループを指名する責任を負う。
保管者 このトレーダーグループは、Dai の担保を監視し、不十分な水準まで落ち込めば公開入札で担保を Dai で購入する。
値決め人 価格フィードの制作者は、メイカーとイーサリアム (Dai 自体でなく) のために所与の価格を選択するために集計・使用される価格情報を送信する。この代理人は MakerDAO トークン保有者によって指名される。

操作を防止するため、価格公表とシステムへの反映に 1 時間のタイムラグがある。また、価格選択には中央値タイプのメカニズムが使用され、最高値と最安値が除外される。値決め人に利益相反がある場合や操作に関与しようとする場合、この仕組みの堅牢性は不十分と証明される場合があるだろう。

Global settler 世界決裁者も MakerDAO トークン保有者によって指名される。Dai 保有者に固定価格で担保を償還する権利を与えることで、このグループは Dai システム全体を解消することができる。
価格調整メカニズム 価格の方向 説明
Dai の換金 プラス 主な安定メカニズムは、理論上、1 ドル相当のイーサリアムで Dai を換金できることである。換金は、CDP 所有者のみが実施できる (担保が不十分な場合を除く)Dai の価格が下落する場合、値決め人が提供する価格フィードに基づき、CDP 所有者は、保有中の Dai を使用するか、市場で購入してから 1 ドル相当のイーサリアムで Dai を換金/削除できる。
Dai の作成 マイナス Dai の換金プロセスを補完する Dai 価格の急騰防止メカニズムとして、イーサリアム保有者は、イーサリアムを CDP の中にハイチすることで、新しい Dai を作成できる。
目標レート(現在無効) 両方向 「目標レートフィードバックメカニズム」(TRFM) という別の価格安定メカニズムがシステムに備わっている。ただし、まだ有効でなく、いくつかの仕様を解決する必要がある。

概念としては、MakerDAO トークン保有者が目標レートを設定することになる。このレートは実質的にスプレッドであり、Dai の作成や換金に適用され、価格修正機能を果たす。

CDP 清算 (間接) プラス トレーダー/保管者が、ほかの CDP の保有担保を換金するメカニズムである。このメカニズムは、担保価値が Dai を支えるのに不十分な水準 (Dai の価値の150%)まで落ち込んだ場合のみ機能する。これは、CDP 所有者にとってCDP を買い増して、イーサリアムの大幅バッファを確保する誘因となる。

これはシステムの整合性確保と担保価値の確保に必要なメカニズムである。ただし、この仕組みが Dai の価値を 1ドルに維持するよう直接働きかけるかは不明であり、安定メカニズムを基盤にブロックを積み上げるようなもの (すなわち担保水準の確保のみに役立つ) だと考えることができる。有意義な仕組みとするには、ほかの換金システムが必要であると見られる。

グローバル決済 プラス このメカニズムは、随時トリガーされる可能性がある。トリガーによって、すべての Dai 保有者は固定価値 (トリガー時の値決めフィードに従い 1 ドル相当) のイーサリアムへの転換を選択できる。または、システム内の総担保水準に鑑み、可能な価格となる場合もある。この転換と通常の換金との違いは、価格が固定的で、特定の CDP に抱き合わされているわけでなく、すべてのDai トークン保有者が利用できる点である。

このメカニズムの趣旨は、CDP 保有者への警告として使用して、価格下落時に、続落を待つのでなく、Dai を換金し続けるようにすることにある。

世界決済は、バグなどの緊急時にも利用できる。

MakerDAO トークン発行 (間接) プラス MakerDAO トークン保有者は、難局時における買い手の役割を担う。システム内の担保(プール済みイーサリアム)水準が担保の100% 未満に落ち込んだら MakerDAO は自動的に作成され、公開市場で入札され、システム内に必要担保を確保するために、追加資金を調達する。システム内の担保が不足する場合、メイカーの保有者が損害を負担する。

このメカニズムでも担保の価値は保護されるが、Dai の価格を 1 ドルに接近させる直接的効果は持たないものと見られる。

軸となる安定メカニズムの分析 – Dai の換金

Dai の価格が低すぎる場合、主な安定メカニズムは CDP 所有者の換金能力であるように思われる。また、Dai の価格が高すぎる場合には、新たな Dai を創造する能力がそれに当たる。たとえば、Dai の価格が 80 セントに下落した場合、CDP 所有者は市場で Dai を購入し、換金して、1 ドル相当のイーサリアムを手に入れ、まずまずの利益を上げることができる。通常の状況でシステムはこのように機能するはずである。

上記は Dai の価格を 1 ドル前後に維持する堅牢な安定メカニズムに思われる。ただし、CDP 所有者が Dai の価格上昇を予想 (1 ドルへと修正) する場合、この理論は機能しない可能性がある。Dai の価格が 80 セントに下落した場合でも、CDP 所有者が 60 セントまで続落すると予想するならば、当該所有者は換金に躊躇する可能性がある。60 セントならさらに大きな利益が期待できるためである。価格が 80 セントを付けた後、続落しないという保証はない。

したがって、安定メカニズムには Dai 所有者と CDP 所有者という 2 つのグループの力関係の変化が影響し得る。この 2 グループは、基本的に市場で逆の取引をしており、Dai の所有者は Dai を売却し、 CDP 所有者は買い手候補となる。CDP 所有者の力が強くなり、資本、忍耐、協調性、決断力で上回ると、このグループは Dai トークンの保有者の裏をかき、価格を下げてから買い戻して大儲けすることができる。可能性は小さいように思われるが、この安定メカニズムはすべての市場状況で機能しない可能性があると当社は見る。当社は BitUSD より Dai の方に軍配が上がると考えるが、Dai ペッグ通貨は市場心理と投資家の期待感に限定的ながら依存する点は、BitUSD と同様である。したがって、Dai ペッグにも弱点があり、規模の拡大は見込み薄である。

世界決済システムは、上記リスクを軽減できる。CDP 所有者が Dai 価格を低すぎる水準に誘導できた場合、それにより世界的に決済が活発になり、Dai 所有者はイーサリアムを 1 ドル前後で買い戻すことになろう。したがって、世界決済システムに脅威が及ぶと Dai 価格は高水準にとどまる。ただ、ここでも、こうした脅威の効果は多様なグループ、CDP 所有者、MakerDAO トークン保有者、世界決済の活性化要因の確信度合いによって変化する。

結論
当社の見解によると、Dai は現在までに作成されたペッグ通貨システムのうち最も洗練し、高度なものの1つである。反面、Dai の安定性メカニズムを掘り下げると、安定性を保証する強力なメカニズムは一切見当たらない代わりに、複雑なネットワークシステムがあり、ある程度相互を参照する回覧ロジックを採用している。この複雑性は 強力かつ明確な安定メカニズムの不在を際立たせ得るものであると主張することもできるが、実験段階におけるシステムの設計に対する試行錯誤アプローチを示すものであると見られる可能性の方が大きい。

したがって、システムは、BitUSD ほどでないにしろ、投資家の期待感と心理になお左右される。安定化システムは少なくともしばらく機能する可能性があるが、市場の混乱やDai 保有者とCDP 所有者とのある種の力の不均衡に耐えるほどの堅牢性は持ち合わさない。つまり、究極の仮想通貨の模索はなお続くことになる。