効率的な流動性プール(2019年8月20日)

原文:Efficient Liquidity Pools, 20 August 2019

効率的な取引戦略を推進し、マーケットの実行可能な流動性を改善する行動を推奨するために、BitMEXはプラットフォームの取引ルールを徐々に導入します。これらのルールは、取引所サービスの品質を向上させるために特別に設計されたものであり、過去数か月にわたる多くの調査を反映しています。 このコンセプトはとりわけ新しいものではなく、実際、大部分の伝統的な取引所は同様のルールを採用しています。

最初の取引ルールの詳細については、クォート約定率のしきい値に関するAPIアナウンスでご覧いただけます。 このルール導入の目的は、取引をするつもりがなくマーケットにクォートを送信する戦略を使用することを思いとどまらせ、プラットフォーム上の流動性の質を改善し、他の市場参加者にリソースを解放することです。

これらのルールの導入は、業界にとって前向きな一歩となると信じており、当社はこの分野での継続的なイノベーションにコミットしています。

背景

現在では過去数年間において、BitMEXは最も流動的な暗号通貨デリバティブを提供するマーケットとなっています。 マーケットの質の良し悪しを見る重要な指標は、オーダーブックのクォートの深さとサイズです:流動性は、所定のボリュームを約定させる際に生じる価格スリッページ(指定したレートと実際に約定するレートとのかい離)によって測定されることがよくあります。 Sk3w.coは、さまざまな暗号通貨市場での価格スリッページの視覚的な比較を提供しています。 以下のサンプルでは、BitMEXのXBTUSDマーケットで1000 XBT相当の契約を実行するため買値スプレッドは約0.5%変動しています。 これを、価格スリッページが約10倍大きく、3%から15%を超える他の取引所と比較してください。

Source: https://www.sk3w.co/liquidity

運営初日から、BitMEXは、業界をリードするAPIを通じてプラットフォームへの前例のないアクセスを提供してきました。 BitMEX.com Webサイトで実行できるすべてのアクションは、API経由でも実行できます。 実際、BitMEX.com Webインターフェースは、パブリックAPIの単なるクライアントです。 このオープンなアプローチは、BitMEXを業界で最も流動的なマーケットにした重要な立役者です。

ただし、流動性はそれが本当に約定可能なものである場合にのみに有用です。 6月、BitMEXのアクティブユーザーのわずか2%未満が注文管理リクエストの60%以上を占めていたにもかかわらず、それらは取引量の2%未満を占めたのみでした。 この動作プロファイルに適合するユーザーは、APIの使用に関して非常に非効率的であり、実際の取引数に対し不釣り合いなほどに多くの注文を送信します。

この種のAPIの使用法については多くの説明があります。 オンライン自動取引サービス(または「ボット」)にサインアップし、APIキーを入力し、毎日数千件の注文を出したり、修正したり、キャンセルしたりしている間、完全に忘れ去られてしまったアカウントがしばしば見られます。 また、取引システムまたはクライアントアルゴリズムの構成が誤っている可能性もあります。

このようなことは、現在はルールに反していませんが、プラットフォームでの取引を真に求めている参加者からリソースを奪います。 この種の行動を阻止することで、市場の流動性がさらに強化され、ユーザー全体としてのエクスペリエンスが向上すると考えています。

さらに質問がある場合は、お問い合わせフォームからサポートにお問い合わせください。https://www.bitmex.com/app/support/contact.

