アップサイド&ダウンサイド利益契約の行使価格の変更

6月8日(金)日本時間 21:00をもちまして、110%の行使価格であるアップサイド利益契約 XBT7D_U110、および90%の行使価格のダウンサイド利益契約 XBT7D_D90 は上場廃止がなされます。そして次の新契約が上場します:105%の行使価格であるアップサイド利益契約 XBT7D_U105、および95%の行使価格のダウンサイド利益契約 XBT7D_D95

2018年5月17日のサービス一時停止について

2018年5月17日、本日BitMEXの取引エンジンにおいて、これまでに前例がなく、また予測できないいくつかの問題が発生し、一日を通して注文の遅れとサービスの停止を生じさせました。

同日世界標準時10:00頃、メインの取引エンジンハードウェアに取り付けられているディスクのパフォーマンスが、急激に低下しました。これによりフィードへのアーカイブや、再掲載に遅れが生じ、これが重大な後方圧力となりました。ディスクの入力/出力オペレーションは、期待値の1/20ほどになりました。

BitMEXは予備のドライブも運用していますが、今回のケースでは、両方においてパフォーマンスの低下が同時に生じました。我々はこれらを交換するためにメンテナンスによるサービス停止時間を持つことを余儀なくされました。残念なことに、後方圧力は我々の予想を数段上回る速さで積み上がったため、我々は予定を早めました。

この問題によりデータの信頼性が失われたということはありません、しかし、マシンを通常のパフォーマンスに戻すために、予想よりも長い時間が費やされました。

これが完了した後、我々は取引を再開しました。残念なことに、別の問題がデータ保存の最中に発生しました。再インデックスと希少リクエストパターン領域において、特定のデータで予期しないインデックスの再生成とシンボルの再有効化が発生したためです。これが新たな後方圧力につながり、再度同様の症状を発生させました。

我々は上記の問題に対し、複数の原因を突き止め改善しました。現在取引エンジンチームは一日中、注意深くエンジンのパフォーマンスを観察しており、同時にこの減速の根本原因を調査しています。

負荷制限と「クローズ」execInst

高負荷時、一部のAPIユーザーがある方向に注文を出し続けるために、Close execInstを使用していることに我々は気がつきました。我々は、このような目的でクローズ注文を負荷制限から除外したのではありません  フロントエンドユーザーが、ポジションを完全にクローズすることを可能にするのが本来の目的でした。

今後、高負荷時のCloseオーダーは、数量を含む場合はキャンセルの対象になります。ポジション全体をクローズしたい場合は、 orderQty を入力しないようお願いします。クローズ注文とともにこの欄が空欄である場合、全ポジションだと解釈されます。

ポジションエンドポイントにおける負荷制限の変更について

2018年2月26日より、次のエンドポイントは負荷制限(load-shedding )の対象となっておりますので、ご了承をお願いいたします。

  • POST /position/leverage
  • POST /position/isolate
  • POST /position/transfer
  • POST /position/riskLimit

オーダーのキャンセルとポジションテーブルのクローズボタン(close execInst)は引き続き負荷制限から除外されます。

当社はこれらの機能において短期間に数多くのパフォーマンス改善を行っておりますが、問題を未然に防ぐために、これらを一時的に制限しなければならないことをご了承ください。

2段階認証の設定を徹底してください

今週BitMEXでは、複数のサイトで同一のパスワードを使用していたことを原因とする、アカウント乗っ取りが通常よりも多く発生いたしました。これは、ウェブサービスやEメールのいずれかのパスワードが危険に晒された場合に、BitMEXアカウントが重大な危険に晒されるということになります。 BitMEXのアカウントには細心の注意を払い、安全のため次のステップに従ってください:

  • パスワード管理サービスによる強く、ランダムなパスワードを使用する。
  • 複数サイトで同一パスワードを使用しない。
  • 常にBitMEXアカウントとメールアカウント両方に対し2段階認証を設定する。
  • もしアカウントにログインできなくなった場合、サポートに連絡してください。その場合は管理者からすでにメールが送られている可能性があります。

最近のETH清算に関するお知らせ

2018年4月15日2時22分UTC(日本時間同日午前11時22分)、Poloniex取引所のETHBTC価格は、0.063から0.052まで約18%急落しました。Poloniexでの価格は、ETHM18の基となるインデックス価格(.ETHXBT30M)の100%の参照価格として使用されています。

仮想通貨取引は価格の変動が大きく、非常にリスクの大きいものです。このような動きが予期しないもので、また好ましくない中、BitMEXでの価格は現物市場での価格を正確に反映しており、今回の価格変動においても同様です。BitMEXのシステムは設計通りかつ仕様通りに機能しているため、清算により生じた損失は返金の対象にはなりません。

インデックス価格の安定性は、当社にとって重要です。BitMEXは、現行のインデックスの構成に対して、調整が必要であるかどうかを引き続き評価していきます。仮想通貨の現物市場の流動性は常に変化しており、四半期型の先物契約の間も大きく変化する可能性があります。Poloniexは、ETHBTC (注:ETHUSDではありません) の流動性が世界で最も高い市場の一つですが、このような予期しない動きは、当社内において現行条件の再度見直しの必要性を喚起しました。

インデックス価格は、BitMEXの先物商品のマーク価格算出のために使用されています。このマーク価格は、清算の基となる証拠金の計算に用いられます。詳しい情報は、こちらをご参照下さい。

ビットコインの価格相関性:S&P 500 に対し過去最高レベルに

この記事は、2018年3月28日にBITMEX リサーチによりアップロードされた記事の日本語訳です。

 

抜粋:ビットコインといくつかの従来型金融資産との価格相関性を2012年以降考察し、過去数か月の株式との相関性が過去最高に達したことに気づいた。ただし、絶対値としては比較的低水準にとどまっている。結論として、「相関性のない新しい資産クラス」という仮想通貨投資理論にはある程度分があるものの、エコシステムが拡大した場合、相関性は増す可能性があると言える。株式との現在の相関性を踏まえ、金融危機が発生した場合、一部の予想に反し、ビットコインは相場下支え要因とならない可能性がある。

