2019年2月8日に発生したAPIタイムアウトについてのお知らせ

本日UTC 05:40から07:11の間(日本時間 同日14:40から16:11の間)に、BitMEX REST APIへのリクエストのサブセットが、APIレイヤーでのリソース同士が競合をしたためにAPIの応答が遅くなり、最終的にAPIタイムアウトとなる事態が発生しました。社内のアラートメカニズムを介して検出したのち、数分以内に原因を特定し、即時の影響を軽減しました。現在進行中の問題はなく、この間、取引エンジンやユーザーデータに影響はありませんでした。

問題の根本的な原因に対する修正は特定されており、優先事項として取り組んでいます。これらが利用可能状態になった際は、別のアナウンスメントでお知らせ致します。また、潜在的な類似の問題をより早く検出して解決するために、システム監視を強めております。この度はご不便をおかけし申し訳ございません。

MarketWithLeftoverAsLimit注文タイプの廃止

APIおよび取引システムアーキテクチャの継続的な簡略化の一環として、2019年2月8日(金)UTC 04:00(日本時間 同日13:00)以降、以下の注文タイプはサポートされなくなります。

• MarketWithLettoverAsLimit

上記時刻後にMarketWithLeftoverAsLimitの注文タイプの値で送信された注文は却下されます。さらに、この注文タイプの未処理の注文は、上記の期限後すぐに自動的にキャンセルされます。そのため、これらの注文タイプを使用している取引戦略は、今回の変更を反映するように適切に更新されていることを確認してください。

Websocket API 内部アップグレードのお知らせ

BitMEXプラットフォームの性能改善の一貫として、2019年1月16日 16:00 UTC(日本時間翌日01:00)にWebsocket API インフラのアップデートが予定されております。

この変更による取引エンジンのダウンタイムはございませんが、16:00 UTC(日本時間翌日01:00)にwebsocketフィード上に公開されているDELTAに瞬断が起こると想定されます。この瞬断のすぐ後、すべてのwebsocketクライアントが、再接続時に誤った注文、ポジション、オープンオーダーブックを参照しないように、すべてのwebsocketの接続は強制的に切断されます。その他の点においては、利用者様は今回の変更を特別意識をする必要はございません。

進捗状況のご報告:先週の問題の根本原因の修正をしました

先週の記事でお伝えした問題の対応策として、システム内部のマーケットデータ配布コンポーネントの再購読ロジックの改善を昨日実施しました。この対応により、先週の問題の根本原因に対処すると同時に、この対応時に追加でデプロイされた取引エンジンへの影響を抑える安全メカニズムにより、今後は問題が再発しないと考えております。

ビットコインの一般への普及は、既存の金融システムを根本から変革するか?

2019年1月3日 BitMEXリサーチより 原文はこちらです。

 

抜粋

本コラムでは、銀行の貸付方法、および経済における信用水準を銀行が拡大する能力に貸付方法がどう影響するかを巡るありがちな誤解について考察する。こうした誤解が事実であることを確認するため、マネー固有の特質を分析する。次に、ビットコインが特異な特徴の組み合わせをいくつか持つ理由を従来の貨幣形態と比較して、検討する。具体的には、電子的に取引可能であること、第三者の金融仲介者が不要であるため、銀行預金を必要とせず、信用サイクルを加速することが挙げられる。そのうえで、こうした特徴が銀行の信用拡大能力に及ぼしうる影響について説明する。

 

このレポートのPDF版(英語)をダウンロードするには、こちらをクリック

 

信用拡大のダイナミクス

伝統的な銀行システムおよび近代経済の主な特徴は、大規模な預金受入機関(銀行)が経済における信用(債務)水準を、準備金で埋め合わせる必要なしに拡大できるという点にある。

金融に関して誤解されがちなのは、新規融資を行うために、銀行は準備金、流動性、または「現金」を必要とするという考えである。結局、銀行はどこから資金を得ているのだろう。小規模の銀行や一部の金融機関が新規融資を行うには財源を見つける必要があるのは事実であるが、一般的に、各国の大手銀行にとっては事実といえない。

