超短期スプレッド取引

原文:Calling the Curve – BitMEX Blog

BitMEX 20181228日満期のBitcoin / USD 先物契約「XBTZ18」は最近取引を開始した。次の取引案では、短期直物相場は続落し、2018年第3四半期に底を打った後、2018年第4四半期に大幅な反発を見せるという前提に立つ。また、トレーダーのセンチメントに変化はなく、長期的弱気市場に突入するとも仮定されている。

ただし、このシナリオを強く確信する場合、次の戦略でリスクと収益チャンスは最大となる。

1 現在の水準からビットコインが底を打ったと確信するまで XBTU18 をショートする。

2 XBTU18 のショートをカバーしたら XBTZ18 をロングする。

まず、3 か月物をショートする理由は、時間的価値が低いため直物の価格変動により敏感に反応するためである。流動性も高いため、パニックになった投資家は投機やヘッジでこの先物契約を使用する。年率では、XBTZ18 より高いディスカウント率で取引される。

反発局面で XBTZ18 をロングする理由は、時間的価値が高いためである。市場が思惑通り動けば、投機筋はカーブのバックエンド(長期)を買い上げるだろう。年末までには、様々な事態が起こり得る。ビットコインのコールオプション的役割を踏まえ、この先インプライドボラティリティによって価格上昇がもたらされる可能性は下落より大きい。取引商品に内在する時間的価値が高いほど、長期コンベクシティの好転が有利に働く公算も大きくなる。

このシナリオでリスク軽減を図る場合、スプレッド取引が有効である。ただ、リスクが軽減すれば利益チャンスは低下する。

1 現在の水準からビットコインが底を打ったと確信するまで、XBTU18 をショートすると同時に、XBTZ 18 をロングする。

2 上記 XBTU18 のショートを XBTUSD に置き換える。

短期的に、売り圧力が予想されることから、曲線はスティープ化し、XBTU18 のショートポジションの利益でXBTZ18 のロングポジションの損失が相殺される。上記チャートでは、BitMEX Bitcoin / USD 先物市場の現在の曲率を示している。比較的フラットであることから、このスプレッド取引を始めるには今が好機であることが読み取れる。

この取引は価格的に中立であるが、各ポジションには別々に証拠金がかかることに注意されたい。XBTU18 のショートポジションの未実現利益は、XBTZ18 のロングポジションの未実現損失を相殺するために使用できない。

後者の取引にはファンディング率が発生すると同時に、6 か月と長期である。相場の反発に伴い、スワップがプレミアム方向に動くため、ショートポジションの保有者がファンディング率を受け取ることになる。イールドカーブのロングエンドは、時間的価値の上昇により、年率で買い上げられる。スワップのファンディングと先物金利差の拡大で収益がもたらされる。この取引も価格中立であるが、各ポジションに証拠金が必要である。

方向的動きを示すためにスプレッド取引の利用を選択する理由は、予想が間違っていたとしても、資金的ロスが小さいことにある。予想に対する確信が強いほど、各ポジションのレバレッジを高め、資本利益率を上げることができる。