概要

当社は、2012年以降のビットコインおよび多様な従来型金融資産180日移動平均価格を取り上げ、その変動率の相関性を考察した。以下の表が示すとおり、相関性は、-0.2~+0.2のレンジから大きく乖離することはなかった。これは比較的低水準である。

多様な従来型資産とビットコイン価格との相関性 – 180日移動平均価格(日足)の変動率。(出典:BitMEX リサーチ、Bloomberg、Bitstamp)

ビットコインと S&P 500 および金の比較

S&P 500 指数と金のみに焦点を当てると、ビットコインは複数期間で相関性を持つように見受けられた。

  • 当時、評論家からキプロス金融危機が一因に挙げられた2013年3月におけるビットコインの上昇局面では、ビットコイン価格と金価格の相関率が高まり、2014年1月にビットコイン価格が急落するまで、高いレベルに留まった。
  • 2016年12月のビットコイン上昇局面では、金価格との相関関係は再びやや強くなり、金とビットコインのいずれの相場も好調な年となった。この理由として、基礎的経済状況や政情不安定(中国の景気減速、英国のEU離脱、トランプ大統領の選出)という共通の要因が同年における両資産の価格変動に寄与した可能性が挙げられる。
  • 先頃のビットコインの買い相場はやや様相が違った。ビットコイン価格と株価との相関関係が過去最高(約0.25)に達したのである。ビットコインはこの相場で若干「リスク選好」性を帯びたように当社には思われる。投資に利用できる流動性の増加と新テクノロジーに対する熱気が株式とビットコインの価格変動をある程度加速した可能性がある。したがって、金融破綻や株式市場の急落時にビットコインが逃避先となる可能性(従来、ビットコインの強みの1つと考えられていた)は遠のいた模様だ。さらに、ここ最近、金との価格相関性は若干マイナス傾向にある。

S&P 500 指数および金に対するビットコイン価格の相関性 – 180日移動平均価格(日足)の変動率。(出典:BitMEX リサーチ、Bloomberg、Bitstamp)

統計的有意

ビットコインと他の資産の決定係数は低く、最近の上昇局面で S&P 500 に対して付けたわずか 6.1%が最高である。さらに、効果的な方法を用いても、ビットコインと従来型資産との価格変動(日足)の相関関係における統計的有意を証明できていない。したがって、この記事は科学的には推測に留まる。

S&P 500 指数および金に対するビットコインの決定係数 – 180日移動平均価格(日足)の変動率。(出典:BitMEX リサーチ、Bloomberg、Bitstamp)

最近の価格変動

効果的な統計手法に基づいても、データ点の数が限定的などの要因で結論を下すのは難しいが、過去数か月におけるビットコインと S&P 500 の比較チャートでは、完全に無視できない強い相関関係が示されている。

ビットコイン価格と S&P 500 指数との比較。(出典:BitMEX リサーチ、Bloomberg)

実際、Bloomberg が以下のグラフで指摘したように、ビットコイン価格のピークは、S&P 500 の将来収益バリュエーションレシオのピークと一致した。この比較には疑わしい点がある。株価が天井に達したのは1月末(ビットコインは12月末)であり、2018年度の収益予想は2017年末に上方修正されたためである。

S&P 500 指数の予想 P/E レシオとビットコイン価格の比較。(出典:Bloomberg)

イーサリアムとライトコイン

当社は、イーサリアムおよびライトコインとビットコイン価格の変動(日足移動平均)も考察した。これらコインとビットコインとの価格の相関関係は、明らかに従来型資産よりはるかに強く、統計的に有意である。2017年の大規模な仮想通貨買い相場において、ビットコインとの価格相関性は0.1まで急減した。アルトコインがビットコインに対して取引され、独立的動きを示したためである。2018年に価格調整が始まってからは、仮想通貨が同様の動きを示す中、価格相関性は上昇し始めた。

  • ライトコイン — 相関性は高い傾向にあり、0.5 前後を推移している。2015年には、ライトコインの価格変動が乏しく、0.2 近辺まで落ち込んだ。
  • イーサリアム — イーサリアムは発行当初、比較的小規模で、発行にまつわる不透明感、創業チームへの資金提供モデルなど固有のリスクにさらされていた。そのため、ビットコインとの価格相関性は低水準に留まっていたが、やがてライトコインと同様のレベルに達した。

イーサリアムおよびライトコインに対するビットコイン価格の相関性 – 180日移動平均価格(日足)の変動率。(出典:BitMEX リサーチ、Bloomberg、Bitstamp)

結論

仮想通貨擁護派は、仮想通貨とは「相関性のない新たな資産クラス」であり、従来型資産のポートフォリオマネージャーにとってヘッジ手段となると主張する。これが事実であれば、ポートフォリオでの仮想通貨比率を高めるものと予想されるため、価格の上昇要因となり得る。
過去、ビットコインは一貫してそれほど価格相関性のない資産クラスであったように見受けられる。ただ、時価数千億ドル規模に押し上げた最近の上昇局面では、相関性は上昇し始めている(しかもリスク選好資産に対して)。
従来型資産と相関しないという仮想通貨仮説にはある程度もあるが、仮想通貨価格が高止まるか続伸し、世界金融システムに重要な位置を占めるようになれば、従来型資産と相関し始めるのは避けられないであろう。
仮想通貨が「新たな」資産クラスであるか、それが重要であるかは別の問題である。単に新しいというだけで重要性があるかは疑わしい。より重要なのは、仮想通貨が独自要素を提供するかどうかの方が重要であろう。

ビットコインブロックの略図:非公開型対公開型 AsicBoost

この記事は、2018年3月1日にBitMEXリサーチによりアップロードされた記事の日本語訳です。

 

抜粋:今回のブログでは、マークルツリーなどを用いてビットコインブロックを図説します。また、Segregated Witness(通称「SegWit」)のアップグレードに関連して、追加のマークルツリーが必要な理由も説明します。次に、公開型と非公開型 AsicBoost のいくつかの潜在的欠点に焦点を当て、この点に関する 2017 年 9 月のブログ記事を補完します。特許所有者からの最近の発表を受け、新しいブロックチェーン防御的特許ライセンス (BDPL) スキームは、堅牢である場合、ネットワークで公開型 AsicBoost を使用する欠点を限定する可能性があります。その一方で、効率性に劣る非公開型 AsicBoost では、いくつかの問題がなお残ります。

