BitMEX リサーチがフォークをモニタリングするウェブサイトを発表
要旨:当社は、BitMEX リサーチが新たなウェブサイト、 ForkMonitor.info を立ち上げたことを、ここに自信を持ってご報告いたします。このウェブサイトは、ビットコインとビットコインキャッシュのいずれをも実装したいくつかの異なるノードに接続されています。また、それに続くチェーンに関するさまざまな情報を提供します。このウェブサイトは、ネットワークのアップグレード中の状況(ソフトフォークまたはハードフォーク)を監視したり、意図しないコンセンサスバグを検出したりするのにも役立ちます。このサイトの開発を支援してくれた Sjors Provoost に感謝します。
私はふわふわしたサボテンのぬいぐるみを見つめながら考えました。誰かがゼロをディセントラライズしようとしたのだろうか? と。その後、メルテムとのメッセージのやりとりを通じて、2018年がいかにばかげた年であったかということに関する以下のようなアイデアが浮かんできたのです。
このニュースレターは、ゼロをコンセプトに据えたものです。私には未来が見えます。様々な仮想通貨の投資家たちは、今はまだ分からなくても、いずれこのゼロという数字の意味がよく分かるようになるでしょう。
ニューヨーク市の聖パトリック大聖堂での話です。
ユダはイーサリアムの開発者です。彼には、悪運が続いていました。彼は今、教会で告解をしています。
以下、「父」は「神父」を意味します。
ユダ – 父よ、私をお赦しください。私は罪を犯しました。私が最後に告解をしたのは、もう1年も前のことになります。
神父 – 息子よ。いらっしゃい。どんな罪を犯したのか話してごらん。
ユダ – はい。ご存じの通り、私はイーサリアムの開発者です。しかし、私は、別の神に誤った信仰表明をしてしまいました。
神父 – その神とは誰ですか? 悪魔、すなわちサタンそのものですか?
ユダ – いいえ、父よ。私の信仰に迷いが生じてしまったのです。私は、ディセントラライゼイションを信じてしまいました。
神父 – えっ? 何のことだかよく分かりません。説明してください。
ユダ – 私はイーサリアムの開発者です。ご存じでしょう。グローバルなヴァーチャルコンピュータです。私は、イーサリアムのプロトコルを使って、何でもディセントラライズできると信じていました。また私は、特に株式のような金融資産の取引に興味がありました。
神父 – よろしい。では、ディセントラライズされた株式市場とはどのようなものですか?
ユダ – 誰でもどこでも株を交換することができます。ニューヨーク証券取引所やナスダックなど、政府や従来の取引所から承認を得る必要はありません。また誰でも、世界中の誰に対しても、自分の計画にしたがって株式を販売することができます。つまり、金融が、世界中のすべての人々にとって真に自由なものとなるのです。
神父 – 異端者よ。あなたは、天使、そしてニューヨーク証券取引所やナスダックに取って代わろうと計画したのですね。何か優れた本を読んで、それらの組織と我らが主(唯一絶対の神)との関係について知ろうとしなかったのですか?
ユダ – はい、ちゃんと読みました。でも、私は、ディセントラライズされたグローバルなコンピュータ、イーサリアムを使っていましたから、我らが主や救い主イエスキリストがそのようなことを気に掛けるとは思っていませんでした。
神父 – 息子よ。あなたはよく福音書を読んでいませんね。特にHowieによる福音書です。
ユダ – 私は、弁護士が福音書に精通していると思っていました。彼らは、ディセントラライズされているので、Howieによる福音書は当てはまらないと言ったんです。
神父 – [悲しみで頭を横に振りながら] 前回私がおこなった説教で、主の子どもたちは偽預言者に警戒しなければならないと説いたはずです。特に、ブリオーニのスーツとチャーチの白い靴を身につけた人たちには注意が必要だ、と。白い靴を履いたこれらの弁護士にとって大事なのは、あなたの魂ではなく、お金だけなのです。
ユダ – ああ、そのことを忘れていました。私はコンピュータの前で一夜を明かした後だったので、すっかり酔いが回っていました。私たちはICO(イニシャル・コイン・オファリング)を祝っていたんです。
神父 – ああ、ICOね。私は、その悪魔の道具に対抗するための徹夜祭も主催しているんですよ。それにしても、息子よ。あなた自身が個人的にICOを実施して、そこから利益を得るのだとしたら、あなたのプロジェクトはどのようにディセントラライズされているというのですか? 真にディセントラライズされたプロジェクトには、特定のリーダーは存在せず、ひとつの組織だけが利益を得るということはできないはずですが?
