ライトニング・ネットワーク(パート7) – パブリックチャネルとプライベートチャネルの比率

原文はこちらです。

要旨: 当社が2020年1月、60,000件以上のライトニング・ネットワーク・チャネルの非協力的クローズに関するレポートを発表した後、パブリックチャネルとプライベートチャネルの比率について問い合わせを受けました。これに対する回答として、1ml.comのパブリック・ライトニング・チャネルのデータベースを利用して、当社の非協力的チャネルクローズデータセットと相互参照しました。その結果、非協力的クローズの約28%がプライベートチャネルに関連しているとの結論に達しました。この28%という数字は、より広範なライトニング・ネットワーク上のプライベートチャネルの比率についても当てはめることができる合理的な数字と言うことができる可能性があります。

ライトニング・ネットワーク上のパブリックチャネルとプライベートチャネルの推定比率

(出典: BitMEX リサーチ, 1ml.com)
(注: スイープ法だけで特定された非協力的クローズ)

概要

2020年1月にライトニング・ネットワークの非協力的チャネルクローズのデータベースに関するレポートを発表した直後、Bitrefill CEOのSergej Kotliarから、データセット内のプライベートチャネルの数を推定することができるかどうかとの問い合わせがありました。

これは当社が前回のレポートで見落としていた点であり、Sergejのアドバイスに基づいて、提案された分析を行いました。当社は、ライトニング・ネットワーク統計ウェブサイトである1ml.comのAPIで検索しました。そこには、すべてのパブリック・ライトニング・チャネルの包括的なデータベースがあります。この検索を、当社の比較的確かなスイープ法によって特定された 60,000 のチャネルクローズすべてについて実施しました。

以下の表に示す結果は、当社の分析によって特定されたチャネルの72.2%がパブリックチャネルであり、27.8%がプライベートであることを示唆しています。

スイープ・トランザクション法によって特定されたライトニング・チャネル

1ml.com データベース内のチャネル(パブリック)43,83972.2%
1ml.com データベース外のチャネル(プライベート)16,89627.8%
合計60,735100.0%

(出典: BitMEX リサーチ, 1ml.com)

(注: データは2020年1月23日に更新)

結論

スイープ法によって特定された非協力的クローズにのみ適用される私たちのこの結果を、すべてのライトニング・チャネルに適用できるわけではありません。たとえば、プライベートチャネルが非協力的クローズとなる可能性が高いことには、様々な理由が考えられます。しかし、これは現在利用可能なプライベートチャネルの比率に関する最も包括的な推定の1つであると、私たちは考えています。

更新:202025

この記事の公開後、コミュニティからフィードバックを受けました。それは、パブリックチャンネルとプライベートチャンネルの内訳は、ビットコイン・バリューに基づく方が、私たちが提供したチャンネル数ベースの指標よりも、有益である可能性が高いというものでした。このため、60,000件の非協力的チャネル・クローズ・トランザクションのアウトプット・バリューに基づいて、このデータを提供することにしました。これらのトランザクションでは、1,070ビットコインが費やされ、そのうち939ビットコインはパブリックチャンネルに関連し、131ビットコインはプライベートチャンネルに関連するものでした。

非協力的チャネル・クローズにおける比率 – パブリックvsプライベート

(出典: BitMEX リサーチ)
(注: スイープ法,すなわちノン・ペナルティ・スイープのみによって特定されたチャネル)

データセット内のチャネルは、バリューによれば約 88%がパブリックとなるのに対し、バリュー数によれば、その比率はわずか72%となります。これは、データベースがすべてのライトニング・チャネルを反映していると仮定すると、パブリックチャネルの方がプライベートチャンネルよりも概して大きいことを示しています。