 

上記は、ビットコインブロック構造とその中に含まれるマークルツリーの略図です。より詳細な図が ジェレミー・ルービン氏  ティモ・ハンケ氏によって作成されています。(出典:BitMEX リサーチ

図の構成要素

ブロックヘッダ 

ビットコインブロックのヘッダ(グレー)は約 80 バイトで、バージョン、前のブロックのハッシュ、マークルルート、タイムスタンプ、ビット(難易度)、ナンスを含んでいます。

ブロックヘッダ候補

これにはナンスを除く上記の要素すべてが含まれます。

チャンク

上図では、マークルルートは 2 つのチャンクに分かれています。これは、ビットコインの SHA256 プルーフオブワーク機能を実行するために必要です。この点に関する説明は、AsicBoost に関する過去の ブログ記事 をお読みください。

2 番目のマークルツリー

SegWit のアップグレードでは、新しいマークルツリーが導入されました。このツリーは、メインのマークルツリーと同じ構造を持ちますが、検証データ(witness)を含み、コインベーストランザクションは含みません。各トランザクションの相対的位置は、メインのマークルツリーと同じである必要があります。

2 番目のマークルツリーが必要な理由

2 番目のマークルツリーによって複雑さは増し、これを欠点と考える人もいます。SegWit は、ビットコインをアップグレードしたものであり、シグハッシュ操作の二次的拡張やトランザクション展性といったバグが修正されています。検証データは、古いノードがハードフォークとなるトランザクションを無効とみなすため、メインのマークルツリーには追加できません。

ただし、SegWit をソフトフォーク型でなくハードフォーク型のアップグレードにすれば、マークルツリーを加えずに済むわけではありません。メインのマークルツリーに検証データを含めてハードフォーク状態にすると、既存のウォレットは、新しいトランザクションフォーマットを無効とみなすことになります。また、こうしたウォレットはノードを完全に検証するかどうかにかかわらず、新しいトランザクションフォーマットに対応しません。その結果、一部のユーザーは他のユーザーと接触できず、資金は紛失したように見える可能性があります。このタイプのアップグレードは、ビットコインなどのライブネットワークでは大規模な中断が避けられません。そのため、SegWit のアップグレードがハードフォークであっても、2 番目のマークルツリーで増す複雑さを受け入れる必要があります。

AsicBoost

AsicBoost に関する過去の ブログ記事で説明したように、非公開型 AsicBoost には、マークルツリーの直前 4 バイトの衝突(コリジョン)を見つける作業が伴い、ハッシュアルゴリズムがマークルルートを 2 つのチャンクに分ける特性を利用します。非公開型 AsicBoost ではトランザクションが無秩序となります。これは公開型 AsicBoost には見られない欠点です。非公開型 AsicBoost は、ブロックがずっと小型で検知可能な場合を除き、2 番目のマークルツリーによって、より難解になる可能性があります。

AsicBoost の潜在的問題

  非公開型 AsicBoost 公開型 AsicBoost

特許保護

AsicBoost のこの潜在的欠点は非公開型と公開型の用法のタイプに当てはまります。AsicBoost は特許技術であり、特許に関する過去のブログ記事で説明したように、ブロックチェーン界で、特に有害となる恐れがあります。この点は AsicBoost の最大の欠点となりかねません。採掘企業 1 社に競走上、挽回不能な優位を与えることになるためで、法的制約により埋めることができない格差につながり、ビットコインの中核的価値提案を台無しにしかねません。特許問題が深刻化すれば、ビットコインコミュニティはソフトフォークを実施して、AsicBoost を遮断する可能性があります。

この問題の軽減策として、特許所有者は、防御的特許誓約を作成して、特許を公開することができます。AsicBoost の特許所有者は、最近そうした誓約をした可能性が指摘されています。誓約が十分堅牢であると証明されれば、少なくとも特許が適用される地域において、この問題はしばらく収まるでしょう。

小型ブロックと低キャパシティ

非公開型 AsicBoost は、その効率性を高めるためにブロックの小型化あるいは空洞化が進む誘引となり得ます。小型化や空洞化すると、ネットワークキャパシティは小さくなり、トランザクション手数料が増加します。

小型/空洞ブロックは、キャパシティに不利な影響を及ぼします。ネットワーク維持は困難なままである反面、こうしたブロックはトランザクションのバックログに大きく寄与しないためです。

該当なし

SegWit へのアップグレードに消極的で、その理由が不誠実である可能性

AsicBoost にとって最もダメージの大きい欠点として、一部の採掘業者が SegWit へのアップグレードに消極的となる要因であることが挙げられます。これ自体、それほど不利な要因でないかもしれませんが、SegWit に関して不誠実で敵対的な情報操作が展開されると、エコシステムに多大な損害をもたらす可能性があります。

ただ、これは単なる推測からなる根拠のない非難であり、SegWit 反対の誘引であるかどうかは不明であることを指摘しておきます。

該当なし

マークルツリーやトランザクションの調整能力への依存

上図で示すとおり、非公開型 AsicBoost は、採掘業者のマークルツリーやトランザクションの調整能力に依存しています。この事実は、小型ブロック意外のネットワークに有害な影響を及ぼす可能性があります。公開型 AsicBoost は、変更が必要なのがブロックヘッダのフィールドのみであるため、より明白な解決策のように思われます。

該当なし

機密面で競争上優位

非公開型 AsicBoost は検知不能であるため、既知の優位と比較して、情報の機密性で一部採掘業者に競争上の有利をもたらす可能性があります。

透明性は一般的にプラスの要素であると考えられますが、非公開型 AsicBoost が動作するネットワークが、この表の他の部分で掲げる欠点に加え、機密性の点でも直接不利益を被るかどうかは明確ではありません。