ユダ – 自分の行いの誤りに、今気づきました。
神父 – 主はあなたが悔い改めるために、何をお望みですか?
ユダ – 主は、私の罪を赦すためには、大金を払わなければならないとおっしゃいました。
神父 – 旧約聖書の中で業火に焼かれたソドムやゴモラのようなところ、すなわちニューヨーク市のライカーズ刑務所に投獄されるよりはよかったじゃないですか。
ユダ – はい、その通りです。主のご慈悲を永遠に感謝します。
神父 – 息子よ。あなたが学ぶことができてうれしく思います。我らが主は慈悲深いお方です。しかし、主の王国を脅かす者に対しては、激しい怒りをお示しになります。
神父 – 我らが主と救い主に祈りを捧げましょう。父と子と精霊の御名、別名、米証券取引委員会委員長であるジェイ・クレイトン様の御名によって、アーメン。
最近のポーリーポケット・インベスター・デーで耳にした話です。
ポーリーポケットは、ポーリーポケットキャピタルのマネージングパートナーです。そのファンドはトークンのみに投資します。
シュマックはそのファンドの投資家です。
ポーリー – 皆様、インベスター・デーにようこそお越しくださいました。2018年は私たちのファンドにとって困難な年となりましたが、長期的には素晴らしいリターンを提供することができると自負しております。
シュマック – パフォーマンスに関してだが、ファンドが実際に保有している資産について、もう少し詳しく教えてもらえないかな?
ポーリー – よいご質問ですね。ご存知の通り、私たちは保有資産について正確には開示しておりませんが、ちょっとしたヒントを差し上げることはできます。私たちのファンドは、上場トークンと非上場トークンに分かれています。
シュマック – そうか。で、上場、非上場とはどういう意味なんだ? 私は委任状で、ファンドの投資先は、セカンダリーマーケットで既に取引されているトークンに限定したと思っていたんだが。
ポーリー – えー、その通りです。しかし、いくつかの素晴らしい取引を目にしたため、サイドポケットを作成しました。サイドポケットには、私たちが投資したすべてのプレICO取引が含まれています。
シュマック – ふーむ…ということは、ファンドの委任状に関わらず、基本的に御社は何でも好きなものに投資できるということなのかな?
ポーリー – はい、一言で言えばそういうことになります。
シュマック – いや、まいったね。そうした流動性のない、非公開のトークンの価格をどうやって評価するのかね?
ポーリー – ご存じの通り、当社には素晴らしいコネがあります。そのおかげで、一般大衆が入り込む前に取引に参加することができるのです。最終ラウンドで一般大衆がこれらのトークンを購入する価格に対し、通常、我々は、70%〜90%の割引価格で購入することができます。その後、我々は、そのトークンを、最終ラウンド価格で評価できるというわけです。
シュマック – ということは、1ドルの価格で投資して、最終ラウンドで、おそらく全体の流通量のほんの一部ということになる可能性もあるが、10ドルで売られていた場合、10倍に値上がりしたと記録するのかね?
ポーリー – はい。
シュマック – ということは、私はその10倍の値段に対してマネージメントフィーを支払うことになるのかな?
ポーリー – はい。
シュマック – 御社の流動性のあるトークンのポートフォリオは、今年、さんざんの成績だったよね?
ポーリー – はい。
シュマック – ということは、サイドポケットの評価額のせいで、運用資産残高は急激に赤字になるんじゃないのかね? 私は、セカンダリーマーケットのない、流動性もない、10倍の値段で評価されたトークンに対して2%の手数料を支払っていることになり、それが実際にいつ上場されるかも分からないんだろう?
