Derek GobelがHDR Global Trading Limitedのゼネラルカウンセルに就任

原文:HDR Global Trading Limited Hires Derek Gobel as General Counsel

成長を続ける企業として、我々は常にエキサイティングな新しい人材を雇用したいと考えています。我々のミッションは、今日の我々がそうであるように、今後数十年にわたり、成功を収め、また顧客から選ばれる存在であることです。そのためには、市場を先取りし、トレーダーに最高の経験を提供し続けるための適切な人材やリソース、能力が必要であると認識しています。

それ故に、HDR Global Trading LimitedがDerek Gobelを当社グループのゼネラルカウンセルに任命したことを発表できることを嬉しく思います。Gobel氏はグループの法的機能を監督し、絶えず変化する今日の規制環境下における我々の前進を支援します。

Derekには、直近のBNPパリバでのアジア太平洋地域ゼネラルカウンセルとしての職務を含む、28年間の幅広い法的問題に関連する経験があります。中国と香港における2017 Legal 500’s GB Powerlistに選出されてもいる彼を迎え入れることを楽しみにしています。

2019年第4四半期の先物リストとTRXインデックスの変更

原文: Q4 2019 Quarterly Futures Listings & TRX Index Rename

2019年9月13日08:30 UTC(日本時間 同日17:30)に、BitMEXでは新しい四半期先物契約の取扱が始まります。

2019年第4四半期の現在および今後の先物契約とその決済については、以下の表をご覧ください。太字の行が新しい契約になります。

.TRXXBTインデックスは、2019年9月27日に廃止され、.BTRXXBTインデックスに置き換えられます。 TRXU19は満期日まで.TRXXBTを参照しますが、TRXZ19は取扱開始時点から.BTRXXBTを参照します。

コード ペア 取り扱い開始日 決済日
ADAU19 Cardano / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
ADAZ19 Cardano / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
BCHU19 Bitcoin Cash / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
BCHZ19 Bitcoin Cash / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
EOSU19 EOS Token / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
EOSZ19 EOS Token / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
ETHU19 Ether / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
ETHZ19 Ether / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
LTCU19 Litecoin / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
LTCZ19 Litecoin / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
TRXU19 Tron / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
TRXZ19 Tron / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
XRPU19 Ripple Token (XRP) / Bitcoin 2019年6月14日 2019年9月27日
XRPZ19 Ripple Token (XRP) / Bitcoin 2019年9月13日 2019年12月27日
XBTU19 Bitcoin / USD 2019年3月15日 2019年9月27日
XBTZ19 Bitcoin / USD 2019年6月14日 2019年12月27日
XBTH20 Bitcoin / USD 2019年9月13日 2020年3月27日

効率的な流動性プール(2019年8月20日)

原文:Efficient Liquidity Pools, 20 August 2019

効率的な取引戦略を推進し、マーケットの実行可能な流動性を改善する行動を推奨するために、BitMEXはプラットフォームの取引ルールを徐々に導入します。これらのルールは、取引所サービスの品質を向上させるために特別に設計されたものであり、過去数か月にわたる多くの調査を反映しています。 このコンセプトはとりわけ新しいものではなく、実際、大部分の伝統的な取引所は同様のルールを採用しています。

最初の取引ルールの詳細については、クォート約定率のしきい値に関するAPIアナウンスでご覧いただけます。 このルール導入の目的は、取引をするつもりがなくマーケットにクォートを送信する戦略を使用することを思いとどまらせ、プラットフォーム上の流動性の質を改善し、他の市場参加者にリソースを解放することです。

これらのルールの導入は、業界にとって前向きな一歩となると信じており、当社はこの分野での継続的なイノベーションにコミットしています。

背景

現在では過去数年間において、BitMEXは最も流動的な暗号通貨デリバティブを提供するマーケットとなっています。 マーケットの質の良し悪しを見る重要な指標は、オーダーブックのクォートの深さとサイズです:流動性は、所定のボリュームを約定させる際に生じる価格スリッページ(指定したレートと実際に約定するレートとのかい離)によって測定されることがよくあります。 Sk3w.coは、さまざまな暗号通貨市場での価格スリッページの視覚的な比較を提供しています。 以下のサンプルでは、BitMEXのXBTUSDマーケットで1000 XBT相当の契約を実行するため買値スプレッドは約0.5%変動しています。 これを、価格スリッページが約10倍大きく、3%から15%を超える他の取引所と比較してください。

Source: https://www.sk3w.co/liquidity

運営初日から、BitMEXは、業界をリードするAPIを通じてプラットフォームへの前例のないアクセスを提供してきました。 BitMEX.com Webサイトで実行できるすべてのアクションは、API経由でも実行できます。 実際、BitMEX.com Webインターフェースは、パブリックAPIの単なるクライアントです。 このオープンなアプローチは、BitMEXを業界で最も流動的なマーケットにした重要な立役者です。

ただし、流動性はそれが本当に約定可能なものである場合にのみに有用です。 6月、BitMEXのアクティブユーザーのわずか2%未満が注文管理リクエストの60%以上を占めていたにもかかわらず、それらは取引量の2%未満を占めたのみでした。 この動作プロファイルに適合するユーザーは、APIの使用に関して非常に非効率的であり、実際の取引数に対し不釣り合いなほどに多くの注文を送信します。

この種のAPIの使用法については多くの説明があります。 オンライン自動取引サービス(または「ボット」)にサインアップし、APIキーを入力し、毎日数千件の注文を出したり、修正したり、キャンセルしたりしている間、完全に忘れ去られてしまったアカウントがしばしば見られます。 また、取引システムまたはクライアントアルゴリズムの構成が誤っている可能性もあります。

このようなことは、現在はルールに反していませんが、プラットフォームでの取引を真に求めている参加者からリソースを奪います。 この種の行動を阻止することで、市場の流動性がさらに強化され、ユーザー全体としてのエクスペリエンスが向上すると考えています。

さらに質問がある場合は、お問い合わせフォームからサポートにお問い合わせください。https://www.bitmex.com/app/support/contact.