主要銀行が顧客に新規融資をする場合、ある意味、それにより新規の預金が自動的に創出されるため、財源を捻出する必要はない。なぜなら、その顧客、あるいは顧客がローンで購入したアイテムの販売者は、その資金を銀行に預金し直すためである。したがって、銀行が資金を必要とすることは一切ない。実際、人々が他にできることはない。預金は銀行システム内部に「捕らわれて」いるのだ。実物の紙幣や硬貨を引き出す場合は例外だが、昨今そうする人は稀だ。

次の簡略化した例で考えてみたい。

  1. 大手銀行のJPモルガンがある顧客に住宅ローンを提供する。顧客は初めての自宅を50万ドルで購入しようとしている
  2. JPモルガンは住宅ローンを組む顧客に50万ドルの小切手を切る
  3. 顧客はその小切手をJPモルガンに預けている自分の預金口座に入金する
  4. 顧客は新たに50万ドルの小切手を切り、物件の売り手に手渡す
  5. 売り手もJPモルガンの顧客であり、小切手の受領直後に、JPモルガンの自分の銀行口座に小切手を入金する

国を代表する銀行で組まれた新規住宅ローンの図説

 

ご覧のとおり、上記行程は銀行の流動性や準備金に何らの影響も及ぼしていない。また、この例のいかなる段階においても「現金」を支払う必要は生じていない。言うまでもなく、物件の売り手が住宅ローンの提供銀行と同じ銀行に口座を必ず保持しなければならないわけではない。ただ、JPモルガン、HSBC、バンクオブアメリカなどの大手銀行は、国内市場の預金受入事業で大きな市場シェアを持つため、こうした大手銀行は、新規ローンの相当部分以上が自行に最終的に預金されるものと通常期待する。実際、経済内の新規ローンによって、こうした大手銀行が使用可能な流動性は減少するより増えるのが通例である。

銀行はこのローンを次のとおり会計処理する。

  • 借方:貸付金(資産):$500,000
  • 貸方:預金(負債):$500,000

銀行の資産と負債の両方が増える結果、貸借対照表は拡大する。一方、この取引の住宅の売り手は、50万ドルの現金を手にする。上記トランザクションにより経済内のローンと預金の額は増加している。住宅ローンを組んだ顧客にとって、この預金は「現金」ととらえられる。ある意味、資産(この例では不動産)と関係ない、何もないところから新しい資金が創出されている。上記シナリオでは、経済で流通する実物紙幣と硬貨の総価値を表すM0(ベースマネー)、および中央銀行に預金されている資金は変動していない。MOと銀行口座預金で構成されるM1は、50万ドル増加している(ただし、M1の定義は地域によって異なる)。

銀行の観点からは、現金準備金は実物紙幣と硬貨、および中央銀行に預けている資金である。銀行が保有できる預金水準と準備金水準との割合は「準備率」と呼ばれる。準備率を管理するこの規制形態は、準備金額より多い額を預金顧客から借りている「部分準備銀行制度」につながる。ところが、一般通念とは逆に、大半の主要西側諸国では、こうしたローンを組む銀行の能力を現金準備金との関係で直接制限する規制はない。必須準備率は、設定されていないか、低すぎて重大なインパクトを及ぼさないケースがほとんどである。ただし、「自己資本比率」と呼ばれる、拡大プロセスを制限する規制制度は存在する。自己資本比率とは、銀行の資本と総資産(厳密には加重計算後の資産)との比率である。したがって銀行が新規ローン(新規資産)と新規預金(負債)を創出するのは、十分な資本がある場合のみである。資本は銀行への資本投資と累積留保利益で構成される。例えば、資本が10ドルの銀行は、自己資本比率の制限が10%の場合、100ドルの資産のみ保有できる。

 