該当なし

ビットコイン・コアのバージョン信号発信機能と警告メッセージを介したソフトフォーク型アップグレードの実施能力低下

n/a

公開型 AsicBoost では、上図の左上にあるバージョンフィールドを使用します。このフィールドは、採掘業者がソフトフォーク型のアップグレードの準備ができていることを示す信号として使用されています。公開型 AsicBoost では、このフィールドでスペースを使用すると、アップグレード信号システムとして使用できなくなる場合があります。

ただし:

  1. 公開型 AsicBoost はすべての 4 バイトを必要としない可能性があるため、ソフトフォークの信号発信のために一部のバイトを残すことができます。これにより、同時に実行可能なソフトフォークの数を減らすことができます。
  2. ソフトフォークの信号発信システムは、いずれにしても失敗であるという見方が大勢を占めています。採掘業者は矛盾する信号を同時に発信することがよくあり、信号方式の信頼性を損なっています。

公開型 AsicBoost のもう 1 つの欠点は、ビットコイン・コアソフトウェアが異常なバージョンフィールドを見て、ネットワークが不明の方法でアップグレードしていると考え、その結果、ユーザーに警告メッセージを発する点です。

当社は、AsicBoost が必ずしもネットワークにとって不利だとは考えていません。非公開型 AsicBoost はブロックの小型化を促すという問題を抱えていますが、公開型 AsicBoost に関連する問題の大半は軽減できます。特に、BDPLシステムが堅牢と証明された場合、現時点で予測可能な範囲では、公開型 AsicBoost の使用による重大なマイナス要素は見当たりません。

Tether

この記事は、2018年2月18日にBitMEXリサーチによりアップロードされた記事の日本語訳です。

 

抜粋:テザー(Tether)は、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを基盤とする仮想通貨で、その価値は、中央管理される米ドル準備金によって米ドルと連動します。テザーを巡る懐疑論があり、システムの裏付けとなる準備金が不十分と非難されています。こうしたテザー懐疑論の大半は論点の焦点がずれているとBitMEXは考えています。当社は、プエルトリコの銀行制度へのテザーの影響を明示する証拠となりそうなものを公表財務データで発見しており、規制関連の問題に直面する可能性(あるいは既に直面?)が、テザーの保有者にとって長期的に大きな懸念材料になると考えています。

テザーについて

テザーは、米ドルなどのFiat(法定)通貨をビットコイン(およびイーサリアム)のブロックチェーンで使用できるスキームです。以下は、テザーの ホワイトペーパー でのテザーについての説明の抜粋です。

デジタル通貨を法定通貨で裏付けることで、個人や機関投資家は、堅牢な分散管理型方式のメリットを得つつ、馴染みのある会計単位を使用することができます。ブロックチェーンの革新性は、監査可能で、暗号によって保護される世界的レジャー(台帳)にあります。資産担保通貨の発行企業をはじめとする市場参加者は、ブロックチェーン技術および組み込まれたコンセンサス(合意形成)システムを活用して、馴染みのある、比較的変動の小さい通貨や資産で取引できます。説明責任を維持し、交換価格を安定させるために、我々は、仮想通貨「テザー」と関連のある実在資産「法定通貨」との間の準備比率を 1:1 に保つ方式を提案しています。この方式では、ビットコインのブロックチェーン、準備金証明、その他の監査方法を用い

て、懸案通貨が完全に担保され、準備金が常備されていると証明します。

つまり、テザー通貨は、 ビットコイン と イーサリアム のブロックチェーンに存在しており、その割合はそれぞれ、約 97%、3% となっています。ビットコインでは、テザー通貨は 実在通貨 同様に存在し、 Omni Layer を使用しています。Omni Layer のプロトコルでは、ビットコインの余剰取引データ(テザーの作成や移転など)から追加的意味を解釈します。

テザーは主に金融投機に使用されている模様で、多くの取引所で、ビットコインなどの仮想通貨を相手資産とするテザーの売買を認めています。テザーの現在の発行高は約 22 億(22 億米ドルに相当)となっています。以下のチャートで示されるように、テザー保有者の約 85% は身元が特定されており、仮想通貨取引所の最大手クラスが上位保有者に名を連ねています。こうした大口保有者がテザーを直接米ドルに換金できる何らかの仕組みがある可能性が高く、そうした仕組みについてこのレポートで後ほど推察します。

20182月時点のテザー所有者、単位:百万米ドル。(出典:Tether rich list Tether transparency report)

テザーのハッキング

テザーの金庫ウォレットは 2017 年 11 月に ハッキングされた疑いがあります。盗難額は 3,100 万米ドルで、外部ビットコインアドレスに送金され、そこで 凍結状態のままになっています。11 月 21 日、テザーは OmniCore の フォーク済みクライアント をリリースしました。この Omni Layer の実質的なハードフォークにより、盗難資金は凍結されました。テザー社は現物の米ドルでテザー通貨を担保していますが、その選択した側のフォークのトークンのみを担保するのは明らかであるため、テザーの利用者はアップグレードせざるを得ませんでした。以下はテザー社の主張です。

すべてのテザーのインテグレーターに、このソフトウェアを即刻インストールすることを強くお願いします。

ハッキング事件を受け、テザー社がハードフォークを独断で強行し、トランザクションを振り戻すことができたことから、レジャーが実質的にテザーの完全支配下にあることが実証されました(ただ、それ以前のテザー社の支配について何ら疑うべき点はなかったかもしれませんが)。これにより、テザー社がビットコインやイーサリアムのブロックチェーンにデータベースをわざわざ構える理由が問われ始めました。採掘業者に手数料を支払わずに、自前の公開データベースを作成した方が、テザー社にとってはるかにコスト安です。テザー社は資金を凍結し、その状態を保つことはできたものの、そのプロセスは、新しいソフトウェアプログラムを記述、リリースし、すべてのテザー取引所にアップデートを求める必要があり、高度な技術と多くの時間を必要とします。

テザーの支配者とは?