ポーリー – 実際よりひどい言い方に聞こえますが、ま、本質的にはそういうことになります。
シュマック – 流動性がなく、上場の時期も確定していないのだから、この評価にヘアカットを適用しないのかね?
ポーリー – いいえ。我々は、このファンドには非常に大きな価値があると信じていますし、実際このことは最終ラウンドの価格によって証明されています。我々トークンの専門家チームは、こうした状況においてファンドをいかに評価するかということに精通していますから。
シュマック – そうかもしれないが、これらのサイドポケット投資に対して支払われるマネージメントフィーのせいで、投資家の資本全額が消費されてしまう可能性だってあるんだ。払い戻しを要求したらどうなる?
ポーリー – まず流動性のあるトークンを売却します。その資本プールが底をつくと、あなた様の払い戻し請求を満たすことができなくなります。
シュマック – これらのプロジェクトで得た御社の利益を売却する方法はないのかね? 試してみたことはあるのか?
ポーリー – 法的にそれはできません。SAFT (Simple Agreement for Future Tokens)の規約により、私たちはトークンが上場される前に当社の利益を譲渡することはできないのです。
シュマック – ということは、結局、私はパドルも与えられずに、川の真ん中で立ち往生させられているということかね?
ポーリー – そんな風に言いたくはありません。時には流動性の問題に苦しむこともありますよ。
本音の話
BitMEXリサーチチームは、5千万米ドル以上を調達して、まだ上場されていないトークンのリストを作成しました。
これらのディールの評価額は膨大で、最も評価されているトークンファンドの多くは、かなりの額を取り下げました。これらのディールがセカンダリーマーケットに上場されるのかどうか、またそれがいつになるのかということに関しては不透明です。
大量のトークン供給があるとすれば、誰がそんなゴミみたいなものを買うでしょうか?
本当にこれらの投資を最終ラウンドの価格で評価することができるでしょうか?
SAFTの利益を売却しようとしたファンドに関する複数の事例報告がありますが、それによれば、提示された価格は最終ラウンドの価格を下回っていたということです。
2019年は多くのファンドが責任を負う年となるでしょう。1年目は、あり得ないほどの評価額を付けることができます。しかし、1月1日には再び評価のメーターが回り始めるのです。これらのトークンが市場に出れば、これらのファンドに生じた膨大な損失を隠すための会計手段はもはやありません。
BlockMEXを覚えていますか? まあ、この会社は、数年間、どうにか生き延びました。彼らは様々なビジネスモデルを試してきました。そのうちのどれも利益を生み出してはいません。しかし、そのことは問題ではないのです。ベンチャーキャピタルはこの会社に湯水のように資金を供給し続け、同社の評価額は上昇し続けています。 CEOには、今、素晴らしい新たなアイデアがあります。最近の取締役会に潜入して話を聞いてみましょう。
ビリー – ビリーは同社のCEOです。彼は前任者がその地位を追われると同時に現在の地位に就きました。同社に現金の大半を供給するベンチャーキャピタル、 ザ・ブラインド・ファンドは、ビリーのほうがうまくやってくれると考え、前任者を退陣させました。
カイザー・ソーゼイ – ザ・ブラインド・ファンドのジェネラル・パートナーの一人です。
カイザー・ソーゼイ – さあビリー、牽引力を得るために何をするつもりかね? 4年以上経過したが、BlockMEXは依然として収益ゼロだ。何か新しいことをする必要がありますよ、皆さん。
ビリー – まあ、私には新しいアイデアがあるんですよ。確かにICOは有毒です。プロジェクトは単なるゴミだし、監督当局も嫌っています。STO、すなわち、セキュリティーズ・トークン・オファリングはどうですか?
カイザー・ソーゼイ – もう少し詳しく教えてくれ。
ビリー – 分かりました。では、不動産の一部を購入したいとしましょう。そして、区分所有権を取引することができ、それはトークンで表されているとします。
カイザー・ソーゼイ – 古くさい人間だと思うかもしれないが、それは単なる不動産投資信託(REIT)じゃないのかね? REITは世界中のほとんどの株式市場で既に取引されているよ。
ビリー – しかし、REITはブロックチェーン上で取引されていますか? 権利関係を記録する分散型レジャーテクノロジーを使用していますか?