信用サイクル

上述のダイナミクスでは、銀行は経済で新規ローンを提供し、信用水準を拡大して、ほぼ意のままにインフレを引き起こすことがある程度可能である。この信用サイクルは、現代経済の主な原動力であり、金融規制の主因であると考えられることが多い。信用サイクルがビジネスサイクルにどの程度影響するかは、エコノミストの間で活発に議論されているが、こうしたダイナミクは拡大的信用バブルや経済破綻の原因によく挙げられる。あるいは、サトシ・ナカモトは次のように 説明している

我々の資金を保有し電子的に移転するために銀行は信用に値する存在でなければならないが、信用バブルの波に乗って我々の資金を貸しまくり、そのほんの一部を準備金としていたにすぎない。

 大手投資会社ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏は、信用サイクルが少なくとも短期的に経済成長に拍車をかける主因であるという主張の擁護者のようである(以下のビデオでの説明を参照)。

 

 

部分準備銀行制度を原因とする信用サイクルは、ブームと破綻サイクルも含めて現代経済の主要原動力であるという節は、ビットコインコミュニティでよく支持される可能性が高い。この節は、「オーストリア学派」のビジネスサイクル理論と呼ばれることもあるが、この学派以外の多数のエコノミストも信用サイクルの重要性を高く評価している。

 

信用拡大ダイナミクスの根本的原因

上述の信用拡大ダイナミクスと部分準備銀行制度は、理解されにくい理論であるが、インターネットの登場に伴い、極左派、極右派、または陰謀説支持派はこのダイナミクスに不完全な形であれ 部分的に気付き始めている。「銀行は何もないところから資金を創出する」や「部分準備銀行制度」という説明には、ある程度説得力があるためだ。そこで「なぜ金融制度はこのように機能するのか?」という疑問が浮かぶ。この疑問の根本的答えは、よく理解されていないと弊社は考えている。

政治・経済に関してこうした非主流的見解を持つ人々は、経済を確実に支配しようとする強力なエリート銀行家による大規模な陰謀と考えるかもしれない。例えば、ロスチャイルド一族、JPモルガン、ゴールドマンサックス、ビルダーバーググループ、連邦準備銀行、その他の強力な秘密団体が金融システムを故意にこうした構造に作り上げ、悪辣なほど不正な利便や影響を得ようとしたのではなかろうか。実際には、そのような事実はまったくない。

銀行が準備金を必要とせずに信用を拡大できるのは、我々が使用する資金の本質的特徴と根本的性質の結果である。消費者や企業が、銀行に対するローンと考えることができる場合に、心理的かつきわめて実務上の論理的理由で、銀行預金を「現金」同様に扱うためである。消費者や企業はローンを現金と考え、引き出すことはないため、銀行は、現金が安全であると認識しながら、預金量を拡大することができる。

銀行預金は完全に合理的で論理的な理由でこのように扱われている。実際、銀行預金には物理的現金と比べて大きな利点がいくつかある。単純に銀行預金は実物の現金より優れているのである。部分準備銀行制度の原因は、一部が考えるような悪辣な陰謀でなく、こうした本質的かつ実質的な利点にある。

 

実物紙幣および硬貨と比較した銀行預金の利点

要素 銀行預金 現金
安全性

金融機関の預金に資金を保持することで安全性が高まる

資金は複数の先端セキュリティメカニズムで保護され、盗難に備えて保険がかけられる

自宅に多額の現金を保有すると盗難や損傷リスクにさらされる

現金は保険の対象外であり、保管コストは高額となり得る

電子送金 銀行システムの使用により世界中でインターネットや電話を使って低コストですばやく資金を効果的に送金可能 実物の現金での送金は、時間がかかり、非効率で安全性が低い
利便性 資金管理のための銀行システムの利用は、便利なツールとなり得る。例えば、形態電話やパソコンを使って資金を使用できる