クォート約定率しきい値(2019年8月20日)

原文:Quote Fill Ratio Threshold, 20 August 2019

効率的な取引戦略を推進し、執行可能な市場流動性を向上する行動を後押しするために、BitMEXはプラットフォームのすべての利用者に適用されるいくつかの高度な取引ルールを導入します。有効にする最初の取引ルールは、クォート約定率しきい値です。

クォート約定率

当社は、クォート約定率 (QFR) をプラットフォームに送信される 1 日あたりクォート件数に対する約定クォート件数の割合と定義しています。 送信 クォートとは市場に送信されるあらゆる独立した注文を指します。 約定 クォートとは、任意の金額に対して約定された注文を指します。 QFR の算出の計算式は以下のとおりです。

QFR = (T 期間内の約定クォート数 / T 期間内の送信クォート数)

T 期間 = 24 時間

クォート約定率の例

あるマーケットメイカーが、XBTUSDの両サイドの価格を提示し、異なる価格水準でオーダーブックに残されている 4 つのビッドと 4 つのアスクを含む新規の一括注文リクエストを 1 件送信します。 次にそのマーケットメイカーは、価格シグナルを受信し、市場の 4 つのビッド価格をそれぞれ 1 ティック下げるようリクエストの一括修正を送信します。

別の市場参加者が大口の成り行き買い注文を送信し、マーケットメイカーがオーダーブックに残している3つのアスクが約定されます。 この 2 人の市場参加者はその日の残りの時間、他のクォートも取引もしません。

マーケットメイカーのその日の QFR は次のとおり計算されます。

  • 約定クォート数 = 3
  • 送信クォート数 = 12
  • QFR = 3/12 = 25%

マーケットテイカーのその日の QFR は次のとおり計算されます。

  • 約定クォート数 = 1
  • 送信クォート数 = 1
  • QFR = 1/1 = 100%

クォート約定率しきい値

当該アカウントは、7 日足移動平均の QFR を 最小 QFR しきい値 より大きく維持する必要があります。 このルールに違反すると、メール警告が送信され、最終的に API が禁止されることになります。

1 日当たりに送信するクォートが2000未満のアカウントは、この取引ルールの対象外となります。

2019年8月30日より、次のQFRしきい値が実装されます。

  • 最小QFR しきい値: 0.1% (7日足移動平均)

この取引ルールの導入のために、QFRのしきい値は、ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、最初は0.1%と非常に低く設定されます。 これと比較して、従来の取引所では通常、1~5%の範囲でQFRを実施しています。 現在のプラットフォームのクォート活動に基づいて影響を受けるのは、0.1%のアクティブトレーダーの0.2%未満です。最小 QFR しきい値やメカニズムは随時変更される場合があります。 変更については、ご利用者が取引行動を調整する十分な時間を確保できるように、こちらのブログを通じて事前にお知らせします。

BitMEXプラットフォームの継続的なコンプライアンスの確保 2019年8月19日

原文: Ensuring the Continued Compliance of the BitMEX Platform, 19 August 2019

2014年、HDR Global Trading Limited(HDR)は、経験豊富なトレーダーのための暗号通貨取引プラットフォームを構築するというシンプルなミッションに焦点を当てた、若い起業家の小さなチームとしてセイシェル共和国のMahéに設立されました。欠陥のないシームレスなAPIによって制御され、最も厳しいセキュリティを持ち、画期的な製品を備えた応答性の高いインターフェイスの構築に焦点を当てました。これらの理想から、BitMEXが構築されました。

そしてBitMEXは成功したと言えます。世界で最も革新的で信頼性が高く安全な暗号通貨プラットフォームを構築できたことを誇りに思います。

BitMEXが成長するにつれて、世界の環境も同時に成長します。私達が企業を開始する数ヶ月前の2013年、ビットコインは2回目の大きな強気市場からクラッシュしました。より大きくなった暗号通貨コミュニティの夢とウォレットの残高も、同時にクラッシュしました。そして安全性、セキュリティ、および安定性が優先されるようになっていきました。また金融規制当局はビットコインにより注意を払い始めました。この新しい業界には新しい標準が必要であることは、私たち全員にとって明らかでした。

それ以来、暗号通貨の状況は劇的に変化しており、BitMEXなどのリーダーは規制当局と協力して業界の形成に取り組み、主流化に役立つ標準を作成しています。

業界のすべての主要なプレーヤーに対する規制当局の関与の増加は、期待されるだけでなく、積極的に歓迎されるべきです。誠実な市民がだまされないようにすることは、優れた規制当局の使命です。規制当局は、リスクが明確に伝わり、製品が公正であり、税金が徴収されるようにする責任を負います。このプロセスを通じて、暗号通貨取引所の合法性の新しい時代が到来します。市場運用基準が明確に述べられ、維持され、そしてセキュリティが最重要であり、準備金は独立して頻繁に監査がされる未来です。