クォート約定率しきい値(2019年8月20日)

原文:Quote Fill Ratio Threshold, 20 August 2019

効率的な取引戦略を推進し、執行可能な市場流動性を向上する行動を後押しするために、BitMEXはプラットフォームのすべての利用者に適用されるいくつかの高度な取引ルールを導入します。有効にする最初の取引ルールは、クォート約定率しきい値です。

クォート約定率

当社は、クォート約定率 (QFR) をプラットフォームに送信される 1 日あたりクォート件数に対する約定クォート件数の割合と定義しています。 送信 クォートとは市場に送信されるあらゆる独立した注文を指します。 約定 クォートとは、任意の金額に対して約定された注文を指します。 QFR の算出の計算式は以下のとおりです。

QFR = (T 期間内の約定クォート数 / T 期間内の送信クォート数)

T 期間 = 24 時間

クォート約定率の例

あるマーケットメイカーが、XBTUSDの両サイドの価格を提示し、異なる価格水準でオーダーブックに残されている 4 つのビッドと 4 つのアスクを含む新規の一括注文リクエストを 1 件送信します。 次にそのマーケットメイカーは、価格シグナルを受信し、市場の 4 つのビッド価格をそれぞれ 1 ティック下げるようリクエストの一括修正を送信します。

別の市場参加者が大口の成り行き買い注文を送信し、マーケットメイカーがオーダーブックに残している3つのアスクが約定されます。 この 2 人の市場参加者はその日の残りの時間、他のクォートも取引もしません。

マーケットメイカーのその日の QFR は次のとおり計算されます。

  • 約定クォート数 = 3
  • 送信クォート数 = 12
  • QFR = 3/12 = 25%

マーケットテイカーのその日の QFR は次のとおり計算されます。

  • 約定クォート数 = 1
  • 送信クォート数 = 1
  • QFR = 1/1 = 100%

クォート約定率しきい値

当該アカウントは、7 日足移動平均の QFR を 最小 QFR しきい値 より大きく維持する必要があります。 このルールに違反すると、メール警告が送信され、最終的に API が禁止されることになります。

1 日当たりに送信するクォートが2000未満のアカウントは、この取引ルールの対象外となります。

2019年8月30日より、次のQFRしきい値が実装されます。

  • 最小QFR しきい値: 0.1% (7日足移動平均)

この取引ルールの導入のために、QFRのしきい値は、ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、最初は0.1%と非常に低く設定されます。 これと比較して、従来の取引所では通常、1~5%の範囲でQFRを実施しています。 現在のプラットフォームのクォート活動に基づいて影響を受けるのは、0.1%のアクティブトレーダーの0.2%未満です。最小 QFR しきい値やメカニズムは随時変更される場合があります。 変更については、ご利用者が取引行動を調整する十分な時間を確保できるように、こちらのブログを通じて事前にお知らせします。

BitMEXプラットフォームの継続的なコンプライアンスの確保 2019年8月19日

原文: Ensuring the Continued Compliance of the BitMEX Platform, 19 August 2019

2014年、HDR Global Trading Limited(HDR)は、経験豊富なトレーダーのための暗号通貨取引プラットフォームを構築するというシンプルなミッションに焦点を当てた、若い起業家の小さなチームとしてセイシェル共和国のMahéに設立されました。欠陥のないシームレスなAPIによって制御され、最も厳しいセキュリティを持ち、画期的な製品を備えた応答性の高いインターフェイスの構築に焦点を当てました。これらの理想から、BitMEXが構築されました。

そしてBitMEXは成功したと言えます。世界で最も革新的で信頼性が高く安全な暗号通貨プラットフォームを構築できたことを誇りに思います。

BitMEXが成長するにつれて、世界の環境も同時に成長します。私達が企業を開始する数ヶ月前の2013年、ビットコインは2回目の大きな強気市場からクラッシュしました。より大きくなった暗号通貨コミュニティの夢とウォレットの残高も、同時にクラッシュしました。そして安全性、セキュリティ、および安定性が優先されるようになっていきました。また金融規制当局はビットコインにより注意を払い始めました。この新しい業界には新しい標準が必要であることは、私たち全員にとって明らかでした。

それ以来、暗号通貨の状況は劇的に変化しており、BitMEXなどのリーダーは規制当局と協力して業界の形成に取り組み、主流化に役立つ標準を作成しています。

業界のすべての主要なプレーヤーに対する規制当局の関与の増加は、期待されるだけでなく、積極的に歓迎されるべきです。誠実な市民がだまされないようにすることは、優れた規制当局の使命です。規制当局は、リスクが明確に伝わり、製品が公正であり、税金が徴収されるようにする責任を負います。このプロセスを通じて、暗号通貨取引所の合法性の新しい時代が到来します。市場運用基準が明確に述べられ、維持され、そしてセキュリティが最重要であり、準備金は独立して頻繁に監査がされる未来です。