正確な金額を送信できるため、釣り銭にまつわる問題は生じない

現金の取り扱いには困難と手間を伴うことが多い。正確な金額を特定できず、釣り銭の計算が必要な場合がある
監査可能性 伝統的銀行は不正防止に役立つ全トランザクションの追跡、管理、監視機能を備え、レポート作成や説明責任の点で優れている 現金を使用した有効な記録保持は自動化が進んでおらず、不正が発生しやすい

 

各種マネーの主な特徴

電子的に使用可能など、 本稿のパート1で触れた銀行預金の強力な利点に反し、実物の紙幣や硬貨は電子マネーと比べて大きな利点がある。次の表は、各種マネー、銀行預金、実物紙幣、電子キャッシュ(ビットコイン)の主な特徴をまとめたものである。

 

電子銀行預金、実物紙幣・硬貨、電子キャッシュの特徴

特徴 銀行預金 現金 電子キャッシュ
物理的現金の利点
銀行の支払不能時やアクセス不能時に、資金は完全に保護される*
当局者が資金を没収するのは困難
当局者から資金を効果的に隠蔽可能
トランザクションを簡単に遮断不能
匿名性の高い送金が可能
取消不能の送金が可能
送金は即時に実行可能 ? ?
支払いは常時実行可能 ?
トランザクション手数料はゼロ ?
停電時や通信ネットワーク不通時に支払い手続き可能
バイスを購入や所有せずに資金を使用可能
許可なく、誰でもシステムを使用可能
電子システムの利点
インターネットから支払可能
釣り銭の計算は不要
支払いを簡単に記録可能
資金を簡単に保護し、盗難防止可能 ?

 

注:* 物理的現金には、通貨発行体である中銀政策に関連する支払不能については潜在的問題あり

 

上記表で挙げている強みにより、物理的現金には常に特殊なユースケースがある。ただし、銀行預金は大半の利用者にとって、全般的に物理的現金より優れている。銀行預金の電子的使用能力は、デジタル時代において特に魅力がある。本稿のパート1で説明したとおり、銀行預金に対する高い需要を常に確保できるのは、銀行が信用水準を事由に拡大できることも合わせて、資金を電子的に使用するこの能力によるものである。

 

ビットコイン固有の特質

ビットコインは電子的銀行預金と比較した物理的現金の強みの多くを共有する。ただし、ビットコインは上記表のすべての利点を持ち合わしていない。とはいえ、ビットコインの重要な固有の特徴は、物理的現金のいくつかの利点と電子的な使用能力を兼ね備えている点である。

ビットコインは、物理的現金のいくつかの特質を再現することを目的にしつつ、電子形態をとる「電子キャッシュシステム」である。ビットコインが登場するまでは、物理的現金と銀行預金の2つの選択肢しかなかった。

物理的現金は中央銀行の預金であるため厳密には銀行預金の一部であるが、なお所持人払いという特殊な性質を持つ。この性質は電子形態で過去再現できなかったものだ。2009年、史上初めて、ビットコインは電子形態の所持人払いで使用可能なタイプの資産となった。以下のシンプルな表には、ビットコインとブロックチェーンベーストークンの主な特徴がまとめられている。

 

旧式金融システムの二者択一とビットコインが提供する新しいオプション

所持人的性質の手段 電子的性質の手段
物理的現金(紙幣・硬貨)
電子マネー(銀行預金)
電子キャッシュ(ビットコイン)

 

したがって、ビットコインはハイブリッド形式の新たなマネーと考えることができる。物理的現金の利点をいくつか持ちながら、銀行預金の利点も一部持ち合わせている。

 

ビットコインの限界

ビットコインは旧式電子マネーシステムと物理的現金の強みをいくつか承継している。電子マネーと物理的現金のどちらかの利点全部を持つわけではないが、それぞれの詳細な特徴を兼ね備えるという独特な立場にある。これにより、新たな中道的オプションが生まれている。

例えば、従来の電子決済システムの処理能力や電気なしに使用できる能力(物理的現金など)をビットコインが持つことは決してないかもしれないが、技術の進歩に伴い、徐々に利点を強化し、その能力を向上して、格差を縮小する可能性がある。