私達はこれらの目標を熱心に信じています。そして、お客様の資金の安全性とプラットフォームの安定性ほど大切なものはないことを理解しています。

このため、HDRに所属する従業員とオフィスが所在する管轄区域のユーザーに対して、BitMEXへのアクセスを制限することにしました。セイシェル、香港、バミューダは、BitMEXへのアクセスが制限されている管轄区域のリストに追加されます。この変更は我々のビジネスの財政的な影響を与えることはなく、影響はごく少数の方に限定されます。BitMEXチームから、影響を受けるお客様へ連絡を致します。

BitMEXプラットフォームは、新しくてエキサイティングな時代を迎えています。この保守的なアクションは、受動的ではなく、積極的に行っているものです。イノベーションだけではなく、標準化でも業界をリードすることを目指しています。

  • お客様と利害関係者がBitMEXの動作をよく理解できるように、システムの透明性を拡張しています。

  • BitMEXが安全な取引場所であると考える理由、革新的な契約の仕組み、保険基金を保持する理由、自動デレバレッジを正確で公正とする方法、すべてのアカウントが100%保護されていることを確認する方法、そして、BitMEXが世界で最も安全な保管ソリューションの1つであると考える理由、を第三者に対して示しています。

  • また当社は、保険基金、マーケットメイキング、取引契約について、独立した監査に取り組んでおり、近い将来これらのプロセスの結果を共有したいと考えています。

暗号通貨の分野で成功するには、短期的ではなく長期的に考える能力が必要であると考えています。そして長期的に考えるとこれらの一連の行動は、規制当局が、暗号通貨市場にあるリスクと機会を調査するための良い機会であると信じています。

BitMEXは、流動性が高い革新的な取引場所というだけではありません。アカウントに支払能力があり、決済が正確に行われ、すべての参加者が同様に取引にアクセスする機会があるということを、お客様が確認することができる場所でもあります。

 

クロスバルク注文の拒否について(2019年8月15日)

2019年8月19日04:00 UTC(日本時間同日 13:00)から、APIを介して送信された一括注文リクエストにおいて、クロス価格(売り注文以上の価格で少なくとも1つの買い注文)を含むものは拒否されます。今回のアップデートは、APIおよび取引システムアーキテクチャの継続的な簡素化の一環です。

WebSocket APIフィードの中断(2019年7月24日)

原文:WebSocket API Feed Interruption, 24 July 2019

2019年7月24日の19:44:13から19:52:29JSTの間に、次のWebsocket APIフィードのリアルタイムデータが中断されました。

  • account, affiliate, execution, funds, instrument, margin, order, position, trade, transact, wallet

この期間中に最新トレードパネル、オープンオーダーパネル、約定パネル、ポジションパネル等の箇所において、一部のデータが更新されないことにお気づきになられた利用者もおられたかと思います。

この期間に影響を受けなかったパブリックフィードは、次のとおりです。

  • funding, insurance, liquidation, settlement, impactQuote, impactQuoteBin1m, quote, quoteBin1m, quoteBin5m, quoteBin1h, quoteBin1d, tradeBin1m, tradeBin5m, tradeBin1h, tradeBin1d, orderBookL2_25, orderBook10, orderBookL2

REST APIも影響を受けておらず、この間のフィード更新の失敗によるクライアント側のデータ損失はREST APIを使って解決できます。

この期間中、すべての注文指示は処理され続け、取引エンジンは影響を受けませんでした。この中断は、性能低下により内部市場データサービス処理に時間がかかり、市場データインフラストラクチャに負担がかかったためです。この内部市場データサービスは、根本的な原因を調査する過程で一時的にストップされました。さらに、現在はいくつかの安全な手法がデプロイされており、利用者が利用するフィードに再度影響を与えることがないような対処がなされています。