私達はこれらの目標を熱心に信じています。そして、お客様の資金の安全性とプラットフォームの安定性ほど大切なものはないことを理解しています。

このため、HDRに所属する従業員とオフィスが所在する管轄区域のユーザーに対して、BitMEXへのアクセスを制限することにしました。セイシェル、香港、バミューダは、BitMEXへのアクセスが制限されている管轄区域のリストに追加されます。この変更は我々のビジネスの財政的な影響を与えることはなく、影響はごく少数の方に限定されます。BitMEXチームから、影響を受けるお客様へ連絡を致します。

BitMEXプラットフォームは、新しくてエキサイティングな時代を迎えています。この保守的なアクションは、受動的ではなく、積極的に行っているものです。イノベーションだけではなく、標準化でも業界をリードすることを目指しています。

  • お客様と利害関係者がBitMEXの動作をよく理解できるように、システムの透明性を拡張しています。

  • BitMEXが安全な取引場所であると考える理由、革新的な契約の仕組み、保険基金を保持する理由、自動デレバレッジを正確で公正とする方法、すべてのアカウントが100%保護されていることを確認する方法、そして、BitMEXが世界で最も安全な保管ソリューションの1つであると考える理由、を第三者に対して示しています。

  • また当社は、保険基金、マーケットメイキング、取引契約について、独立した監査に取り組んでおり、近い将来これらのプロセスの結果を共有したいと考えています。

暗号通貨の分野で成功するには、短期的ではなく長期的に考える能力が必要であると考えています。そして長期的に考えるとこれらの一連の行動は、規制当局が、暗号通貨市場にあるリスクと機会を調査するための良い機会であると信じています。

BitMEXは、流動性が高い革新的な取引場所というだけではありません。アカウントに支払能力があり、決済が正確に行われ、すべての参加者が同様に取引にアクセスする機会があるということを、お客様が確認することができる場所でもあります。

 

クロスバルク注文の拒否について(2019年8月15日)

2019年8月19日04:00 UTC(日本時間同日 13:00)から、APIを介して送信された一括注文リクエストにおいて、クロス価格(売り注文以上の価格で少なくとも1つの買い注文)を含むものは拒否されます。今回のアップデートは、APIおよび取引システムアーキテクチャの継続的な簡素化の一環です。

ライトニング・ネットワーク(パート 4) – すべてがものみの塔(監視機能)を採用

原文:Lightning Network (Part 4) – All Adopt The Watchtower

要旨: BitMEX Researchは、監視ノード機能を含むようにライトニング・ノードをアップグレードしました。監視機能は、別の友好的なノードに接続するためのメカニズムであり、ライトニング・チャンネルを監視して、オフラインであっても不正な相手が資金を盗むのを防ぎます。当社は実験を行い、少なくとも今回のケースでは、監視機能のコンセプトが実際に機能することが証明されました。長年にわたって理論上存在していた監視の概念が、今実際に機能するというのは心強いことです。

(出典:Source: Alcatraz, flickr)

概要

監視に関するこの記事は、ライトニング・ネットワークに関するこれまでの3つの記事に続くものです。

  1. ライトニング・ネットワーク(パート1) – モチベーション
  2. ライトニング・ネットワーク(パート2) – ルーティング・フィーの経済性
  3. ライトニング・ネットワーク(パート3) – ジャスティスはどこに?

2019年6月29日に、LND 0.7.0(ライトニングの導入の実施)がリリースされ、これには、監視機能が含まれていました。監視を行うのは、サードパーティのライトニング・ノードです。これにより、不正な当事者が資金を盗もうとしているかどうかを検出し、盗もうとしている場合は、ジャスティス・トランザクションをブロードキャストして、正直なノードがオフラインの場合でも資金を誠実な当事者に送り返すことができます。

監視機能の2つのモード

 

クライアント/監視サービスユーザー

サーバー
説明 クライアントは、監視サーバーに接続します。ライトニング・チャンネルの状態が変わるたびに、データがチャンネルの最新の状態で監視サーバーに送信されます。チャンネル違反が発生した場合、監視機能はジャスティス・トランザクションをブロードキャストし、誠実なノードのオンチェーン・ウォレットに資金を送信することができます。 監視サーバーには、ライトニング・チャネルや支払いは不要です。サーバーはライトニング・クライアントに接続し、クライアントに代わってクライアントのライトニング・チャネルを監視します。
操作の詳細

ノードを監視サーバーに接続するには、ライトニング・コンフィギュレーション・ファイルに次の行を追加する必要があります。

>wtclient.private-tower-uris=tower-public-key@ip-address:9911 

この場合、監視サーバーによって公開キーとIPアドレスが提供されます。

監視サーバーをアクティブにするには、ライトニング・コンフィギュレーション・ファイルに次の行を追加する必要があります。

watchtower.active=1

その後、次のコマンドを実行できます。

>lncli tower info

監視サーバーは、監視の公開キー(ライトニング・ノードの公開キーとは異なる)を表示する必要があります。このキーは、監視クライアントにとって必要なものです。サービスの脅威を拒否する可能性があるため、現在、監視機能の公開キーを公開することはお勧めできません。