 

ビットコインの特徴が信用拡大に及ぼす影響

上述の特徴のダイナミクスを理解することは、エコシステムが拡大したときに、ビットコインが秘める経済的重要性を評価するうえで有益となり得る。ビットコインは、信用拡大に対して本質的にある程度の耐性を提供する性質を少なくとも6つ備えている。これは、従来型マネーは持ち合わせていないものである。銀行預金に資金を保持できるという利点は、他の利点と比べてビットコインで常に明言されているわけではないためである。ただし、ビットコインも旧式システムに存在するものと同じ信用拡大力の影響を当然受ける。実際に、人々は物理的現金同様、金融機関の預金にビットコインを保持することができる。単に、同じ信用拡大力への耐性が高いということにすぎない。

弊社の根拠付けの中核にあるのは、物理的現金と比較した銀行預金の利点、すなわち大手銀行が自由に信用を拡大できるという点を考察し、ビットコインにどの程度この利点が当てはまるかを評価することにある。以下の表で示すとおり、銀行預金に資金を保管する利点は、ビットコインの世界ではそれほど重要でない。したがって、信用拡大に特殊な耐性を実際に持つと弊社は考える。

 

ビットコインおよびビットコイン預金と物理的現金および銀行預金との比較

要素 銀行預金と比較しての現金 ビットコイン預金と比較してのビットコイン
1.安全性 金融機関の預金に資金を保持することは、自宅に多額の物理的現金を保持することと比較して安全である。現金は盗難や損傷にさらされやすい ビットコインは銀行預金への資金の入金が不要であり、高レベルの安全性を実現可能

例えば、ビットコインは隠蔽や暗号化が可能である

2.電子送金 銀行システムの使用により世界中でインターネットや電話を使って低コストで資金を効果的に送金可能

実物の現金での送金は、時間がかかり、非効率で安全性が低い

ビットコインは金融機関の預金を使用せずに、インターネットで効率的に送金可能
3.利便性 資金管理のための銀行システムの利用は、便利なツールとなり得る。例えば、形態電話やパソコンを使って資金を使用できる

正確な金額を送信できるため、釣り銭にまつわる問題は生じない

ビットコインは、携帯電話で支払い可能で、釣り銭額の手計算も不要。金融機関の預金は不要
4.預金の換金能力 伝統的な銀行システムでは、金融機関から物理的現金を引き出すには時間のかかる長い書類手続きが必要。そのため銀行は、多額の物理的現金を準備金として保管しておく心配は不要 ビットコインを使用すると、銀行からすばやく資金を引き出すことが可能なため、銀行は常時十分なビットコインを準備金に確保するようになる可能性がある
5.監査可能性 銀行は不正防止と説明責任強化に役立つ全トランザクションの追跡、監視機能を備える。

物理的現金にはこうした機能はない

ビットコインのブロックチェーンなどの電子データベースは、第三者の金融中間業者を使わずに、トランザクションを効果的に監査、監視可能
6.「ハイブリッドバンキング」 伝統的な銀行業モデルは、基本的に次の2つの選択肢のみ:

1.利用者が資金を完全に管理可能な物理的現金

2.金融機関に預金される資金

これは中間的選択肢のない二者択一式モデルであり、妥協用選択肢がないため、消費者に難しい選択を強いる

ビットコインではより広範囲の預金とセキュリティモデルがあるため、信用拡大ダイナミクスは複雑化する

例示:

1. 2段階方式のマルチシグネチャウォレット。銀行が一方のキーを、利用者がもう一方のキーを保有。

2. 一方選択型のマルチシグネチャウォレット。銀行が一方のキーを、利用者がもう一方のキーを保有。

 