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

さらにご質問がある場合は、弊社のお問い合わせフォームからサポートまでお問い合わせください。

BitMEXインデックスの更新(2019年7月15日)

2019年7月15日14:00UTC(日本時間 同日23:00)、Krakenの取引が再開された後、BitMEXプラットフォームにおいてKrakenをインデックスに再導入いたします。更新されたインデックスの詳細は以下の表をご参照ください。

トレーダーの皆様は、これらのインデックスが大幅に変動する可能性があることを認識し、またこれらのインデックスを参照する取引の際にはご注意いただきますようお願いいたします。

さらにご不明な点がある場合は、次の当社のリンクよりサポートにお問い合わせください:https://www.bitmex.com/app/support/contact

影響するインデックス

インデックス構成

.BXBT

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

.BETH

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

.BETHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BBCHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BXRPXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BLTCXBT

Binance, Poloniex, Kraken

.BEOSXBT

Binance, Poloniex, Kraken

HDR Global Trading Limitedによるビットコイン開発者への60,000米ドル授与について

2019年5月28日のMIT Digital Currency initiativeへの寄付の発表に続き、Bitcoin Coreのコントリビューター、Michael Ford(fanquakeとしても知られています)氏への6万米ドルの助成金の授与を発表できることを嬉しく思います。Michael氏は2012年からBitcoinに貢献しており、最近ではBitcoin Coreソフトウェアプロジェクトのメンテナンスを行うリストに加えられました。

HDR Global Trading Limited(BitMEX暗号通貨取引プラットフォームを所有および運営する法人)は、Bitcoinの堅牢性、拡張性、プライバシーの向上を目的として、Bitcoinの開発とエンジニアリングを支援しています。この助成金は非独占的であり、Michael氏にBitcoin Coreの開発を依頼しています。当社は、彼がBitcoin Coreのメンテナンスを担当する間、彼の最初のファイナンシャルサポーターになったことを嬉しく思います。

HDR Global Trading LimitedのCTO兼共同設立者であるSam Reedは、この助成金について次のように述べています。

HDR Global Trading Limitedは、暗号通貨分野の他の企業と同じく、Bitcoinの使命と理想に捧げられた(ほとんどボランティアの)プログラマーたちの作業に大きく依存しています。この仕事は難しく、過酷で、そしてしばしば感謝をされず報われないものです。当社は、自分たちのビジネスモデルの元になっている、自分たちが恩恵を受けているプロジェクトに恩返しするのは、営利企業としての義務だと考えています。オペレーティングシステムからウェブサーバ、運用ツール、そしてBitcoinに至るまで、何百万というOSSの熱心な開発者たちが力を注いでいなければ、BitMEX取引プラットフォームは構築できなかったでしょう。当社はこれらを忘れることはありません。したがって、HDRでは、いかなる条件も付加されず提供される今回の助成金は、ビットコインやその他のOSSプロジェクトを万人のために強化するという継続的な取り組みのごく一部にすぎないと考えています。

BitMEXインデックスの一時的な変更(2019年7月14日)

原文: Temporary Change to BitMEX Indices, 14 July 2019

2019年7月14日 21:00 UTC(日本時間 翌日06:00)に、BitMEXはKrakenの計画的なダウンタイムに対応するため、Krakenをインデックスから一時的に除外します。この計画的なダウンタイムは3〜8時間続くと予想され、以下の表に示すように7つのBitMEXインデックスに影響を与えます。Krakenの取引が再開されると、KrakenはBitMEXインデックスに再導入されます。再導入の12時間前にはアナウンスを致します。

すべてのトレーダーは、これらのインデックスの価格が大幅に変動する可能性があることを認識し、お取引する際には注意が必要になります。

さらにご質問がある場合は、当社のお問い合わせフォームからサポートにお問い合わせください:https://www.bitmex.com/app/support/contact

 