ログを表示することにより、監視機能が働いているかどうかを確認することができます。

ノードが、同時に監視サーバーとクライアントの両方になることは可能です。2つのノードを実行している場合、各ノードは他のノードの監視サーバーになることができます。BitMEX Researchには現在、動作中の3つのライトニング・ノードがあり、ノードはすべてループ・コンフィギュレーションの中で互いに監視し合っています。

監視機能のテストに成功

2019年7月30日、BitMEX Researchは監視システムのテストに成功しました。ジャスティス・トランザクションに関する以前の記事と同様に、私たちは自分自身をだまそうとしましたが、今回は監視機能を使いました。心強い兆候として、監視機能は正しく作動し、窃盗を試みた人は罰せられました。

このテストを行うには、3つのノードを実行する必要がありました。

  • 不誠実なノード– BitMEXThief
  • 監視サービスを使用するノード– BitMEXTowerClient(監視サービスのユーザー)
  • 監視者そのもの– BitMEXResearch

手動で構築する監視ジャスティス・トランザクション

(出典:BitMEX Research)

監視機能によってブロードキャストされた最終的なジャスティス・トランザクションは、ここで見ることができます。

結論

BitMEX Researchのすべてのライトニング・ノードは、現在、監視機能によって保護されています。監視機能はセキュリティを大幅に改善しますが、不正なチャネル違反よりも大きな問題は、ライトニング・ノードのメモリが誤って失われたり破壊されたりするリスクです。万が一そういう事態になれば、ノードは最新のチャネル状態を失う可能性があります。監視機能はこの問題を解決することはできませんが、この分野は、スタティック・チャネル・バックアップ(SCB)によって改善することができます。SCBを使用すれば、バックアップ後に新しいチャネルが作成されない限り、すべての資金は安全なはずです。

監視機能のテストが成功するということは、ライトニング・ネットワークの堅牢性に、より高水準な保証を得ることになります。何年も理論的に議論されてきた監視機能のアイデアが、ついに実現するのは心強いことです。ただし、ライトニング・ネットワークの堅牢性と信頼性の改善については、まだまだ長い道のりが残されています。

ライトニング・ネットワーク – 正義はどこにあるか

原文:Lightning Network (Part 3) – Where Is The Justice?

当社は、ライトニング・ネットワークに関するこの3回目のレポートでは、ライトニング・チャンネル・クロージャー・シナリオと、不正な当事者を罰し、ファンドを盗むのを防ぐインセンティブについて詳しく検討します。この罰則のメカニズムは「ジャスティス・トランザクション」と呼ばれます。「ジャスティス(正義・公正)」シナリオを意図的に構築する方法を説明し、ビットコイン・ネットワークにおけるこのタイプのトランザクションの普及に関するデータを提示します。当社は、2017年末のライトニング・ネットワークの開始以来、2.22BTCに値する241個のジャスティス・トランザクションらしきものを特定しました。

(シンガポールの街を襲う稲妻)

概観

20181の、ライトニング・ネットワークの背後にあるインセンティブに関する議論と、20193の、ライトニング・ネットワーク・ルーティング費用の経済性に関する分析に続いて、シリーズ3回目の今回は、以前のチャンネル状態をブロードキャストすることにより、チャネル・クロージャーと、不正なライトニング・ノードが資金を盗むのを防止するよう設計されたインセンティブに注目します。

設計上、泥棒がライトニング・ネットワークでお金を盗もうとして捕まると、盗もうとしていたお金を失うだけでなく、関連チャネルのすべての資金を失う点がポイントです。この「罰」は抑止力として機能すると期待されており、「ジャスティス」と呼ばれることもあります。

4つのライトニング・チャネル・クロージャー・シナリオ

一般的には、ライトニング・チャンネルを開く方が、閉じるよりも簡単です。ライトニング・チャンネルを開く唯一の方法は、当事者間のインタラクティブなコミュニケーションを伴った協力的な方法です。一方、チャネル・クロージャーを評価するときは、下のディシジョン・ツリーで示されている通り、4つの異なるシナリオを検討する必要があります(図1を参照)。

1-ライトニング・ネットワーク・チャネル・クロージャーのタイプディシジョン・ツリー

(Source: BitMEX Research)

2 – ライトニング・チャネル・クロージャーの4つのシナリオに関する説明

クロージャータイプ 説明 オンチェーンの技術的な詳細とトランザクションの例
これが最も一般的なシナリオです。

協力的なクロージャーは、正直なノードがチャネル・クロージャーを開始し、チャネルの反対側のノードがオンラインで通信中に発生します。

資金は、最新のチャネル状態に基づいて各当事者のオンチェーン・ウォレットに分配されます。

協力的なクロージャーには、オンチェーン・トランザクションが1つだけ必要です。

インプットは、「通常」2分の2の署名が必要な2/2マルチ・シグネチャー・スクリプトを用いて、最新のチャネル状態に基づいた収支バランスに基づいて、それぞれの署名(シグネチャー)の関係者に属する2つのアウトプットに送信されます。

この取引はライトニングとして識別するのが難しく、チャネル・クロージャーの3つのタイプの中でプライバシーのレベルが最も高いものです。

クロージャーの例:

非協力的で違反のないクロージャーは、正直なノードが、チャネルのもう一方の側のノードと直接通信せずにクロージャーを開始したときに発生します。資金は、最新のチャネル状態に基づいて各当事者のオンチェーン・ウォレットに分配されます。 これら2つの異なる経済シナリオは、1つの技術的なオンチェーン・シナリオで表されます。