カイザー・ソーゼイ – いいや。しかし、REITは、すでに1日あたり数十億ドルの取引があり、世界中ほとんどどこでも、現地のブローカーと簡単に取引できるじゃないか。
ビリー – お分かりじゃありませんね。もしもそのトークンがイーサリアムのプロトコルのように、ブロックチェーン上で取引できれば、誰もがどこからでもアクセスできるようになります。北朝鮮のように貯蓄したくてもする場所がないかわいそうな投資家だって利用できるんですよ。今や、彼らだってトークンを所有できるんですから。
カイザー・ソーゼイ – 誰でも? 本当に? これらが有価証券であることは明らかなんだよ。
ビリー – はい。
カイザー・ソーゼイ – それなら、それらは規制されているし、ほとんどの取引所では何らかのライセンスが必要だ。
ビリー – はい、その通りです。
カイザー・ソーゼイ – 従来の取引所が持っているのと同じライセンスだよ?
ビリー – はい、そうです。
カイザー・ソーゼイ – マッチングエンジンを動作させるテクノロジスタックも規制当局の認可を受けなければならないんだよ。
ビリー – はい、そうです。
カイザー・ソーゼイ – ということは、同じような顧客基盤を追求するために、同じテクノロジーを複製して、同じライセンスを取得しようとしているのかね?
ビリー – その通りです。
カイザー・ソーゼイ – そうか。それなら勝てそうだな。私たちは資金を供給し続けることができるし、投資金額を増やすこともできる。[ザ・ブラインド・ファンドが気に入らなかったビジネスで、粗利がマイナスになったものはひとつもない。]
ビリー – まさに私が考えていたことです。みんな、STOとその将来について話しています。もうひとつ別のタイプのSTOは、スタートアップ企業のエクイティ・オファリングです。
カイザー・ソーゼイ – というと、それはIPO(株式公開)をやるのとどう違うんだい?
ビリー – 最近、多くの企業が未公開のままで、IPO、そして規制やコンプライアンスに掛かるあらゆる費用が、特に中小企業にとっては脅威なのです。比較的小規模のテクノロジーカンパニーが何らかの株式を売却して資金を調達する方法があってもいいでしょう。
カイザー・ソーゼイ – そういう企業は配当を払えるのかね? 利益が出ないんじゃないか?
ビリー – 配当金を支払わなくていいばかりか、監査された口座や実際に投資家に何かを説明する義務もないんです。
カイザー・ソーゼイ– うわ、それは驚きだ。このSTO とやらは、バランスシート上にどのように計上されるのかね?
ビリー – その件に関してはまだよく分かりません。
カイザー・ソーゼイ – 伝統的な金融理論では、トークンにはキャッシュフローが発生しないため、無価値ということになるよ。
ビリー – 勘弁してくださいよ。カイザーさん。以前にも同じことを話し合いましたよね。 伝統的な金融は終わったんですよ。私たちは新たなパラダイムに入ったんです。テクノロジー嫌いにならないでください。
カイザー・ソーゼイ – 分かってる。分かっているよ。しかし、有価証券のようなエクイティを売るのなら、国の規制当局に登録する必要があるんじゃないのかね?
ビリー – シーッ! 誰にも言わないでくださいよ。私たちは、ブロックチェーンや分散型レジャーテクノロジーを利用しているため、そうしたルールは当てはまらないんです。我々の一番の醍醐味は、投資家がこれらのものを購入したときに、実際には権利がないということをおおむね伝えておけば、私たちは法的責任を免れるということです。大笑いでしょ。
カイザー・ソーゼイ – なんてこった。このブロックチェーンってやつは最高だな! 何でもありということか。
ビリー – そうですとも。たぶん、私たちが唯一できないことは、収益をプラスにすることです。
カイザー・ソーゼイ – そのことについては心配しなくていいよ。私は、脳よりも現金を多く持っている砂漠にいる人たちを知ってるからね。彼らが我々の期待に背くことはないだろう。