信用拡大抑制による経済的影響

本稿の分析が示唆する低レベルの信用拡大の影響からは、この新しい経済モデルが社会にとってより有益となるかどうかや、ビットコインが成功するかどうかについての答えはさほど得られない。前者の論点は長年エコノミストが激しく議論してきたものであるが、後者の論点については、別の議題であると弊社は考える。長年、エコノミストの議論の的となってきたものの、ビットコインはこれまでのマネーと明らかに異なるため、新たなまったく異なる情報で再び議論することが必要であろう。例えば、信用拡大サイクルを原因とするインフレやデフレは、ビットコインベースの金融システムでは、銀行預金や債務に基づく金融システムへの影響と比べて、非常に異なる影響を及ぼす可能性がある。債務ベースの金融システムにおけるデフレの主な問題点は、債務の実質価値を増大させ、景気下降スパイラルを導く点にある。ビットコインをはじめとする非債務ベースの金融システムのデフレの影響はそれほど明らかでない。

ビットコインがより優れた経済モデルにつながるとは必ずしも限らないが、この分析は、ビットコインが今までに登場したモデルと比べて、この経済モデルを多少なりとも独特なものとし、恐らく興味深くするいくつかの特質を備えていることを提示しているものと考えられる。したがって、掘り下げる価値のある領域のように思われる。

多くの人にとって、ビットコインの最終目標は十分な支配力を持つことにある。それにより、信用拡大力が大幅に減少すれば、信用サイクル、ひいてはビジネスサイクルを中立化する可能性がある。これはきわめて野心的な目標であり、実現の可能性はきわめて小さい。ビットコインがこの規模まで拡大する稀な状況であっても、別の不測の経済的問題(特にビットコインにとって)が生じる可能性がある。

 

コインの両面:近未来の分岐型マネー

著者:アーサー・ヘイズ 原文はこちらです。

 

少しの譲歩で膨らむ政府の思惑

新しいマネーの最初のタイプと考えられるのが、中央集権型の電子マネーである。その起源は現行システムに直結し、デジタル時代における法定通貨(Fiat)のアップデート版といえる。それは既存の中央銀行制度と急速に大企業化している経済にとって自然(筆者の意見では必然でもある)な合成体である。 

電子マネーが可能になる背景として、消費者が社会的に私生活全体を企業に委ねることに慣れてきたという現象が大きく影響している。その引き換えに、消費者は娯楽や便利さを潤沢に手に入れている。ただし、現時点では、企業によるマネーの発行とそれに伴うプライバシーのさらなる低下を消費者が自主的(または強制的)に受け入れる動きはごく限定的に見られるのみである。

電子マネーの将来の方向性を最も明確に示していると考えられるWeChat Payは、中国内の現金を実質的に消滅させている。WeChat Payのシステムの仕組みを説明しよう。マーチャントはQRコードと携帯電話を使用して、消費者の銀行口座に直接接続しているWeChatウォレットから請求額を減額する。消費者がマーケットのレジに並んでいる間、人民元(CNY)が口座から即座に減額され、マーチャントの口座に加算される。マーチャントは代金を、消費者は商品を受け取り、現金を物理的にやりとりする手間は消滅している。

WeChat Payは、中国に頻繁に旅行する人々から大変好評を得ている。ただ、銀行業界でキャリアを築き、現在、ビットコインで生計を立てている筆者は、中央集権型決済システムのプライバシー面での制約もよく認識している。

世界各国の大手業者が現在運営している多様なモバイル決済システムは細部が異なる。購入した商品やサービスから購入した場所と日時まで、運営業者が消費者に関してほぼすべてを把握しているケースがある。こうしたデータは恐らく消費者に関して入手した他のすべてのデータとリンクさせることができる。

同時に、西欧諸国政府が、気の向くままに、消費者の個人情報を引き渡すよう企業に圧力をかけてきたケースもある。当然、企業はこうした要請に従う傾向にある。民間セクターの決済ネットワークやクラウドファンディングプラットフォームでも、問題のある考えや発言との関連性が深すぎるため、あるいはトラブルメーカーであるという理由で特定の人を排除するケースが発生している。これらすべてが必ずしも不当であるとは限らないが、不当であるかどうかを判断するのは、運営元自身である。