このシナリオでは、2つのオンチェーン・トランザクションが必要です。

 

まず、資金は2/2マルチ・シグネチャーの証人を利用して払い戻され、2つのアウトプットに送信されます。クロージャーを開始しなかったノードには、チャネル・クロージャーの当事者が自分たちに帰属すべきだと主張する内容にしたがって、資金が割り当てられ、OP_IFまたはOP_ELSEスクリプトのいずれかを使用することによって、払い戻しできる別の資金がアウトプットに送信されます。

2番目のトランザクションでは、OP_IFスクリプトに送信された資金は、ビットコインスクリプトのOP_ELSEブランチを用いて、チャネルのクロージャーを開始した当事者によって請求されます。

クロージャーの例:

非協力的で違反のあるジャスティスなしのクロージャーは、不正なノードが以前のチャネル状態をブロードキャストすることによってチャネル・クロージャーを開始し、チャネルの反対側のノードから資金を盗もうとするときに発生します。

ノン・クロージング・ノードは、通常24時間のロックタイム内にネットワークをチェックせず、ジャスティス・トランザクションをブロードキャストしません。このため、盗難が成功します。

資金は、以前のチャネル状態に基づいて各当事者のウォレットに分配されます。これにより、ノン・クロージング・パーティは資金を失い、不正なチャネル・クロージング・パーティは資金を盗み出すことに成功します。

非協力的で違反のあるジャスティスありのクロージャーは、不正なノードがチャネルの反対側のノードと直接通信せずに、チャネルのクロージャーを開始すると発生します。

ノン・クロージング・ノードは、ロックタイム内にネットワークをチェックし、ジャスティス・トランザクションを作成して、盗難の試みが失敗するようにします。

盗難を行おうとした者は罰せられ、すべての資金は正直なノン・クロージング・パーティに送信されます。

ジャスティス・シナリオでは、2つのオンチェーン・トランザクションも必要です。

最初のトランザクションでは、2/2マルチ・シグネチャー証人を用いて、資金の払い戻しを受けることができ、2つのアウトプットに送信されます。クロージャーを開始しなかったノードには、チャネル・クロージャー当事者が自分たちに帰属すべきだと主張する内容に基づいて資金が割り当てられ、OP_IFまたはOP_ELSEスクリプトのいずれかを用いて払い戻すことができる別の資金がアウトプットに送信されます

クローズを開始しなかった2番目のトランザクションである正直なノードは、OP_IFブランチを用いて、OP_IFスクリプトに送信されたすべての資金を請求します。

これは、チャネル・クロージャーの3つのタイプの中で最も公開性の高いものであり、提供されるプライバシーのレベルは最も低くなります。

クロージャー例:

どのようにしてジャスティス・トランザクションを構築するか?

以下の恣意的なシナリオでは、次の手順を用いて、ジャスティス・トランザクションを手動で構築しました。 

1. 別名「BitMEXThief」を用いて新たなライトニング・ネットワーク・ノード(LND)を起動し、BitMEXResearchライトニング・ノードで50米ドル(400,000 サトシ)相当のチャネルを開きます。
2. BitMEXThiefノードをオフにして、.lndディレクトリをバックアップします。
3. BitMEXThiefノードを再起動し、BitMEXResearchに25米ドル(200,000サトシ)のライトニング・ペイメントを行います。これでチャネルの収支のバランスが取れ、双方向で25ドルになりました。
4. BitMEXThiefノードを再度オフにします。
5. BitMEXResearchライトニング・ノードをオフにします(泥棒ノードに最新のチャネル状態がブロードキャストされないようにするため)。
6. BitMEXThiefノードを、チャネルを再バランスする前の状態であるステップ2の状態に復元します。
7. 復元されたBitMEXThiefノードで、以前の状態からのチャネルを閉じ、BitMEXThiefノードのオンチェーン・ウォレットに50米ドル(400,000サトシ)の全額を請求することを試みます。
8. BitMEXResearchノードを再起動します。ノードは、盗難の試みを自動的に検出し、「ジャスティス・トランザクション」をブロードキャストして、50ドル(手数料なし)をオンチェーン・ウォレットに送信します。チャネル内のすべての資金を失うことで、泥棒は罰せられました。泥棒は25米ドルを盗もうとしましたが、50米ドル全額を失ったことに注目してください。

上記の実験は正常に行われ、ライトニングが実際に作動し、盗もうとすると罰せられるということがある程度確認されました。

ネットワーク・ジャスティス・トランザクション・データ

独自のジャスティス・トランザクションを実行した後、このトランザクションの特性(OP_IFブランチを用いて払い戻されたインプット)を確認し、Bitcoinブロックチェーン上の他のジャスティス・トランザクションを調べました。201712月まで遡り、ジャスティス・チャネル・クロージャーであると考えられる241のトランザクションを特定しました。LightningLabsAlex Bosworth氏は、ジャスティス・トランザクションを識別するためのツールを作成しましたが、その方が、当社の基本的な検索方法より確実かもしれません。

3 – ジャスティス・トランザクションの数月次

(出典: BitMEX Research)
(注: データには誤検出が含まれる可能性があります)

図 4 – ジャスティス・トランザクションで払い戻された額 – 月次 (BTC)

(出典: BitMEX Research)

(: データには誤検出が含まれる可能性があります)