テザー社の「About us」ページが 2017年 12 月 5 日 ~2017 年 12 月 7 日の間だけ表示され、テザー社の経営陣は Bitfinex 取引所と同じであると判明しました(以下に図説)。これは、テザー社が米商品先物取引委員会から召喚状を受領したとされる時期(2017 年 12 月 6 日)とほぼ同じです。それ以前に、テザー社は経営陣を少なくとも Web サイトでは開示していませんでしたが、テザー社の背後には Bitfinex がいると広く考えられていました。開示のタイミングから見て、召喚状がきっかけで透明性を高めた可能性が浮上します。

Bitfinex 幹部チーム テザー社経営陣
JL van der Velde (CEO) JL van der Velde (CEO)
Giancarlo Devasini (CFO) Giancarlo Devasini (CFO)
Philip Potter (CSO) Philip Potter (CSO)
Stuart Hoegner (ゼネラルカウンセル) Stuart Hoegner (ゼネラルカウンセル)
Matthew Tremblay (最高コンプライアンス責任者) Matthew Tremblay (最高コンプライアンス責任者)
Paolo Ardoino (CTO)
Chris Ellis (コミュニティマネージャー)

テザー社と Bitfinex の経営陣はほぼ同じ。(出典:Tether Bitfinex)

2017 年 11 月発行の「The Paradise Papers」によると、Bitfinex の CFO と CSO は、それぞれテザー社の所有者および取締役です。テザー社と Bitfinex のつながりについては、テザー社の Web サイトでの完全開示前にも若干、疑われていました。

テザー社経営陣と所有者。(出典:Paradise Papers)

Bitfinex はテザー社を支配していないと、テザー社が過去に示唆したことがあると考える人もいます。たとえば、テザー社の創業者兼顧問、Craig Sellars 氏は、Bitfinex の元 CTO でもあるのですが、2017 年の春にReddit について 以下のように述べています。

Bitfinex はテザー社の 顧客 です。Bitfinex がもっと米ドルを必要とするなら、他のテザー社の顧客と同じように、テザー社にリクエストします。テザー社は米ドルが出回るのを待ち、出てきたら、必要なテザーを作成して、Bitfinex に提供します。

この発言は、多様な解釈が可能ですが、Bitfinex はテザー社を支配していないと明示するものでないのは確かです。上記の発言の 1 か月前のこちらの 発言の中で、Sellars 氏は、自分と Bitfinex CSO の Phil Potter 氏がテザー社の改善方法を話し合っていたことを明言しています。Sellars 氏は、テザー社と Bitfinex への同時関与についても、公表しており、LinkedIn プロフィールに以下を明示しています。

  • 2014 年 4 月から現在まで:テザー社創業者兼顧問
  • 2015 年 1 月~2016 年 5 月:Bitfinex CTO
  • 2014 年 4 月~2016 年 5 月:テザー社創業者兼 CTO

一部の人が主張するように、テザー社が Bitfinex への関与について大衆を欺いたという証拠があると、当社は考えていません。

テザーの監査

テザー社ホームページ には以下の記述があります。

当社の準備金保有高は毎日公表され、専門家による度重なる監査の対象となります。

会計事務所 Friedman LLP (FLLP) は、2017 年 9 月に報告書を公表し、テザー社が保有することになっていた米ドル残高を確認しました。報告書には、2017 年 9 月 15 日時点で、テザー社名義の銀行口座残高が 382,064,782 ドルであったと記載されています。

ただし、報告書には銀行名の開示がなく、銀行の営業国にも触れていません。さらに、報告書には、以下の記載もあります。

FLLP は、上記銀行口座の条件を評価しておらず、当該クライアントが口座から資金にアクセスできるか、または資金がテザートークンの換金以外の目的に確保されているかどうかについて表明しません。

2018 年 1 月、テザー社は FLLP との関係を終了し、以下の説明メールを出しています。

当社は、Friedman との関係を解消したことを認めます。  比較的単純なテザー社のバランスシートに対して、Friedman がとったきわめて周到な手順を考慮すると、監査を適当な期限内に完了できないことは明確です。テザー社は、こうしたプロセスを経験し、一定レベルの透明性を追求する業界初の企業であるため、プロセスの指針となる前例も、成否を測る指標も存在しません。

上記の声明から、透明性の欠如と監査プロセスの不備、あるいは少なくともテザー社 Web サイトの約束との不整合がうかがえます。これが仮想通貨界の憶測の原因となった可能性があります。例として、テザーは 投資詐欺であるという 主張 が挙げられます。

透明性の欠如=不正とは限らず

テザー社は利用者が米ドルを送金・受領できるようにしています。トランザクションは簡単に阻止できず、利用者は許可を必要としません。ただし、トランザクションを阻止するためにテザー社がすべての利用者に新規クライアントへのアップグレードを求める場合を例外とします。3,100 万ドルのハッキング事件後に生じたこのプロセスは手間がかかります。

テザー社は、トランザクションの作成や受領時に、利用者にある程度の匿名性を認める可能性もあります。その特徴は、ビットコイン同様、犯罪者を魅了する恐れがあります。取引所など、テザーの発行・換金能力を持つ者は、承認と身元確認プロセスを通過する必要がありますが、個人ユーザーは公開/秘密鍵ペアの作成のみでテザーを使用でき、この点もビットコインと共通しています。

規制当局は、こうした点を好ましく思っていない可能性があり、銀行は懐疑心を持ってテザーを捉える可能性があります。テザーの担保に必要な米ドル準備金を保有するため、テザー社も銀行を利用する必要があります。多くの銀行は、テザー社に対して慎重な態度を取る可能性があり、テザー社を顧客として受け入れることは、マネーロンダリング防止用規則など銀行のコンプライアンス手続きに違反する可能性があります。

つまり、テザー社は問題に直面する可能性があります。テザー社が準備銀行からテザーを操作する方法を隠そうとするか、コンプライアンス手続きが大半の大手金融機関のものほど厳格でない銀行をテザー社は見つける必要があるかもしれません。テザー社は、銀行との適切な関係を模索した可能性があり、しかるべきパートナーを見つける過程で、多数の法域の多数の銀行に口座を開設した可能性があります。米ドルの準備金不足というより、透明性の明らかな欠如が主な理由である可能性が高いと当社は考えています。基礎となる活動が規制当局の明確な認可を受けていないか、規制下にない場合、テザー社の株主の一部が期待する透明性を実現するのは金融部門では不可能かもしれません