影響のあるインデックス

現在の構成

変更後の一時的な構成

.BXBT

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

Bitstamp, Coinbase Pro

.BETH

Bitstamp, Coinbase Pro, Kraken

Bitstamp, Coinbase Pro

.BETHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BBCHXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BXRPXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BLTCXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

.BEOSXBT

Binance, Poloniex, Kraken

Binance, Poloniex

「Libra」: ザッカーバーグ氏、どうぞお手柔らかに

BitMEX 共同創業者兼 CEO Arthur Hayes デスクより

原文:Libra: Zuck Me Gently

後戻りができない重大な出来事がありました。Facebookは「Libra」を通じてデジタルアセット業界への進出を開始します。分析を始める前に、1つ明らかにしておきたいことがあります。それは「Libra」は、ディセントラライズ(非中央集権制/分散化)されたものでも、検閲耐性があるわけでもないということです。「Libra」は仮想通貨ではありません。「Libra」はすべてのステーブルコイン(価格安定型仮想通貨)を破壊するでしょうが、そんなことは誰も気にしません。私は、無名のスポンサーが、ブロックチェーン上で法定通貨のマネーマーケットファンドを創設することに価値があるのだと信じていた多くのプロジェクトには一切同情しません。

「Libra」は、商業銀行と中央銀行の地位を低下させる可能性があります。それは、デジタル法定通貨のための、ばかげた規制の多いウェアハウス(従来の銀行)の有用性を低下させる可能性があります。それはまさに、デジタル時代である今日において、そうした銀行に生じてしかるべき現象なのです。

なぜ商業銀行は存在するのか?

銀行は、人間社会に深刻な危険が存在する時期に発生したものです。封建時代のヨーロッパの農民たちは、おそらく夜明けから日暮れまで働いていたことでしょう。農民や農民の封建領主が集めたわずかな貯蓄は、常に狙われていました。お金は物理的なものですから、町の保護がない限り、盗まれる可能性が高かったのです。

資産の安全性は、従来の銀行にとって最も重要な価値提案でした。彼らは、物的資産と記録をその金庫に安全に保管することができました。このため、政府や富裕層は、お金と資産を銀行に預けました。銀行は大規模な信用ゲームに従事していましたし、今もそうです。だからこそ銀行の建物は、重厚な特徴を有しているのです。一世代後もあなたの資産は傷つくことなくそのままそこに存在し、すぐに使用できる状態にあるでしょう。

銀行は政府と連携し、クレジットを発行し、マネーサプライを拡大するためのライセンスを取得します。また、契約を履行させるために、政府の合法的な暴力に頼っています。銀行に仕返しをしてはいけません。担保に入っている資産が没収されてしまいます。万が一、あなたが裁判所に刃向かえば、政府に雇われた暴力団員が喜んであなたの首根っこを捕まえ、法に従わせるでしょう。

この10年間で、人間社会のお金と資産は、アナログからデジタルへと急速に移行しました。今やお金と所有権の表象は、馬によって運ばれるのではなく、電子的に移動するのです。資産とお金がデジタル化された現在、デジタル上のセキュリティではなく、物理的なセキュリティを提供する機関が必要でしょうか?

これまで見てきた通り、商業銀行はデジタル情報の保護に関してはひどい状況です。倒産しそうもない大手の銀行に行けば、必ず顧客データ「漏洩」の話を聞かされるでしょう(これは「あなたのデジタル資産を守る手段がない」という婉曲的表現です)。

顧客を有する者には皆価値がある

かつて銀行は、顧客に関する最も重要な情報を握っていました。彼らは、あなたの金銭に関する履歴を把握し、どこに住み、何を買ったかといった情報まで把握していました。

この10年間で、ソーシャルメディアを運営する会社は、ユーザーの自発的な行動を通じて、人類史上最も多くの個人情報を蓄積しました。私たちはFacebook、Instagram、Google、Twitter、WeChat、LINE、Kakao Talkなどに、生活上のあらゆる情報を提供しています。私たちはこうした企業によって管理されている集中チャットプログラムで、何十億ものメッセージを日々送っています。今、顧客を有しているのは彼らなのです。