当社が特定したジャスティス・トランザクションには、上の図4が示すように、合計2.22 BTCのトランザクション・インプットがあり、20192月の月間合計は約0.67BTCでした。これは、不正なノードが盗みを試みた量よりも大きな量について泥棒を罰した可能性があるため、必ずしも2.22 BTCを実際に盗んだことを意味するわけではないことを示しています(最新のチャネル状態はわかりません)。2.22 BTCは、正直なノン・チャネル・クロージング・ノードが請求する合計資金を表し、この額の一部は元々不正なノードが所有する資金であり、この額の一部が盗もうとした額になります。

また、241件のジャスティス・トランザクションの多くが本物の不正ではない可能性もあります。たとえば、システムをテストしている場合、同じユーザーが問題となっているライトニング・ノードの両方を所有している場合があります。たとえば、BitMEX Research241のジャスティス・トランザクションのうちその5つに責任がある場合、BitMEXがすべてのノードと資金を所有しているため、被害者は発生しません。

2BTCをわずかに上回る241のジャスティス・トランザクションは、ライトニング・ネットワークのサイズに比べてかなり小さなものです。ライトニング・ネットワークの統計ウェブサイト1ml.comは、現在32,951チャネルにおいて940 BTCがロックされていることを示しています。したがって、過去18か月間のジャスティス・トランザクションの総数は、現在のライトニング・チャネルの数のわずか0.7%です。

結論

ライトニング・ネットワークが堅牢で信頼性が高く、拡張可能な支払いシステムとして成功するためには、ジャスティス・メカニズムが盗難の抑止と防止に効果的でなければなりません。最適なジャスティス率に関しては、同率が高すぎるかどうかを判断するのは困難です。ジャスティス率が高すぎる場合、盗難者が多すぎて、ジャスティスの脅威が十分でない可能性があることを示します。ジャスティス率が低すぎる場合は、誰も盗難を試みていない可能性があり、これによって、ユーザーが自分のチャンネルを監視しなくなるリスクが高まります。これは、将来的に、システマティックな大規模なチャネル・セフト(窃盗)が発生するリスクの増大につながる可能性があります。

今のところ、少なくとも当社が分析したデータによれば、急成長しているライトニング・ネットワークのジャスティスの程度は妥当であると考えられます。

BitMEXインデックスの更新(2019年7月15日)

2019年7月15日14:00UTC(日本時間 同日23:00)、Krakenの取引が再開された後、BitMEXプラットフォームにおいてKrakenをインデックスに再導入いたします。更新されたインデックスの詳細は以下の表をご参照ください。

トレーダーの皆様は、これらのインデックスが大幅に変動する可能性があることを認識し、またこれらのインデックスを参照する取引の際にはご注意いただきますようお願いいたします。

さらにご不明な点がある場合は、次の当社のリンクよりサポートにお問い合わせください:https://www.bitmex.com/app/support/contact

影響するインデックス

インデックス構成

.BXBT

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

.BETH

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

.BETHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BBCHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BXRPXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BLTCXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BEOSXBT

Binance, Poloniex, Kraken

HDR Global Trading Limitedによるビットコイン開発者への60,000米ドル授与について

2019年5月28日のMIT Digital Currency initiativeへの寄付の発表に続き、Bitcoin Coreのコントリビューター、Michael Ford(fanquakeとしても知られています)氏への6万米ドルの助成金の授与を発表できることを嬉しく思います。Michael氏は2012年からBitcoinに貢献しており、最近ではBitcoin Coreソフトウェアプロジェクトのメンテナンスを行うリストに加えられました。

HDR Global Trading Limited(BitMEX暗号通貨取引プラットフォームを所有および運営する法人)は、Bitcoinの堅牢性、拡張性、プライバシーの向上を目的として、Bitcoinの開発とエンジニアリングを支援しています。この助成金は非独占的であり、Michael氏にBitcoin Coreの開発を依頼しています。当社は、彼がBitcoin Coreのメンテナンスを担当する間、彼の最初のファイナンシャルサポーターになったことを嬉しく思います。

HDR Global Trading LimitedのCTO兼共同設立者であるSam Reedは、この助成金について次のように述べています。

HDR Global Trading Limitedは、暗号通貨分野の他の企業と同じく、Bitcoinの使命と理想に捧げられた(ほとんどボランティアの)プログラマーたちの作業に大きく依存しています。この仕事は難しく、過酷で、そしてしばしば感謝をされず報われないものです。当社は、自分たちのビジネスモデルの元になっている、自分たちが恩恵を受けているプロジェクトに恩返しするのは、営利企業としての義務だと考えています。オペレーティングシステムからウェブサーバ、運用ツール、そしてBitcoinに至るまで、何百万というOSSの熱心な開発者たちが力を注いでいなければ、BitMEX取引プラットフォームは構築できなかったでしょう。当社はこれらを忘れることはありません。したがって、HDRでは、いかなる条件も付加されず提供される今回の助成金は、ビットコインやその他のOSSプロジェクトを万人のために強化するという継続的な取り組みのごく一部にすぎないと考えています。

BitMEXインデックスの一時的な変更(2019年7月14日)

原文: Temporary Change to BitMEX Indices, 14 July 2019

2019年7月14日 21:00 UTC(日本時間 翌日06:00)に、BitMEXはKrakenの計画的なダウンタイムに対応するため、Krakenをインデックスから一時的に除外します。この計画的なダウンタイムは3〜8時間続くと予想され、以下の表に示すように7つのBitMEXインデックスに影響を与えます。Krakenの取引が再開されると、KrakenはBitMEXインデックスに再導入されます。再導入の12時間前にはアナウンスを致します。