Bitfinex 取引所は、先頃の仮想通貨バブル相場で 1 日あたり 100 万ドルの余剰収益を上げていた可能性があります(1日あたり取引高 100,000 BTC、手数料率 0.1%、価格 10,000 BTC と想定)。テザー社が問題を抱えていたとしても Bitfinex はシステムを救済する十分なリソースを所有している可能性があります。こうした資金力により、テザー懐疑派が主張する類の不正行為や投資詐欺を実行する誘引の一部は排除されることにもなります。

プエルトリコからの財務データ


 では、テザーがプエルトリコ(未編入の米国領)と何らかのつながりがあると取り沙汰されています。当社は、 公開財務データ を分析して、異常な活動や大幅な成長の印を探すことにしました。

International Financial Entities (IFE) 銀行部門で現金残高(および預かり金残高)が大幅に増えているのが目につきました。現金準備高のこうした急増はテザーに関連している可能性があります。また、仮想通貨エコシステムのテザー以外の領域に関連している可能性もあります。例えば、プエルトリコを 仮想通貨のユートピアとする計画があります。

以下のチャートでは、発行済みテザーの値とプエルトリコ IFE 銀行部門の預かり金残高を比較しています。相関性はまったく見当たらず、データから有力な結論は導き出せません。今後、この地域の規制当局のデータがどのように推移するかが注目されます。

プエルトリコの IFE 合計預かり金残高とテザー残高の比較、単位:百万米ドル。(出典:IFE AccountsBitMEX リサーチ、Coinmarketcap)

合計現金残高は、それ自体急増しているだけでなく、以下で図示するとおり、総資産に占める割合も増加しています。

 プエルトリコの IFE 合計現金残高が総資産に占める割合。(出典:IFE AccountsBitMEX リサーチ)

このバランスシートは、一般的ではありません。通常、銀行は資産の大半を貸し付け、現金は少額のみ保有します。以下の表では、銀行バランスシートの簡略化した一般構造を示しています。

通常の銀行および準備金 100% の銀行のバランスシートの雛形。(出典:BitMEX リサーチ)

完全準備銀行のバランスシートは通常と異なり、財務アナリストであればマクロ経済データを見ても区別できるはずです。2017 年 9 月末時点で、プエルトリコの金融機関の同部門では総資産に占める現金比率が 70% 超まで上昇しました。この事実から、プエルトリコに完全準備銀行があり、その数は増えていることが読み取れます。

完全準備銀行

完全準備銀行(別名「準備金 100% 銀行」)とは、預かり金を貸し付けず、カストディ銀行または中央銀行に現金を現物でまたは預金として電子的に預かり資金の全額を維持する銀行を指します。完全準備銀行は、近代財務学における非主流概念で、オーストリア学派やリバタリアニズム(あるいはビットコイン型哲学)とよく関連付けられます。完全準備銀行制度では、金融システムが信用拡大の影響を受けにくくなると言われていますが、ビットコインも同様の効果を達成できると提唱されています。その主なメリットは、経済においてビジネスサイクルが発生しにくくなる可能性が指摘されています(このトピックについては、過去の ブログで説明しています)。

Noble Bank

プエルトリコの IFE 部門に属する全金融機関を考察したところ、完全準備銀行であると主張する銀行を 2 行特定しました。Euro Pacific International Bank および Noble Bank Internationalです。完全準備銀行は稀であるため、他にも存在する可能性は否定できないものの、その可能性はきわめて小さいと考えられます。

プエルトリコの登録 IFE リストから抜粋。Noble Bank BitMEX によって赤で囲まれています。(出典:Commissioner of Financial Insitutions of Puerto Rico)

Euro Pacific Bank の経営者はオーストリア人著名経済評論家のピーター・シフ氏です。同氏はビットコインに対して懐疑的立場をとっているため、シフ氏がテザー社のようなビットコイン関連企業に関与する可能性は低いと考えられます。

一方、Noble Bank は仮想通貨と関連があり、テザー社とかかわっている可能性があります。仮想通貨への Noble の関与の証拠としては、次の抜粋文書が挙げられます。2015 年に同行が送付した 規制当局宛ての書簡の以下の部分です。

Noble は、現物通貨、ビットコインおよびその他のデジタル通過の取引、清算、および決済業務の総合金融市場ネットワークを運営する予定です

Noble はまた、2015 年にナスダックとビットコイン関連の事業 提携 を結んでいます。プエルトリコにおける金融サービス業界のこの部門の急成長は、テザーの関与の有無を問わず、Noble Bank と仮想通貨に関連すると当社は推察します。

Noble Bank のジョン・ベッツ創業者兼 CEO は、2014 年に Sunlot Holdings がマウントゴックスのテイクオーバーと救済に 乗り出した 際にも、陰で糸を引いていました。Sunlot の 背後 には、テザー社 創業者 の 1 人であるブロック・ピアス氏がいました。

言うまでも無く、Noble Bank CEO とテザー社創業者の 1 人が過去に仕事上のつながりがあったことが、何らかの証明になるわけではありませんし、ブロックチェーンのエコシステムは狭い世界であるため、こうしたつながりはあり得ることです。Noble Bank がテザーの主要準備銀行であったとしても、Noble Bank が不適切な行為や違法行為に手を染めているという証拠にはならないことを強調しておきます。

インターネットサイト Medium への投稿記事で、Noble は「顧客に自前の信用プールを作成」可能にする方法を示し、このシステムの構造を以下の図で説明しています。

(出典:Medium)

上記モデルは、テザーの基本構造である可能性があり、テザーが米ドルで担保される仕組みとなり得ます。このモデルによると、テザーを担保する米ドルはプエルトリコの銀行制度に組み込まれていることが読み取れます。準備金は Noble のカストディ銀行であり、世界最大のカストディ銀行でもあるバンク・オブ・ニューヨーク・メロン銀行が保持しています。  真実であれば、テザーは投資詐欺ではないことになります。米ドルの準備金が存在し、当局に報告されており、準備金は比較的安全であると考えられるためです。ただ、このレポートで後述するように、長期的なテザー保有者を完全に安心させる要因ではありません。