消費者向けの現代的なテクノロジー企業は、最富裕層顧客たちのデータを何十億も保有しています。従来これらの企業は、商品を宣伝し、それらを販売することでお金を稼いでいました。しかし、そうした企業も、他のあらゆるビジネスと同様、いったん顧客の獲得に成功すると、金融サービスの提供を開始します。

Facebookには、毎日約20億人ものアクティブユーザーがいます。彼らの財産の金銭的実在を保有することは、完全に理にかなったことです。それが「Libra」なのです。

「Libra」の解体

「Libra」は、法定通貨バスケットを裏付けとしたステーブルコインです。法定通貨は、無駄な規制の多い商業銀行で保管されています。「Libra」は、少数の特権的な人々に、純資産総額(NAV)で「Libra」を創出し、償還する権限を与えます。「Libra」 は、特定の関係者が許可済みのノードを操作するブロックチェーンを利用しています。これらの関係者には、ベンチャーキャピタル会社、テクノロジー会社、小売業者、仮想通貨取引所が含まれ、なかでも重要なのは、商業銀行とクレジットカード処理会社が含まれていることです。

「Libra」は、短期国債または財団の理事会が許可するすべての対象に投資することができます。稼いだ収益は「Libra」の一般ユーザーには還元されませんが、ノード・オペレーターと「Libra」投資トークンの投資家には還元されます。この財団は、「Libra」エコシステムを統治する組織体です。財団のメンバーは、各メンバーが所属する産業とエコシステムへの経済的投資に基づいて選出されます。

「Libra」は、実世界のアイデンティティとアドレスとを関連付けません。ただし、資産を「Libra」に変換すると、間違いなく本人確認に遭遇するでしょう。また、はっきりさせておきたいことは、政府機関からの取引凍結要求に対しては、すべて法令を遵守するかたちで処理されます。したがって、薬物の購入に「Libra」を利用してはいけません。

消費者への影響

Facebookのユーザーの多くは、金融サービスの普及率が低い地域に住んでいます。 フィリピン人のヘルパーが、ヨーロッパで売られている商品を「Libra」で購入できる世界を想像してみてください。彼女は外国人労働者として働いており、銀行サービスに恵まれた環境にはいない可能性が高いのです。

したがって、通常ならインターネットを介して海外から商品を購入するのは困難でも、「Libra」ではそれが問題なくできるのです。

ヨーロッパの小売店は、すでに取り扱いのある法定通貨のバスケットで支払いを受け付けています。こうした取引は、InstagramやWhatsappなどのFacebookのソーシャルメディアの内部で完結することが可能です。

Facebookまたはそれが創設する新しい金融サービス会社は、販売時点で「Libra」建ての融資を行うことができます。ユーザーは登録すれば、Facebookがすべての個人情報を利用して、クレジットスコアを計算できるようにすることが可能です。Facebookは、そのクレジットスコアを使って、そのプラットフォームで販売している業者から商品を購入するために、あるレートで「Libra」を融資します。世界で最も貧しいメンバーであるヴォイラは、大量生産された中国の小物をクレジットで購入する喜びを味わうことができます。「パクスアメリカーナ(超大国アメリカによって維持されている平和)へようこそ!」というわけです

商業銀行への影響

商業銀行はお金を貸します。彼らは融資を行うために預金を集め、それを融資に利用します。残念ながらこのデジタル時代にあっては、預金者に関する最高の情報を握っているのはもはや彼らではありません。それを握っているのは、ソーシャルメディア会社です。

したがって、世界中に拡がるFacebook、Google、Alibabaの方が、商業銀行よりも安く低金利でローンを組むことができます。「Libra」やその他類似業者が登場することで、テクノロジー企業は、そのエコシステム内のデジタル法定通貨を利用して、クレジットを拡大し、最も収益性の高いすべての銀行商品を、はるかに低いコストで提供することができるのです。