すべてのトレーダーは、これらのインデックスの価格が大幅に変動する可能性があることを認識し、お取引する際には注意が必要になります。

さらにご質問がある場合は、当社のお問い合わせフォームからサポートにお問い合わせください:https://www.bitmex.com/app/support/contact

 

影響のあるインデックス

現在の構成

変更後の一時的な構成

.BXBT

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

Bitstamp, Coinbase Pro

.BETH

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

Bitstamp, Coinbase Pro

.BETHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BBCHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BXRPXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BLTCXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BEOSXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

Facebook が「Libra」と呼ばれる固定収益 ETF で、ETFの巨匠 Blackrock に挑む

BitMEX リサーチチームより

原文:Facebook Takes on ETF Giant Blackrock, with a Fixed Income ETF called Libra

要旨:ソーシャルネットワーク大手のFacebookは、私たちが「Libra ETF」と呼ぶ「Libraコイン」により、従来の金融業界およびETF業界に大胆な動きで戦いを挑みました。私たちは、「Libra」に関して未だ回答されていない点が多く、「Libra ETF」は従来のETFと比較して透明性に欠ける可能性があると見ています。「Libra」のもう1つの重要な欠点は、従来のETFとは異なり、投資収益がユニット保有者に分配されないことです。「Libra」には、従来のETF商品と比較して重大な欠点があるものの、Facebookは、WhatsApp(ワッツアップ)やInstagram(インスタグラム)などのプラットフォームを通じて幅広い消費者を掴んでいることから、「Libra」は重要な競争優位性を獲得する可能性があるというのが私たちの結論です。

 

(Facebook vs Blackrock – The battle for the ETFs)

概要

「Libra」の仕組みは、ユニット保有者が金融資産バスケットの金融収益を受け取る権利を有する、人気の上場投資信託(ETF)モデルに似ています。ユニットは取引所で取引可能であり、公認の参加者で構成される選抜グループは、原資産を利用してユニットを創出したり、償還を受けたりすることができます。

2019年2月の記事で指摘したように、ETF業界はこの10年ほどで、特に固定収益金融商品の分野においてかなりの成長を遂げてきました(下の図1を参照)。2019年6月、ソーシャルメディアおよびインターネットのコングロマリットであるFacebookの参入により、BlackrockやVanguardなどの既存のプレーヤーに対する挑戦が始まり、ETF業界は衝撃を受けました。Facebookは、やはり固定収益と国債に重点を置いた新たなETF、「Libra ETF」の発売計画を発表し、Blackrockの「iShares Core US Aggregate Bond ETF」(AGG)に対して直接挑戦を挑んできたのです。

図1 – 米国の投資家をターゲットにしたトップボンドETFの規模 – 単位:10億米ドル

(注:このグラフは、以下の債券ETFの時価総額を表しています。

「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF」、「Vanguard Total Bond Market ETF」、「iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF, Vanguard Short-Term Corporate Bond ETF, Vanguard Short-Term Bond ETF」、「Vanguard Intermediate-Term Corporate Bond ETF」、「iShares J.P. Morgan USD Emerging Markets Bond ETF」、「Vanguard Total International Bond ETF」、「iShares MBS Bond ETF」、「iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF」、「PIMCO Enhanced Short Maturity Strategy Fund」、「Vanguard Intermediate-Term Bond ETF」、 「iShares Short-Term Corporate Bond ETF」、「SPDR Barclays High Yield Bond ETF」、「iShares Short Maturity Bond ETF」)

新たなETFと従来のETFの仕組みを比較

 下の図2は、革新的で新たな「Libra ETF」を分析し、従来のETFであるBlackrockの「iShares Core US Aggregate Bond ETF(AGG)」と比較したものです。当社の分析によると、「Libra」商品は新しいものの、保有額の透明性やNAV(純資産総額)の開示頻度など、関連情報の多くがまだ開示されていません。

またこの分析は、「Libra」の場合、ポートフォリオ管理において、不必要な複雑さに悩まされる可能性があることを強く示唆しています。ファンドは、世界中のさまざまな業界の多くの事業体からなる「Libra協会」によって管理されるようです。これらの事業体がETFの発行に責任を持ちますが、その事業体のリストはさらに拡大する予定です。また、投資のマンデートが明らかではありません。これとは対照的に、Blackrockの固定収益ETF商品には、ETFの発行体とは独立して管理されるブルームバーグ・バークレイズ米国債総合指数をトラックするための明確な投資マンデートがあります。

おそらく「Libra」商品の最も重大な欠点は、ユニット保有者に投資収益を受け取る権利がないと見られる点です。ほぼ同一の資産クラスを中心とした投資利回りが2.6%程度のBlackrockの商品に比べて、不利な契約です。「Libra」の擁護者は、経費は何らかの方法で賄われる必要があり、「Libra」の経費はまだ明らかにされていないと反論するかもしれません。しかし、ETF業界はすでに競争が激しく、Blackrockはわずか0.05%の経費で運営されています。

この経費は、約2.6%という商品の予想投資利回りよりもはるかに低いのです。したがって、「Libra ETF」には価格競争力がない可能性があり、これから投資しようという人たちにとっては、潜在的な不利益となり得ます。