事例研究

上述したとおり、テザーには次の特徴があります。

  • テザーの送金や受信に許可は不要。
  • トランザクションは容易に阻止できない。
  • テザー利用者はある程度匿名性を保つことができる。

こうした特徴により、テザーのシステムは、犯罪者やマネーロンダリング実行者にとって魅力的となる可能性があります。犯罪活動が蔓延するようになれば、当局はシステムの閉鎖を望むかもしれません。こうした事態は、以下の事例研究が示すとおり、過去、頻発しています。こうした事例研究の歴史について、このレポートで詳しく後述します。

リバティ・リザーブ (2006-2013)

リバティ・リザーブはコスタリカを拠点とする中央集中管理型のデジタル通貨サービスであり、インターネットから米ドル建て決済資金の送金と受領が可能でした。決済はメールアドレスを使って実行され、システム使用者の身元を特定する手順はありませんでした。2013 年、コスタリカ当局は、リバティ・リザーブを 閉鎖しました。  起訴の対象となっている 60 億米ドルの犯罪収益の浄化手段となっていることが理由に挙げられました。リバティ・リザーブの創業者は逮捕され、禁固刑を宣告されました。以下は、BBC による リバティ・リザーブの説明 です。

クレジットカード、郵便為替などの送金サービスを使って、リバティ・リザーブに現金を注入することが可能でした。注入後に、ユーロか米ドルに連動する同社固有通貨に「転換」されると、別の口座保有者に振り込み、その口座の保有者が資金を引き出せるようになります。

GoldAge (1999-2006)

リバティ・リバースの創業前、同じ創業者は GoldAge という金ベースの決済プラットフォームを運営していましたが、これも当局によって閉鎖されています。米司法省は、以下のとおりGoldAge を表現しています。

2002 年の営業開始以来、被告は、少なくとも 3,000 万ドルを世界中のデジタル通貨口座に転送した。デジタル通貨取引所、GoldAge がマネーロンダリングスキームの一環として、2006 年 1 月 1 日~2006 年 6 月 30 日の期間に受領・転送した額は 400 万ドルにのぼる。

e-Bullion (2001-2008)

e-Bullion は、中央集中管理型のインターネットベースの金決済システムでした。2008 年、同社の共同創業者が 殺害されました。その結果、米国政府は同社資産を没収し、システムは閉鎖されました。

DigiCash (1994-1998)

中央集中型の連動決済プラットフォームの中でも DigiCash ほど興味深いものはそうありません。デイビッド・ショーン氏が創立した、DigiCash は、システムに組み込まれた ブラインド署名を基盤とする強力な匿名性技術を有していました。プラットフォームは、モネロのような最新分散型無記名トークンと似ています。

DigiCash は、中央集中管理型でしたが、すべての情報が匿名であったため、処理者はトランザクションに関して詳しい情報が得られませんでした。そのため、トランザクション自体、ある意味、完全に検閲に耐えられる仕組みとなっていました。ところが、同社はやがて破綻し、1998年に破産を申請します。

検閲耐性には 2 つの側面があります。1 つめは、トランザクション自体を阻止できない側面。2 つめは、システム全体を容易に閉鎖できない側面です。1 つめの側面は、リング署名などの匿名ベースの技術を通じて、比較的簡単に達成されますが、2 つめの側面を実現するのはそれほど容易ではありません。

米国司法省は、インターネットベースの決済システムの閉鎖に関して、以下を含む 他の事例を公表 しています。

E-gold (1996-2007)

2007 年 4 月、ワシントン D.C.の連邦大陪審は、デジタル通貨事業の運営企業 2 社とその所有者を起訴しました。起訴されたのは、E-Gold Ltd., Gold、Silver Reserve, Inc.、およびそれぞれの所有者であり、訴因は、貨幣手段の洗浄の共謀、連邦法に基づく免許を取得せずに送金事業を運営したことによる無免許での送金事業運営の共謀、およびワシントン D.C. の法律に基づく免許なしでの送金でした。起訴状によると、代替決済システムの利用希望者に対して、E-Gold が必要としたのは、有効なメールアドレスの提供と、E-Gold 口座の開設のみで、他の連絡先情報は検証されませんでした。この起訴は、米シークレットサービスによる 2 年半の捜査の賜物であり、内国歳入庁(IRS)連邦捜査局(FBI)、州や地方のその他法執行機関などの捜査官の協力も得ました。ワシントン D.C. 担当のジェフリー A. テイラー連邦検事は次のように主張しています。「被告は高度かつ広範な海外送金事業を、世界中で何らの監督や規制も受けずに運営し、マウスをワンクリックするだけで匿名での資金移動を可能にしていた。当然、あらゆるタイプの犯罪者は、無法の資金移動場所として、 E-Gold に引き付けられていった。」

ShadowCrew

2006 年 6 月 29 日、アンドリュー [マントバニ] は、オンラインの議論フォーラム「Shadowcrew.com」を共同創設した罪で、連邦刑務所での 32 か月の禁固刑を宣告されました。このサイトには、4,000 名を超えるメンバーがおり、その多くは個人情報盗難や詐欺の専門家でした。Shadowcrew のメンバーは、物品や犯罪サービスの代金をデジタル通貨で送金・受領していました。起訴されたメンバーの 1 人、Omar Dhanani は、違法通貨取引所を運営し、違法活動で得た現金を匿名でデジタルゴールド(ビットコイン)に転換するマネーロンダリングサービスをメンバーに提供していました。Dhanani は、Shadowcrew メンバーがデジタルゴールドを使用することで従来の銀行システムを回避していたと証言しました。米シークレットサービスが 1 年かけて捜査した結果、2004 年 10 月に米国内で 21 人が逮捕されたほか、数人が海外で逮捕されました。

Western Express International Currency Exchange Company (2002-2005)