これらのグローバルなハイテク企業のバランスシートには、融資するためのフリーキャッシュフローが何十億ドルもあります。

商業銀行は、問題となっているステイブルコインの準備資産のためのノード・オペレーターや法規制のあるウェアハウスになることはできます。これら2つの分野にはまだ経済的価値がありますが、消費者向けテクノロジー企業は、現在、最も収益性の高い金融商品を自ら販売しています。

どの銀行もこの点を肝に銘じておく必要があります。「Libra」とそのクローンは、彼らのビジネスモデルに対する実存的脅威なのです。銀行の利益の源泉が廃れるにつれ、多くのハイテク企業が力を増していくことでしょう。しかし、おそらく社会は、ある悪魔との取引を別の悪魔との取引に変えたに過ぎないのです。

中央銀行への影響

デジタル経済社会にあっては、商業銀行に現在のような規模は必要ありません。「Libra」では、Facebookが中央銀行の役割を担っています。「Libra」の準備金は、第三者である財団によって管理されています。その準備金管理者は、法定通貨の重み付けと、ファンドをどのように投資するかを決定します。中央銀行総裁の仕事によく似ています。

消費者向けハイテク企業は、自社のバランスシートから消費者に直接クレジットを発行できるようになりました。このモデルと従来のシステムとの唯一の違いは、今のところ商業銀行と同様、お金を実際に生み出すことができないということです。以下がその流れです。

  1. 法定通貨で利益剰余金を確保し、正規プライマリディーラーで「Libra」と交換します。
  2. 自社が提供する商品やサービスと引き替えに、「Libra」を顧客に貸し出します。
  3. 顧客から「Libra」+「Libra」建ての金利を獲得します。
  4. 公認の正規プライマリディーラーで、「Libra」を売却して、法定通貨を得ます。

マネーサプライは増加しません。これが、中央銀行の信用創造方法と異なる点です。中央銀行が貸付を行えば、多くの場合、マネーサプライは増加します。

なぜ世界経済の金融の健全性を管理するために、一部の不気味な年老いた人々を信頼するのでしょうか。Facebookのザッカーバーグ氏を信頼しましょう!

私は、米国下院金融サービス委員会に対する米国上院議員マキシン・ウォーターズのばかげた声明や行動には全く与しません。彼女や他の政府機関の懸念が爆発したのは、国民を慮る利他的な感情からではなく、むしろ彼らの私服を肥やし、その地位を維持している金融サービス業界が転覆することに対する恐れから生じたものです。

しかし逆に、政府機関が「Libra」に急いで警告を発したということは、このプロジェクトには人間社会にプラスに働く潜在的な価値があるということなのです。

「Libra」と金銭的プライバシー

おかしいのは、かなり多くの人々が、「Libra」が表明する可能性がある経済的自由の損失に対して、急いで不満を訴えようとしたことです。この恐れは見当違いで、金銭的なプライバシーは既に存在しませんし、デジタル金融システムの世界にも存在することはないでしょう。それがFacebookであろうと、米国連邦準備銀行であろうと、中国人民銀行であろうと、中央集権的な法定通貨の電子化がすぐそこまで来ているのです。いずれ現金は違法になるでしょう。

「Libra」がローンチされて良かったことは、金銭面のプライバシーの喪失について心配している人々が、オルタナティブ投資を模索せざるを得なくなった点です。好奇心旺盛な一般大衆が、この新しいデジタル時代の金銭面のプライバシーの安全性について熟考するにつれ、ビットコインやその他の仮想通貨は利益を得ることになるでしょう。

「Libra」とそれによって触発された議論は、ビットコインにとって最高のニュースです。20億人の人々が、自分たちの経済面を過剰にコントロールしている企業を今は受け入れていますが、将来は恐れることになるでしょう。ビットコインにとって、好奇心は最高の相場上昇要因です。