さらに、財政的な面からこの行く末を考えると、中央銀行や政府は、突然、または段階を追って企業の財政機能についてより実践的な方法で指示し始める可能性がある。例えば、商業銀行や大手ソーシャルメディア企業を代理人に任命し、決済ネットワークの中心点として、電子マネーシステムに参加し、処理手数料を稼ぐ権限を付与する方法が考えられる。

重要なのは、決済ネットワークのルールはコードを介して即時かつ完璧に強制可能である点だ。非効率で不正を犯しがちな人間がシステムに参加できる唯一の場所は、ネットワークの頂点である。ここでは、当局者がクレジットを直接利用者に発行し、各トランザクションを即座に課税し、ネットワーク加入者審査を行う。理論上、消費者の財政はこのように規律されることが可能である。

 

ここで、救世主ビットコインが登場

上述した金融システムはブロックチェーンに類似するネットワーク上で展開される場合もされない場合もあるが、誤解しないで欲しいのは、中央集権化(トップダウン)され、検閲の対象となる(中央集権化勢力と対立した場合、使用を禁止され得る)という点である。

対照的にビットコインはピアツーピアの分散型であり、耐検閲性がある。ビットコインは自主的な独立した私利に基づく参加者によるネットワークを通じて運営されている。参加者は何らの便宜も許可も要求せず、数ベーシスポイントのトランザクション手数料が他人から求め、受領を許可される唯一の対価である。ビットコインウォレットの公開アドレスとトランザクション履歴は全員に表示されるものの、個人の身元を特定する情報はトランザクションに一切含まれない。

つまり、ビットコインやその類似物は、社会が理想とする電子マネーのプライベート形態である。そしてプライバシーはうまく機能している社会の重要な構成要素である。道義的そして心理的理由から、市民は自分の生活に関する特定の情報を内密に保つ能力を重視する。

要約すれば、物理的現金は長期にわたりプライバシーに関して最適な貨幣形態となってきた。ところが、電子マネーは効率性と透明性に優れていることから、各国政府は次々と物理的現金を徐々に時代遅れにしていくものと見込まれる。消費者が考えるより早い時点で、プライバシーあるいは他の要因で現金は選択肢にならなくなるだろう。 一方で、ビットコインは、現金が駆逐された暁には、内密に価値を保持し移転できる特質から、民間市民からその内包する価値により高く評価されるようになると予想される。

 

全般的楽観論の根拠

ビットコインはまだ実験の初段階にあるが、運用開始から10年を経て、ビットコインのプロトコルはハッキングされていない。ソフトウェアの歴史上、実質的に最大の「バグ報奨金」を提示しているにもかかわらずだ。ビットコインは、まったく無関係の民間人が共通の目標に向かって協力するという素晴らしい成果物である。

参加者が代替的貨幣システムを共同でいかに構築してきたかを考えると、個々による分散的な共同の取り組みを通じて国際社会の他の側面において改善できることに対して大いに楽観している。

しかも、多様な中央集権的力が集結されている現在の状況下でそう断言するのである。 

人類の分岐型マネーの未来は、過去の独占的貨幣より明るいだろう。利便性の高いマネーもあれば、プライバシーが顕著に強化されているマネーもあるからである。

2018年12月27日の事後検証につきまして

12月27日 18:38 UTC(日本時間12月28日03:38)、BitMEXにおいて約1分間に渡り軽微な停止が発生し、この間取引エンジンが利用不能となりました。

この間、Websocket APIにてマーケットデータのアップデートがなされませんでした。

さらに、REST APIにおいて取引に関するデータのクエリ(read-only HTTP GETリクエスト、注文マネジメントリクエストではない)が18:13 UTCから18:36 UTC(日本時間28日 03:13から03:36)の23分間に渡り、通常よりも時間がかかる事象が発生いたしました。