2006 年 2 月 22 日、Vadim Vassilenko、Yelena Barysheva、Alexey Baryshev は、2002 年~2005年にかけて違法な小切手の現金化および送金事業に従事した罪で、ニューヨーク州で起訴されました。3 人が在籍していた Western Express International は、犯罪収益とデジタル通貨との交換であることを知りながら、通貨取引所の役割を果たしていました。Western Express は Web サイトを通じて、米国での違法活動に東欧、ロシア、ウクライナの海外顧客を積極的に勧誘していました。顧客は架空の身元を多くの場合複数使いながら、リシッピング、フィッシング、スプーフィング、スパミングなど、多彩なサイバー犯罪を実行しました。盗難クレジットカード番号を使って購入されたアイテムはデジタルゴールドと交換で再売却され、Western Express を通じてさらに浄化されていきました。ニューヨーク州銀行規制に違反して、同社の銀行口座から流出した資金は、4 年間で総額 2,500万ドルに達しました。

結論

特定の特徴(検疫耐性型、匿名トランザクションなど)を持つ中央管理型システムが監督当局によって閉鎖される傾向にあるのは、歴史が物語っています。テザーはこうした閉鎖サービスといくつか共通する特徴を持つため、犯罪の温床となり、いずれ同じ運命を辿る可能性があります。

テザーには、次の 2 つの選択肢があると当社は考えます。

  1. 身元確認やマネーロンダリング防止手順を含むようにシステムを改善し、運営者がトランザクションを簡単に阻止したり資金を凍結したりできるようにする。テザーは、そのために技術アーキテクチャの抜本的変更が必要となる可能性があり、公開ブロックチェーンを去ることになるでしょう。実質的に、テザーは従来型(または完全準備)銀行に転換することになります。
  2. 現状のまま継続すると、いずれ、当局によって閉鎖されるリスクを負うことになります。

テザーが閉鎖された場合、一部のユーザーは一時的であれ、自己資金にアクセスできなくなる可能性があります。当社はテザーの長期保有をおすすめしませんが、その理由は、通常主張される疑念のためではありません。テザーの大半の用途が金融投機にあると考えられることから、テザーが犯罪に悪用される恐れは比較的低いと当社は考えます。また、テザーを使って資金を洗浄する犯罪者の証拠は見つかっていません。現状では、直ちに閉鎖される可能性は低いでしょう。

上記事例を読むと、2 つの角度(個別取引とシステム全体)から見た検閲への耐性、および分散型仮想通貨が長期的に存続するために達成が必要な要素が分かります。トランザクションを阻止不能、使用許可が不要、または匿名使用を許可する決済システムは、いずれ閉鎖されることになるでしょう。これはテザーやリップル のようなシステムに当てはまります。リバティ・リザーブ、E-gold、DigiCashがそうであったように。回避策として、閉鎖不能の分散型システムの構築を目指す(つまり、システム全体を検閲耐性型とする)ことが考えられます。  ビットコインなどのプルーフ・オブ・ワークベースのシステムが達成できるかどうかは、なお検証が待たれます。

免責事項:

このブログで展開される多くの主張は引用ですが、当社はその正確性を保証しません。間違いがあれば、ぜひ、ご指摘ください。

アルトコイン先物の変更に関して

2018年3月30日より、アルトコイン商品を以下のように変更致します。

  • 決済料金(0.25%)は、全ての先物契約に対して廃止されます。このようにして、エントリーと決済の障壁を取り除くことで流動性が上昇することを期待しております。
  • DASH, ETC, NEO, XMR, XLMとZECの契約に関しまして、期日を迎えたのちに上場廃止となります。これは、より人気のある契約のためにトレードエンジン容量を使うための措置です。最適化がなされた後、再度上場する可能性があります。
  • ADA, BCH, ETH, LTCとXRPの契約は、本日から四半期形式で再発行されます:
    • BitMEX Cardano/Bitcoin (ADAM18) 2018年6月29日決済先物契約
    • BitMEX Bitcoin Cash/Bitcoin (BCHM18) 2018年6月29日決済先物契約
    • BitMEX Ether/Bitcoin (ETHM18) 2018年6月29日決済先物契約
    • BitMEX Litecoin/Bitcoin (LTCM18) 2018年6月29日決済先物契約
    • BitMEX Ripple/Bitcoin (XRPM18) 2018年6月29日決済先物契約

注文に対する制限

2017年12月11日12:00UTCより、次の注文に対する制限が有効になっています:

  1. 一つのアカウントに対して、一つの契約商品につき、200のオーダーまで
  2. 一つのアカウントに対して、一つの契約商品につき、10のストップオーダーまで
  3. 一つのアカウントに対して、一つの契約商品につき、10の条件付オーダーまで

制限を超えた場合、「「オープン/ストップ/条件付」オーダーの数が制限を超えています」と表示され発注が拒否されます。

この制限は、BitMEXでのトレーディングをより快適にしていただくために設計されたもので、定期的に見直しされ更新されます。

スパム注文に関するお知らせ

このお知らせは、2017年1月2日に英語にてアップされた記事の日本語訳です。

 

BitMEXでは、大口、小口を問わずトレーダーの皆様の取引を促すために、意図的に商品の契約サイズを小さくしています。しかし、一部のトレーダーはそれを乱用し、オーダーブックまたは取引フィードに低価格の注文を多数入れていることが見られます。

次の変更は、2016年6月10日12:00UTCより有効になっています:

  • ひとつの注文につき0.0025XBT相当未満のオープンオーダーが多すぎるアカウントは、スパムアカウントと判断されます。
  • あなたのアカウントがスパムアカウントになった場合は:
    • 0.0025XBT未満の価格の注文は、自動的に非表示注文になります。
    • 非表示注文は、オーダーブックに表示されず、常にテイカー手数料がかかります。
    • Post-Onlyによるスパム注文は、非表示注文になる代わりに拒否されることになります。
    • スパム注文が多すぎると、アカウントが一時的にトレーディングを拒否される場合があります。
  • スパムアカウントのラベルは、24時間ごとに再評価され、ユーザーの行動が変わった場合は自動的に解消されます。