オーグメンティッドリアリティとバーチャルリアリティへの投資を通じて、Facebookは全く新たなデジタルワールドを創造しようと考えているようです。「Libra」は、この仮想的存在の原動力となる経済的なマナ(力)になり得ます。 私たちが仮想現実に夢中になっている間に、Facebookに心酔し過ぎて、物理的な私たちの身体がガチガチになってしまうようなことがありませんように。ザッカーバーグ氏よ、どうぞお手柔らかに。末永いおつきあいを。

BitMEX 仮想通貨トレーダーダイジェスト

原文:BitMEX Crypto Trader Digest

台北で行われるアジア・ブロックチェーン・サミット2019

2019年6月27日、当社は仮想通貨業界において、新たな記録を打ち立てました:XBTUSDのオープンインタレスト(未決済建玉)が10億ドル超、XBTUSDの取引高が130億ドル超、すべてのBitMEX商品の取引高が160億ドル超となりました。この期に及んでもまだ、Nouriel Roubini氏は、仮想通貨は茶番劇だと信じています。来週、台北で行われるアジア・ブロックチェーン・サミットで、彼と当社のCEOであるArthur Hayesが直接対面します。どうぞご覧ください。

WebSocket APIフィードの中断(2019年6月27日)

原文:WebSocket API Feed Interruption, 27 June 2019

2019年6月27日07:50から07:58UTC(日本時間 同日16:50から16:58)の間、予定されていたマーケットデータ配信サービスのアップグレード中に以下のWebSocket APIフィードが中断されました。

  • Account, affiliate, execution, funds, instrument, margin, order, position, trade, transact, wallet


BitMEXのウェブサイトの利用者の中には、この期間中に一部のデータが更新されないことにお気づきの方もおられたように、最新トレードパネル、オープンオーダーパネル、約定パネル、ポジションパネルなどです。

この期間に影響を受けなかったパブリックフィードは、次のとおりです。

  • Funding, insurance, liquidation, settlement, impactQuote, impactQuoteBin1m, quote, quoteBin1m, quoteBin5m, quoteBin1h, quoteBin1d, tradeBin1m, tradeBin5m, tradeBin1h, tradeBin1d, orderBookL2_25, orderBook10, orderBookL2


この期間中も注文の指示は処理され続け、取引エンジンへの影響はありませんでした。

この問題により、ユーザーREST APIリクエストにサービスを提供するミラーのサブセット内のデータが不完全な状態のままになっておりました。この副作用として、BitMEXのウェブサイトでは、データが復旧している間の90分間に、既にキャンセルされた注文が、オープンオーダーとして観察されるケースがございました。この期間中の更新を行っていない可能性のあるAPIユーザは、REST APIを使ってデータを埋めあわせることが可能です。


Webサイトで注文キャンセルの問題が発生した場合は、Webブラウザを更新してください。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

詳細については、サポートまでお問い合わせください。

ETHUSD オーダーブックフィードでの問題につきまして(2019年6月24日)

原文: ETHUSD Orderbook Feed Issues, 24 June 2019

201962409:25:54 UTCから09:44:30 UTCの間(日本時間 同日18:25:54 から18:44:30 の間)、ETHUSDorderBookL2orderBookL2_25orderBook10、およびquoteリアルタイムwebsocketフィードは問題のある状態でした。この間、上記フィードのETHUSDオーダーブックは正しく表示されていませんでした。

検出されてから1分以内に、問題が発生した根本的な原因が特定され、解決がなされております。この問題は、数時間前に開発環境にデプロイされていたorderBookL2計算の最適化においてバグを引き起こした稀な注文イベントのシーケンスが原因でした。この変更は元に戻されています。

取引エンジン自体において注文への影響はありませんでした取引エンジンにて処理された後のETHUSDオーダーブックの表示部分のみです。

将来的に同様の問題が発生する可能性があることを検出し、早期に警告するために、追加の自動フィードバリデータを導入しました。

ご不便をおかけして申し訳ありません。さらにご質問がある場合は、弊社のお問い合わせフォームからサポートにお問い合わせください: https://www.bitmex.com/app/support/contact