これら両方の事象の根本原因は突き止められており、現在再発を防ぐための修正がなされております。進捗がありましたらお知らせいたします。

ご不便をおかけしまして申し訳ございません。もしご質問などございましたら、カスタマーサポートまでお寄せください。

条件付き注文の終了につきまして

当社のAPIおよび取引システムをシンプルにする取組みの一環といたしまして、以下の注文タイプは2018年11月10日(土)12:00 UTC(日本時間同日21:00)をもちましてサポートが終了となります。

  • OCOOne Cancels the Other
  • OTOOne Triggers the Other
  • OUOAOne Updates the Other Absolute
  • OUOPOne Updates the Other Proportional

上記の時間以降に条件タイプ(contingencyType部分に入力のある注文は拒否されます。さらに、この時間以降にオープンな条件付き注文もキャンセルとなりますのでご了承ください。今後、これらの注文タイプを用いたトレーディングストラテジーは、今回の変更を適切に反映したものになるようご確認をお願い致します。

BitMEX Altcoin / Bitcoin 先物契約インデックスの変更について

2018926 12:00 UTC (日本時間 26 21:00より、12月満期となるAltcoin / Bitcoin 先物契約インデックスは、基礎となる基準価格の安定性をより高めるため、BinanceとKraken(可能なもの)の終値が採用されます。9月満期とするAltcoin / Bitcoin先物契約につきましては、満期まで現在のインデックスが継続されます。

対象となる契約

ADAZ18

BCHZ18

EOSZ18

ETHZ18

LTCZ18

XRPZ18

対象となる契約のインデックス構成

.BADAXBT  (0.5 * Bittrex + 0.5 * Binance)

.BBCHXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BEOSXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BETHXBT  (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BLTCXBT   (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

.BXRPXBT   (⅓ * Poloniex + ⅓ * Kraken + ⅓ * Binance)

アップサイド&ダウンサイド利益契約の行使価格の変更

6月8日(金)日本時間 21:00をもちまして、110%の行使価格であるアップサイド利益契約 XBT7D_U110、および90%の行使価格のダウンサイド利益契約 XBT7D_D90 は上場廃止がなされます。そして次の新契約が上場します:105%の行使価格であるアップサイド利益契約 XBT7D_U105、および95%の行使価格のダウンサイド利益契約 XBT7D_D95

2018年5月17日のサービス一時停止について

2018年5月17日、本日BitMEXの取引エンジンにおいて、これまでに前例がなく、また予測できないいくつかの問題が発生し、一日を通して注文の遅れとサービスの停止を生じさせました。

同日世界標準時10:00頃、メインの取引エンジンハードウェアに取り付けられているディスクのパフォーマンスが、急激に低下しました。これによりフィードへのアーカイブや、再掲載に遅れが生じ、これが重大な後方圧力となりました。ディスクの入力/出力オペレーションは、期待値の1/20ほどになりました。

BitMEXは予備のドライブも運用していますが、今回のケースでは、両方においてパフォーマンスの低下が同時に生じました。我々はこれらを交換するためにメンテナンスによるサービス停止時間を持つことを余儀なくされました。残念なことに、後方圧力は我々の予想を数段上回る速さで積み上がったため、我々は予定を早めました。

この問題によりデータの信頼性が失われたということはありません、しかし、マシンを通常のパフォーマンスに戻すために、予想よりも長い時間が費やされました。

これが完了した後、我々は取引を再開しました。残念なことに、別の問題がデータ保存の最中に発生しました。再インデックスと希少リクエストパターン領域において、特定のデータで予期しないインデックスの再生成とシンボルの再有効化が発生したためです。これが新たな後方圧力につながり、再度同様の症状を発生させました。

我々は上記の問題に対し、複数の原因を突き止め改善しました。現在取引エンジンチームは一日中、注意深くエンジンのパフォーマンスを観察しており、同時にこの減速の根本原因を調査しています。