図 2 – 「Libra ETF」 vs 「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF (AGG) 」– 詳細比較

  Libra ETF

iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF (AGG)

ローンチ時期 2019年6月 2003年9月
発行者 The Libra Association(リブラ協会)/Facebook Blackrock
管理資産 不明

635億米ドル

資産クラス

固定収益

信頼できる中央銀行から発行された変動の少ない通貨での銀行預金および国債

固定収益 – 投資適格な国債および社債
原資産指数 不明/該当なし Bloomberg Barclays U.S.
Aggregate Bond Index(ブルームバーグ・バークレイズ米国債総合指数)

ポートフォリオマネジャー

スイスに本拠を置くリブラ協会が積立金を管理する予定。マンデートは今のところ未公開。現在の会員は以下の通り:

  • Mastercard
  • PayPal
  • PayU (Naspers’ fintech arm)
  • Stripe
  • Visa
  • Booking Holdings
  • eBay
  • Facebook/Calibra
  • Farfetch
  • Lyft
  • MercadoPago
  • Spotify
  • Uber
  • Iliad
  • Vodafone Group
  • Anchorage
  • Bison Trails
  • Coinbase
  • Xapo
  • Andreessen Horowitz
  • Breakthrough Initiatives
  • Ribbit Capital
  • Thrive Capital
  • Union Square Ventures
  • Creative Destruction Lab,
  • Kiva
  • Mercy Corps
  • Women’s World Banking

James Mauro と Scott Radellが、指数をトラックするための明確で強制力を持つマンデートを保有

手数料

不明

0.05%

投資利回り

不明

2.6%

投資収益の利用

ユニット保有者は、投資収益に対する権限がない。投資収益は:

まずは以下の団体に投資するための、リブラ協会の運営経費に充当されます:エコシステムの成長と発展への投資、非営利団体や多国間組織への交付、工学研究など。それがカバーされて初めて、残りのリターンの一部が、「Libraインベストメント・トークン」への初期投資に対する見返りとして、それらの投資家に配当金として分配されます。

ETFのユニット保有者に帰属

利用可能な取引所

現在のところなし

The Libra Association(リブラ協会)は

規制下にある世界中のさまざまな電子取引所に「Libra」の上場を奨励する予定である

ニューヨーク証券取引所

創出/償還バスケット規模

不明

100,000 ユニット

公認参加者(ユニットの創出および償還 の権限が与えられた団体)

公認のリセーラーであるが、今のところ未公開

投資銀行

ファンド監査人

不明

PwC

保有高および純資産総額(NAV)の情報

不明

完全開示(毎日発行)

(出典:iShares, Libra

また当社は、技術的な観点からこの2つのアルタナティブ商品を分析しました。以下の図3が示すように、これらの金融商品における重要な違いは、「Libra」トークンの管理が一部デジタル署名によって行われる可能性があるということです。アドレスのホワイトリストが実装されなければ、これにはいくつかの利点があります。

  • 匿名性
  • 検閲に対してある程度の耐性あり
  • 仮想通貨取引所との統合が比較的容易

しかし、2018年2月のテザーレポートで述べた通り、これらの特性を持つプラットフォームは最終的に、本人確認の徹底か、当局による閉鎖かというどちらかの選択を迫られる可能性があることは歴史が証明しています。Facebookはすでに、主要なプラットフォーム上において、政治的に物議をかもしている内容を検閲しているので、「Libra ETF」ユニットも、公開秘密鍵暗号によって管理される範囲が大幅に制限されるか、最終的には廃止される可能性があります。

図 3 – 技術および暗号化に関する考察

 

Libra ETF

iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF (AGG)

コンセンサスシステム

該当なし(ETF はコンセンサスシステムを必要としない)

ブロックチェーン

関連なし(ETF取引の記録をハッシュによってリンクされたブロックのチェーンにグループ分けすることは、ETFにとって重要ではない)

デジタル署名に基づくユニットの制御

可能性あり:

「Libra Blockchain」には匿名性があり、ユーザーは現実世界と関連のないアドレスを複数保持することが可能。

なし

(出典:iShares, Libra

結論

「Libra」には、ユニット保有者に投資収益を得る権利が与えられていないという重大な欠点があるにも関わらず、多くの業界アナリストは、従来のETF業界や既存の電子決済システムに与える「Libra」の影響を注意深く検討しています。

ETF間の比較において、当社は若干異なる見解を有するものの、大切なのは、「Libra」の仕組みには既存の金融商品と同様の特性があるということです。したがって、当社はこの比較は妥当であると考えており、「Libra」が競争力を高めたいなら、従来のETFのガバナンスや料金特性の一部を模倣する必要があると考えられます。

ただし、「Libra」は、Facebook、Whatsapp、Instagramなどのプラットフォームとの統合により、クライアントを引き付ける可能性があります。もし「Libra」が、コインを秘密鍵で管理することを可能にするような性質を保持するなら、これは興味深い展開であり、そうしたコインはテザー(Tether)のようなトークンからシェアを奪う可能性があります。しかし、当社の見方では、長期的に見れば、「Libra」はそうした機能を無効にするか、技術的に困難にする可能性が高いため、ごく少数のユーザーだけがこれらの「管理外」のウォレットを持つ可能性が高いと考えられます。そうなれば、「Libra」は手数料の高いETFに過ぎないということになります。